大丈夫、見えてない、見えてない……(汗)
マーガレットと密約を交わした僕は、ヒロイン側の行動をこちらからも把握できるし悪いことばかりじゃないはず、と思っていた。
そして今は授業中で、てっきりルイも授業受けている頃だと僕は思っていたのである。
折角だからこの人気のなさそうな校舎の中を通っていこう、ここなら僕が歩いていても気づかれないだろう……と僕は思って歩いていたのだけれど。
えーと、こういった人気のない場所というものは、色々とその……あれとかそれとかそういう事が出来ちゃったりというかしていたりする可能性もあったわけで……そしてその人物には見覚えがあった。
「や、やだ……放してっ」
「そんな風に可愛くお願いしても駄目だよ? 僕はとても怒っているのだから」
優しい声で言うその人物だが、そこはかとなく怒っている、そんなものを感じさせるような怖い声音で、対する、可愛くお願いしていると称する声は、怯えたような涙声だ。
ちなみに、放してと言っている方がルイで、怒っていると言っている方がレオ王子だ。
現在二人は体を密着させていた。
その密着のさせ具合もあれというかなんというか……多分、ルイはレオから逃げようとしたのだと思う。
でも手を掴まれて、更にもう片方の手を後手に拘束されて壁に押さえつけられてしまったのだろう。
この位置からではルイの表情は見えない。
けれどレオの表情なら分かる。
笑っている……獲物を前にして舌なめずりをするような、猛禽類の笑みだ。
それを感じ取っているのかルイは、小刻みに震えている。
「や、やぁっ、やだっ……」
「ルイは怯える声も可愛いね。でも、どんなに可愛くても許せないことだってあるんだよ? ……何で僕を無視して逃げようとしたのかな? しかもずっと避けるように行動していたしね? どうして?」
「し、知らない」
ルイががたがたと震えている。
そんなルイにレオが楽しそうに囁く。
「ルイ、君のことは全部知っているんだ。人を送ってずっと見ていてもらったからね。……どうして自分から僕に会いに来ようなんて思ったのかな? ……大人しく僕を君は待っていれば良かったのに。どうしてそれが出来なかったんだい?」
「……貴方に、興味がなくなったから……」
「ふーん、そういう事を言うんだね。そんな嘘つきないけない子は……どんな風になると思う? ルイ」
「は、放してください」
「……仕方がないな。今日はこれくらいにしておいてあげるよ。僕もルイには甘いようだね」
そう告げると同時に、ルイが走って逃げていくのが見える。
なのでここで見ているのはまずい、そしてルイに気づかれるのも気まずいと僕は思って損場から反対方向に移動する。
特に気づかれることもなく、追われることもなく僕はにげきれた……そう思った所で、僕は誰かにぶつかった。
「っ、すみません!」
「いや、こちらもよそ見していたから……君は……」
そこで僕は、王子であるレオにぶつかってしまった。
何だか雰囲気が違うなと僕は思いつつも、何で別方向からぶつかったんだろうと僕は思って慌てて挨拶をしてその場から逃げる。
だって彼は不思議そうに僕を見ていたから。
だから僕は知らなかった。
僕の後ろからもう一人のレオ王子が現れて、
「? 今、ルイのような子が君にぶつかっていたけれど……」
「ルイ? 俺には、俺の世界の瑠伊に見えたな」
「……言われてみれば少し雰囲気が違う気がするね。……僕と同じように、呼んだのかもしれないね。もしそうなら、君はどうする? 伶音」
それに伶音という人物は少し黙ってから、
「別に。約束どおり、レオ、お前の手伝いを俺をするだけだ」
その答えにレオは、よろしく、そう答えたのだった。
さてさて、そんなこんなで僕はどうにかルイの部屋までやってきた。
予めもらっていた合鍵で部屋に入って、椅子に座る。
