十八話
VRでフィギュアをしげしげと見ていたが、どうしても実物を見たくなってきた。
「先生、外出してきます」
「お、澤口気を付けてな」
この学校は論文に必要な調べ物をするのに、授業中でも先生の許可があれば外出することが可能だ。
その代わり、論文の量を増やさないといけないが。
なんなら、授業に出ないことも可能だ。
「マコちゃん、どこか行くの?」
「うん。論文の調べ物探しに街行ってくる」
晃穂に聞かれたから、そう答えた。
「私も行く!」
晃穂も案の定ついてきた。
「二人とも行くのか?論文倍書けよ!」
先生から激が飛んだ。
教室から出ると、また晃穂が腕を組んできた。
胸も押し付けてくる。
「授業途中で抜け出せるなんて最高な学校だね」
晃穂が喜んでいる。
「二人きりでデートみたいだね!」
この晃穂さん、ノリノリである。
「キスしよ!」
晃穂がぶちゅーと迫ってきた。唐突だな。
「遊びに行くわけじゃないの!そういうのはダメ!」
私はキスをかわしながら答えた。
「マコちゃんのいけず!」
秋葉原の街についた。学校からすぐなのだが。
3D広告が目白押しで、空中には車が空を飛んでいる。
昔の人が見たら、これぞ未来像だと思うだろうか。
地上の道路は歩行者専用だ。
メイドさんが客引きしている。メイドも最近はアンドロイドが多い。
晃穂はいちいちメイドと話している。珍しいのだろうか?
かわいいね!デートしない?とか。口説いてるのか!?
「すみません。相手にしないでください」
私は謝りながら歩いた。なんでこんな目に。
「いやぁ、現実世界はいいねぇ!かわいい子がいっぱいいるし。視界は天然大パノラマ!空気はうまいし最高だ~!」
晃穂は気にもしないで、感動している。
目当てのフィギュア屋についた。
何十年前のプレミアフィギュアがところ狭しと置かれている。
「こんにちはマコちゃん殿。今日はどの子をお探しでござるか?」
馴染みの店員さんが話しかけてきた。口調が変だが優しい店員さんだ。
太ってて、メガネでキモいが優しい店員さんだ。
何せ、フィギュアを買わなくても、いつも嫌な顔もしないでフィギュアを見せてくれるのだ。
ちなみにここでも、私はハンドルネームを使っている。
「20年前のアイドルアニメのフィギュアありますか?」
私は聞いてみた。
「あるでござるよ!」
店員さんはフィギュアを何体も持って来てくれた。
題名も言わないのにわかる店員さん有能。




