50.
(※ヘレン視点)
お姉さまたちとは、お店で食事をした後別れた。
二人は、王宮へ戻っている途中なのだそうだ。
死刑宣告されて脱獄したあと、二人は王宮からはるか遠く離れた町まで逃げていたらしい。
そして、死刑宣告が解かれたので、寄り道をしつつ、のんびりと戻っているそうだ。
お姉さまは、貴族としての地位を失わずに済んだ。
それなのに、どうして私だけ、平民のままなのよ……。
悔しい。
悔しいけれど、どうしようもない。
ここ最近、いろいろと不運なことが続いたけれど、完全に運が尽きたわけではない。
その証拠に、私のしたことは、まだ……。
*
私とアンドレさんは、王宮に戻ってきていた。
そして、国王陛下から、謝罪の言葉を聞いた。
無実の罪で死ぬところだった私を助けたアンドレさんは、その功績を褒めたたえられていた。
新聞の記事にも書いていた通り、私の着せられていた罪は、免責となった。
貴族としての地位も、そのままだそうだ。
でも、今はそんなことよりも、調べたいことがあった。
私とアンドレさんは、陛下のもとを去ると、事件の資料を見に行った。
私は、さっきお店で気付いたことを、実際にこの目で確認したかったのだ。
アンドレさんが持ってきてくれた資料を見た。
お母様の部屋の写真を見て、感じていた違和感は何だったのか……。
アンドレさんが殿下の腕のことを話題にしていた時に、私は気付いた。
そして、改めて写真を確かめてみると、そこにはきちんと証拠が写っていた。
お母様を殺したのは、ヘレンだという証拠が……。