マーガレットには問い詰められるわ、ルイとのアレなシーンは見てしまうわで、散々だった。
もっともこの後は、マーガレットと少し相談しないといけないけれど。
ただその前に、ベリオールのステータスはチェックしておきたいと思う。
現在のマーガレットへの好感度がどの程度なのかを知っておかないと後々、調整しにくい。
後でベリオールのいそうな場所をルイに聞いてこよう、そう僕が思っているとそこでルイが帰ってきた。
でも僕が見ていたことは伝えないほうがいい気がしたので、代わりに、
「今日は早かったね。どうしたの?」
「午後の授業が、先生が風邪をひいてお休みで……」
「あー、そうなんだ」
「それでどうだった? この学園内の構造がわかったかな?」
「うん、広いね。そして本当に魔法が使えるんだね」
「今は瑠伊も使えるんだよ。異世界に魔法がないっていうのが僕には不思議だけれど、数多ある世界の中にはそういった選択もあったのかもしれないね」
そう言って笑うルイに僕も自然と微笑んでしまう。
別の世界の僕とこうやって話しているのは不思議な感じがする。
でも彼も僕なのだという奇妙な確信めいたものが僕の中であるのも不思議な感じがするなと僕は思いながら、
「あ、そうそう、ある人物の居場所をその魔法で調べてもらってもいいかな。そういった魔法ってある?」
「あるけれど……どうしたの?」
「そのゲームのヒロイン、マーガレットが片思い中の相手がいて、その人物とくっつけられたなら、と思ったんだ」
「! そうすれば王子と……」
「でも途中、その場合でも二人の仲が深まるのを邪魔をしないといけなくなるけれどね」
「……それが僕の役目だから、うん、仕方がないよね」
悲しげに笑うルイに、僕まで胸が締め付けられるような気持ちになる。
共感みたいなものをしているのだろうか。
そう思いながら僕は、ゲームの中での展開はある程度頭にはいっているけれど、
「ベリオールの様子を見てから考えようよ。それからどう諦めてもらうかを考えていくのもいいと思う。それに……」
「それに?」
「僕のやっていたゲームでは、最後はルイとレオ王子は結ばれていたよ? だからそのルートに行けるよう、手助けするから元気を出して!」
「瑠伊……うん」
笑顔になったルイを見ながら僕は、早速そのベリオールの居場所を教えてもらったのだった。
どうやら図書室にいるらしいと分かったので僕はそちらに向かう。
ルイの魔法で学校の見取り図のようなものを取り出し、一本の糸のようなものを取り出す。
「ルイ、それは?」
「ベリオールの髪の毛。探査にはその人の身近なものがあると反応しやすいから。……もっともこれは特別な魔法なんだけれどね」
と笑っていたが、あっさりベリオールの髪の毛が出てくる辺り、もしや全校生徒や先生方もあったりするのだろうかと思ったけれど僕は怖くて聞けなかった。
そうこうしている内に、居場所を特定。そして、
「王子とくっつるために邪魔をしないといけないから、その人物の居場所がすぐに分かるようにしているんだ。決してこの髪の毛は僕の趣味じゃないからね」
「う、うん、もちろん分かっていたよ」
といったやりとりがあって、僕は現在図書館に来ていた。
そしてその目的の人物を見つける。
赤い髪に、茶色の色の瞳をした男。
資料が何処だったかなと探している彼を見ながらも、もし他の人に見えたら困ると思って僕はここの図書室にいる見える範囲の全員と念じてから、
「ステータス、オン」
そう小さく呟く。
そこら中にステータス画面が現れる。
幸い誰も気づいていないようだ。
なので僕は目当ての人物の前を通りながらステータスを覗く。
名前:ベリオール・ロックフレア
レベル:28
体力 200
魔力 56
攻撃力 89
防御力 99
好感度 (マーガレットへのもの) 56
