百二十七話
「沖田殿と土方殿がドナドナされしまうでござるよー!?」
「まぁ、警察署でちゃんと話せばわかってもらえるかもしれません…」
「どうだかな?ここで抵抗しても致し方ない。大人しく縛につくとしよう…」
慌てる店員さんをなだめる沖田と土方さん。
二人は大人しくパトカーに乗り込んだ。
「あわわ、本当に沖田殿と土方殿が捕まってしまったでござるよ…」
落胆する店員さんを後にして、パトカーは走り去った。
沖田司とアイドルテロリストのマリア・タチバナが戦い始めた時より半刻前、北乃雲雀は鳴宮晃穂を抱え上げて、銀色に輝く人工羽を羽ばたかせ空を飛んでいた。
「いやぁ、絶景ですなぁ〜!大東京の街並みが大パノラマで展開されてるでありますよー!」
晃穂は興奮して空からの東京の風景を楽しんでいた。
「松子ちゃんが捕まってるのに、よくそんな悠長なこと言ってられるわね!?そんなこと言ってるとこの手を離すわよ!」
「それだけは勘弁してくださいであります!ここから落ちたら流石の私も修復不可能であります!」
雲雀にどやしつけられる晃穂。高度何百メートルの空から落とされたらアンドロイドの晃穂でも、粉々に砕け散ってしまうだろう…。
「それはいいわね!晃穂をここから落として修復不可能なぐらい壊せば、松子ちゃんは私が独り占めできるもんね!」
雲雀の目つきが怪しくなった。ヤンデレモード発動したようだ。
「うわぁぁっぁぁ!?本気!?本気の目であります!?助けてくださいであります!!」
「ちょ、ちょっと!?そんなに暴れたら本当に落としちゃうって!?じっとしてて!」
混乱した晃穂がジタバタと暴れたので、本当に落としそうになる雲雀。
「わかりましたであります…。じっとしてるであります」
「よしよし、いい子ね。ところでスマートブレーン社はどこにあるんだっけ?」
雲雀はスマートブレーン社の在り処を聞いた。
「えぇ!?知らないで飛んでたんでありますか!?結構抜けてますなぁ?雲雀さんは…」
「そういうこと言うんだ?やっぱり手を離そうかなぁ?」
そう言って、晃穂を掴んでいる指を弛めようとする雲雀。
「わぁぁっぁぁ!?嘘であります!空も飛べるし、顔もかわいいし、性格もいい雲雀さんはすごいなぁ!」
落とされてはたまらないので、急にお世辞を言う晃穂。
「急に褒められても全然嬉しくないし…」
雲雀は頰を膨らませ、拗ねてみせた。
「脳内ネットで調べたところ、スマートブレーン社は港区のあたりにあるらしいであります!」
「了解!港区ね。大雑把に言えば方向的にはあってたわ。よかった…」
港区の方向に飛んでいく雲雀と晃穂。




