七十四話
「戦えるようになってるでごわすな。晃穂」
どうにか立ち上がった望乃里。着実にダメージ与えてるぞ。いい感じだ!
「このまま行くであります!修羅覇王靠華山!!」
晃穂は素早く踏み込み、三連続の技を出した。
まず、蹴りを繰り出し、次に肘撃、さらに必殺の鉄山靠を望乃里に放った!
望乃里は大きく吹っ飛んだー!
やった!晃穂すごい!本当に八極拳極めたのか!?
「なかなかすごい技でごわすな。少しびっくりしたでごわす」
また、立ち上がる望乃里。平然と立っている。もしかして、あまり攻撃が効いていないのか!?
「その珍妙な剣によって私の汗を蒸発させ、そして八極拳による強力な技。よくやったと誉めてあげるでごわす」
パシーン!と自らの胸を叩く望乃里。
「だが、この望乃里の肉体には毛ほど効いてないでごわすよ!」
やはり、まったく効いてなかった!どんだけ肉の壁厚いんだよ!?
「う、嘘であります…。本当に全然効いていないでありますか!?」
狼狽える晃穂。観客もざわついている。望乃里の強さ段違いじゃないか!?
「次はこっちから行かせてもらうでごわす!」
望乃里が素早く晃穂に迫った。力士はその姿から動きが遅いように思われるが、そんなことはない。かなり俊敏だ。
迫りながら、張り手を繰り出す望乃里。どうにかよけている晃穂。
だが、何発か張り手を受けてしまう。よろめく晃穂。
「力比べと洒落こもうでごわす。晃穂」
望乃里は晃穂の両拳を掴んで、無理やり指を絡ませた。
力比べをしようと、指を組み合わせているのだ。
「ダメ!逃げて!晃穂!!」
力の差は歴然だ。力比べなんて無理だ。私は叫んだ!
だが、望乃里に両手を捕まれた晃穂は逃げることができない。
流れのまま力比べする他になかった。
「ぐぬぬぬ!」
「晃穂、それで力を入れているでごわすか?力を入れるということはこうやるでごわす!」
ぐいぐいと力を入れる望乃里。ついには晃穂は力負けし、晃穂の腕は関節が逆にされていた。
「八極拳でいちいち吹っ飛ばされるのもあれだから、腕は封じさせてもらうでごわす」
晃穂の腕の関節を逆に極めながら、尚も力を入れる望乃里。
「ふんぬ!」
渾身の力を入れ、晃穂の両腕を折ってしまった!
「ぐあぁぁぁぁ!!」
晃穂!物凄く痛そうだ。よく見ると晃穂の肘のあたりから骨が飛び出ていた。
あぁ、なんてことを。ひどい。
「晃穂!店員さん、もうやめさせてあげてください!」
「まだ、晃穂殿は諦めていないでござるよ!」
見ると晃穂は片膝ついてるが、その瞳にいまだ闘志があった。