確か好感度は100になると最大値だから……初期の値にしてはいいのかもしれない。
それを考えながら僕は、そのままマーガレットの部屋に向かったのだった。
マーガレットの部屋の側にやってきた僕。
もちろん念のため透明人間になる魔法を使って彼女の部屋に向かう。
「女子寮の1階ってここだよね。カーテンが湿られていてよく分からないけれど、こんこんとっ」
軽くガラスを叩くと、カーテが引かれ、マーガレットが現れて窓を開ける。
「早く入って、気づかれる前に」
「はーい、でもよくこの透明人間状態でわかるわね」
「体温さえ分かれば余裕よ」
「……え?」
サーモグラフィーのような、体温を測定する魔法でもあるんですかと思った僕は、これ以上彼女の“正体”に近づいてはいけない気がした。
いや、乙女ゲームをしていたのだからもっと早くに気づくべきだったのかもしれない。
ゲーム内のヒロインはとても、能力が高いというか、才女と言うよりはむしろ……。
いや、それ以上は考えるのは止めよう。
代わりに、言われた通りの部屋に入る。
女の子の部屋というには物が少ない気がするが、そこでカーテンを閉めて窓の鍵をかけて、僕に側の椅子に座るよう促すマーガレット。
僕は素直にそれに従い、彼女はベッドに座る。
すると彼女は白い玉を3つほど取り出して、ポンポンとお手玉をする。そして、
「それで、そちらに何か動きは?」
「今日の所はわかりませんね、ただ明日は動くかも」
「それはルイが言っているの? それとも貴方のゲームでの話かしら」
「僕のゲームでの話ですね。明日、三年の校舎に行く渡り廊下を使って音楽室にいってください。その時にベルオールと遭遇してちょっと話をする事になります。ちなみにその時、花束と参考書、どちらがもらったら嬉しいか聞いてきますが……」
「もちろん参考書って答えればいいのよね」
マーガレットは即答だった。
確かにそんな感じの少女ではあったけれど、それだと、
「好感度が下がります」
「……何で? あいつは幼馴染だから、私の好みは知っているはずでしょう!」
「それでも年頃だから、やっぱり、そういった女の子っぽさに可愛いなって思ったりするんです!」
「……ふーん、それが男の意見なのね。わかったわ、そうする。それで……一つ聞いていいかしら」
そこでその白い玉を、ポポポーんと巧みに手で投げあげて受け取る。
マーガレットはすごく器用なんだな、大道芸人になれるんじゃないかなと思いながら僕は、
「何でしょうか」
「その、ベリオールの私への好感度ってどれくらいかしら。ちょっと入学式の時に失敗してしまって」
「そうなんですか? えっと好感度は56です。ちなみに最高値は100です」
「そ、そう、脈ありなのね」
「かなり落としやすい状況です、ファイトです」
そこまで話して、現状で話せるのはここまでかなと僕が告げるとマーガレットは、
「そう? また何かあったら教えてくれると嬉しいわ」
「はい、ところで一つお聞きしたいのですが……その白い玉はなんですか?」
「ああ、これ? 盗聴器よ? 私を監視しようなんて百年早いわ」
しかも今は偽物の音などを流しているらしい。
このヒロインやっぱり何かが間違っていると僕は思ったのだった。
そして僕はルイの部屋に戻ろうとしたのだけれど、
「? ルイ?」
「! レオ……王子?」
その戸惑ったような声になったのが間違いだったのかもしれない。
レオは瞳を瞬かせて、次に僕に微笑み、
「少し君とお話したいのだけれど……いいかな?」
僕にそう、張り付いた笑みで告げてくる。
僕は逃げないとと思って、
「す、すみません!」
そう彼に叫んで逃走する。
そこで彼は後ろから僕に呼びかけた。
「図書館で、“ステータス”画面が見えたけれど、君かい?」
「な、何のことでしょう! 僕、知りません!」
