百十四話
「やはり犯人はリリーでありますか!?リリーのところに急ぐであります!」
晃穂が息巻いて言った。
「そう言うと思って、弥七に鳴宮研究所に様子を探らせに行かせたのですが、そこももぬけの殻だったのですよ」
沖田さんは先手を打っていたらしい。
「鳴宮百合子はどこに潜伏しているのだ…」
土方さんが唸っている。
と、そのとき事務所に置いてあったテレビからニュースが聞こえてきた。
『四つ星重工の御曹司、四津星彰人氏と鳴宮研究所の鳴宮百合子氏が提携し、全く新しい会社を設立しました。その名もスマートブレーン社です。元々四つ星重工はアンドロイド製作を中心とした会社でしたが、何処が違うのか社長の彰人氏に聞いてみましょう…』
ニュースのレポーターが口早に話しているのがテレビから聞こえている。
「ここだ!」
土方さんが大きな声で言った。
「まさか、こんなどでかいビルにリリーがいるなんて…」
晃穂は信じられなかった。鳴宮研究所はすごく狭い借家だったのである。
スマートブレーン社は数十階はありそうなインテリジェンスビルだった。
「マコちゃんはここに囚われてる可能性が高いであります。すぐに助けに行くであります!」
晃穂は今すぐにでも駆け出しそうな勢いだった。
「まぁ、待て!飽くまで可能性が高いだけだろう?それに警備も厳重だろう。行くならお前1人で行け!」
土方さんは冷酷なことを晃穂に言った。
「土方さん、晃穂殿はもう真撰組の一員なんですよ。我々も協力してあげましょうよ…。ダメなら私だけでも一緒に…」
沖田さんが助け舟を出した。
「それは絶対にだめだ!秋葉原諜報部の面々に調べさせたところ、アイドルテロリストがここ秋葉原に向かっているらしい。沖田も晃穂も鳴宮百合子の元に行ってはここが手薄になる」
土方さんの言う通りだろう。晃穂と真撰組が共に行動したら秋葉原が危ない。
「それなら私が晃穂と一緒に行く!晃穂の味方してるみたいで嫌だけど、松子ちゃんのためだもの!」
今まで黙っていた雲雀が突然言った
「雲雀殿…!?だめですよ!危ないですよ!」
沖田さんが止めに入った。
「大丈夫だよ、沖田さん。私もアンドロイドだからそう簡単にやられないよ!」
「でも、雲雀殿にもし万が一何かあったら…」
尚も雲雀のことを心配する沖田さん。
「大丈夫であります!私がついてるであります!」
晃穂がドヤ顔で胸を逸らして言った。
「晃穂がついてるんじゃ、それは逆に心配だなぁ。」
雲雀はとても嫌そうな顔をしている…。




