百十二話
マリア・タチバナは10年前、私の親友を焼き殺した張本人なのか?
「あの時は本当にすまないことをした。私の親衛隊が投げた火炎瓶が中央通りにいた少女に当たってしまった…。謝って済む問題ではないが本当に申し訳ない…」
マリア本人が雲雀を焼き殺した訳ではないようだが、私はあのときのことがフラッシュバックして、涙が止まらなかった…。
「雲雀は燃えながら苦しみ抜いて死んだんですよ!この人殺し!!雲雀を返して!!」
私は激情駆られて叫んだ。
「マコちゃん落ち着きなさい!雲雀さんが生きてるかもしれないの!」
「へ?」
リリーに肩を掴まれ衝撃の言葉を言われて、私は間抜けな返答をした。
「この写真を見て。写ってるこの子雲雀さんじゃない?」
リリーが写真を見せられた。鮮明ではないが、確かに写ってるのは今のアンドロイドに似てる雲雀のような人物だった。
「これ、アンドロイドの雲雀じゃないんですか?」
「いや、違うらしい。何故か彼女は違う名前を名乗って、特殊機関に所属してるらしい…」
「え?特殊機関?なんで?」
あまりに意外な展開に私の頭は追いつけなかった。
「私も詳しくはわからないわ。この写真はとある筋からもらった物なんだけど、彼女がいるのは特殊機関なのでこれ以上詮索できないらしいの…」
リリーは美しい金色の眉を顰めて言った。ウィッグを取ってるので、綺麗な素顔が見えている。
「あの子生きてるのか!?それは良かった!本当に良かった…!」
マリアが泣いて喜んでいる。雲雀のために泣いてくれているのか?私も今度は嬉し泣きをしていた。
リリーもマリアも本当はいい人なんだろうか?
「マコちゃんが私たちに協力してくれれば、もっと雲雀さんのことを調べるわ。なかなか難しいと思うけど…」
リリーが私の肩を掴んだまま、雲雀のことを調べてくれると言ってくれた。
しかし、顔がすごい近いんだけど。
「協力って何をすれば?」
私は思わず言ってしまった。言ってから本当に協力していいのか疑問に感じたが。
「マコちゃん協力してくれるの!?ありがとう…!」
リリーが抱きついてきた。ついでに私の頰にキスしてきた。
「うわ、キスとかはいいですから。協力するからって私はあなたたちの考えに賛同した訳じゃないですよ!」
リリーとマリア、そしてターニャの悲しい過去はわかった。確かに同情に値する悲惨なことだったろう。
しかし、私がリリー側については、もう晃穂に会えない気がした。それは嫌だった。
しかし、さっきから晃穂オルタナティブが私に嫉妬深い視線を送ってきているのが気になった。