そう答えて僕は、レオから少しでも逃げ出そうとその場から逃げ出したのだった。
慌てて僕が部屋に戻ってくるとそこでルイが、
「どうしたの? 慌てて」
「その、偶然、レオ王子に会ってしまって、慌てて逃げてきちゃった」
「……正解だね。僕以外に、瑠伊がいるって気付かれると困るから」
「うん。本当に驚いたよ、話をしたいのだけれどと僕は言われるし」
「……そうなんだ」
そこで、ルイは黙ってしまう。
何処かしょげている様な俯いている様なそれに僕は、
「もしかして、ルイ、会いたかったの?」
「……別に」
悲しそうな表情は変わらない。
そして僕は知っている。
人気のない校舎で、ルイがレオ王子に……。
すでに会っているし、こんな風に表情に変化がないとなると、別の理由だろうと僕は見当を付ける。
「それとも僕がレオ王子様に、話をしたいって言われたのが羨ましいの?」
「! ……別に」
「そうなんだ。レオ王子と話したいんだ、ルイは」
「……話したくない。だって、レオは……僕と話す気なんて、全然なかったんだ」
「そんな事はないと思うけれど」
「嘘! だって僕、出会い頭に逃げようとしたら腕を掴まれてそのまま……何でもない」
僕が目撃したのは丁度、ルイが壁に押し付けられた頃のようだ。
ほぼ再開して次に会った時にそんな風にされれば、それも好きな相手にされたなら落ち込むだろう。
なのに僕には話をしないかと言ってきて、
「まさか、僕がルイじゃないとばれた?」
「! ……まさか、異世界とはいえ同一存在だよ? 気付くはずがないよ」
「そう、だよね……そうなってくるとさ、レオ王子、その、ルイは前に会ったみたいだけれど、その時のことを反省して類との関係を修復したいって思っているんじゃないかな」
「……そう、なのかな」
「そうだよ、でないと説明がつかないじゃん」
「そう、だよね。……そっか。僕と話をしようとしてくれているんだ」
そこでようやく、ルイが微笑む。
けれどすぐに悲しそうな表情になり、
「でも僕はもう、話せない。それが僕の役目だから」
「そしてそれを覆すために、僕がいる、でしょう?」
冗談めかして僕がルイに告げると、そこで類が微笑み頷いた。
そこで僕のお腹がぐうっ、と鳴く。
「お腹が空いたかな、そういえば食べ物はどうしよう」
「ここの部屋で僕も食べるから、部屋で食べるための飲み物と食事を貰ってくるよ。……僕は実は大食いだってことにしてね。待ってて、すぐに取ってくるから」
ルイが立ちあがり走り出す。
良かった、元気を取り戻したみたいだと僕は思いながら、
「ルイが悲しいと何となく僕も悲しいから、ルイを励まして……レオ王子とくっつけるんだ」
そう口に出して僕は、頷いて決意を新たにしたのだった。
食事はスープとパンの様な物とお肉の入った野菜炒めだった。
結構沢山持ってきてくれたので、パンは保存がききそうだから、持っていようかなと思う。
また瓶詰めの飲み物を幾つも持ってきてくれて、それがブドウの様な味わいで凄く美味しかった。
そんな風に異世界の料理を堪能している僕にルイが、
「それで、マーガレットの片思いの相手はどんな感じ?」
「好感度が100とするとすでに56貯まっている感じかな」
「凄く落としやすいのかな?」
「うーん、そうかも。これから僕が上手く好感度を上げるように誘導もしてみようかなって思っているから、どの道大丈夫だと思うけれどね」
「頼もしいです、瑠伊」
「大船に乗った気でいたまえ、はっはっは」
「調子に乗ってるぅう、この」
肩で軽く僕の肩をツンとと叩くので僕はやり返す。
そうするとルイがまたやってくるので僕もやり返して……僕はまたやり返す。
そんなこんなで楽しい夕食を終えた僕達は一緒のベッドに寝る。
