百三十話
「このままどさくさに紛れて、晃穂を殺しちゃってもいいよね!」
「嫌であります!!」
銀色に輝く翼を広げ、雲雀が襲いかかって来た。
雲雀の羽根は一枚一枚が、鋭利に尖っており、それを射出することで相手を串刺しにすることができる。
「答えは聞いてないけどね!」
雲雀はそう叫ぶと、晃穂目掛け銀色の羽根を連続で射出した。
晃穂は紙一重で避ける。避けた後方にいた量産型メイドアンドロイド瑠美たちに、雲雀の射出した羽根が突き刺さった。
「きゃああーーーーーー!!」
羽根が突き刺さった量産型瑠美たちは、痛みで悲鳴をあげた。
「ひぃぃー!どっちが敵かわからないでありますよぉ〜!?」
雲雀の放つ銀色の羽根から、逃げ惑う晃穂。
「こらぁぁっぁあ!逃げるなぁぁぁぁ!!晃穂ーーーー!!」
狭い室内を器用に飛び回り、追いかけてくる雲雀。目が嫉妬に狂っている。
逃げ惑っているうちに、闇雲に連射する銀色の刃のような羽根が量産型メイド瑠美たちと、部屋の壁一面に突き刺さる。
痛みにのたうち回る量産型メイドアンドロイド瑠美たちが、死屍累々と積み重なっていく(死んではいないが)
あまりに銀色の羽根を撃ちまくったため、雲雀の翼は飛べなくなっていた。
「はぁはぁ…。ちょこまかすばしっこい奴め…」
床に舞い降りた雲雀は、晃穂がいたあたりを見て言った。
いつの間にか晃穂はいなくなっていた。
「ちぃ!逃げたか…」
獲物を狙う猛禽類のような目をして、雲雀は晃穂を探しに行った。
あらかた量産型メイド瑠美は倒してしまった。というか、とばっちりを受けた感じになった。
ひどい話である。
「晃穂ー?どこ行ったー?もう怒ってないから出ておいで〜?」
雲雀はわざとゆったりした甘い声を出して、晃穂に呼びかける。
怒ってないというのは、もちろん嘘である。
晃穂をおびき寄せるフェイクだ。
「さっきはごめんね。ついカッとしてあんなことしちゃった。もうしないから出て来てよ?」
呼びかけても、あたりはシーンと静まり返っている。
すでに晃穂は上の階層に行ってしまったのだろうか?
その時、空いてる部屋からがそごそと、物音がした。




