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第一章:夢を追うあなたの隣で

春の終わり、風がまだ少し冷たい朝。


彼――れんは、夢を追っていた。俳優として舞台に立ちたい。その目はまっすぐで、迷いがなかった。私はその隣にいた。彼の練習に付き合い、オーディションの結果を一緒に祈り、笑ったり泣いたりした。


……はずだった。


「応援してるよ」って、何度も言った。けれどその言葉に、自分の嫉妬や寂しさが滲んでいたことに、後から気づく。

スケジュールが合わず会えない日々、電話の向こうで疲れた声を聴いても、「頑張ってるんだよね、えらいね」って、形ばかりの優しさで包んだ。


本当は、心の奥にしまいこんだ想いがあった。

「私のこと、少しは思い出してほしい」

でもそれを口にするのは、彼の夢を曇らせる気がして、できなかった。


だから私は、彼の夢の「応援者」を演じることにした。本当の私は、舞台袖にもいなかったのに。

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