このまま余裕でクリアしてやる、そう僕は心に決めるけれど……事態が動いたのは、次の日の昼休みの事だった。
そんなこんなで僕達は次の日、
「じゃあ授業に行ってくるね」
「行ってらっしゃい!」
「うん、お昼はまた一緒に食べようね!」
と、ルイが授業に行くのを見送る。
そして僕は背伸びをして、
「よし、じゃあ今日の予定は……」
そう呟きながら時計を見る。
マーガレットの件については上手くいっているのか見届ける必要がある。
更に言うならば好感度数値の変化が知りたい。
ゲームと同じなら、そうして上手く誘導するのみだ。
ただ気になるのは、
「ゲームと同じなら楽なんだけれどあのヒロインだしね。まさかいきなり好感度を上げない方向に行くとは思わなかった」
ゲームを買った理由でもそうだが、見た目は好みだが性格がアレである。
上手く誘導しないとと僕は思って、次に時計を見る。
移動時間までまだ時間がある。
さて、どうしようかと思って、とりあえず上手く魔法が発動するかを見ておこうと思い、透明人間になる魔法を使う。
鏡の前に立っても自分の姿を確認したが、全く見えない。
よし、上手くいっているぞと僕が思っているとそこで、部屋の鍵がガチャガチャなる。
ルイが忘れ物でも取りに来たのかな、と僕が思っているとそこで扉が開く。
現れたのはレオ王子だった。
ここの制服は基本的に黒なのだが、王子だけは何故か白い服を着ているのである。
というかこの姿が金髪にしたりした姿が伶音に似ているから本人だと分かる。
けれどこの部屋に何の用だろうと思いつつも何となく……僕にこの前、声をかけてきたレオ王子ではない気がする。
どちらかというと、僕の幼馴染の伶音似ている気がする。
ただ何でこんなルイの部屋に来たのだろう。
そもそも合鍵なんて、ルイは渡していないはずなのに。
そこは疑問に持つと怖い気がしたので放置して、レオ王子は何かを探し始める。
初めは机の引き出し、そして次は戸棚。
ちなみに僕は透明人間になったままレオから出来る限り離れるように移動していた。
そこで壁にくっついていた僕の方にレオが近づいてくる。
何で? 気付かれた!?
焦る僕の、目と鼻の先までレオ王子の顔が近づかれたけれど、
「……気のせいか。誰かいる様な気がしたが……さてと。探索を再開するか。あいつに任せると変な気を起しそうだからな。……気持ちは分からなくはないが」
レオ王子らしき人物がそう呟いて、僕から離れていく。
僕はほっと胸をなでおろして、その場に立っていると今度はベッドの下を探し始めてそして、何かの書類の束を見つけて、
「なるほど、これか。ふーん。とりあえず場所は分かったから……解くのに時間がかかりそうだからな。しばらくは調べないといけないから画像データだけとって、元の場所にっと。……まさか恋仲にルイとなるのを邪魔する役をルイ自身にやらせる誓約書とか、汚いことをやるよなっと。よし、これで大丈夫」
そう呟きながらレオ王子らしき人物は部屋から出ていこうとして、それで振り返る。
その目線の先に僕がいる。
つまり僕とレオ王子は顔を合わせるようにお互いを見ている感じだ。
僕は透明人間になっているはずなのに、まさか気づかれた!? と怯えていると、レオ王子はくすりと微笑んで部屋を出て行く。
しかもはじめから何事もなかったというかのように鍵までかけて。
それを見送りながら僕はペタンと床にしゃがみこんでしまう。
「お、驚いた……でも、誓約書って……」
独り言……だと思うあの台詞だが、もしそうならばルイはどうなってしまうのだろう。
自分が動けないから僕を呼んだルイ。
「絶対に幸せにしてあげたい。というか、誓約書、僕もあとでこっそり見よう。今は時間がないから」
そう僕は呟いて立ち上がる。
ゲームのヒロイン、マーガレットの好感度イベントは、もうすぐそこまで迫っていたのだった。




