プロローグ
モンスターをテイム、つまりは捕獲して仲間となり共に旅する事を目的としたゲーム、テイマーズオンライン。
2028年初頭に表れたこのゲームはあらゆる意味で世間の注目を集めた。
まず当時技術の実装が初めて行われたVRシステム。
それは人間の五感に直接リンクし、自分の体を動かしているかのようにゲームができるというシステムだった。
それは四肢を失った人、目の見えない人、音の聞こえない人にも脳に直接電気信号を送る事で疑似体験を促している為、脳の欠損などがない限り体感が可能となっていた。
そのため幻肢痛の治療や、痴呆防止、格闘技の訓練などに用いられることもあった。
反面、身体に悪い影響を与えるのでは、などの意見も多くでた。
またモンスターを捕獲、討伐するという事で子供絵の悪影響なども懸念された。
それら多くの問題をクリアして、ついに現実のものとなったテイマーズオンラインは爆発的な人気を誇った。
まず日本には5つの互換性を持つサーバーが用意された。
後にこのサーバーの数は30を超える事になるが、その全ての間で移動が可能であった。
また数か月遅れで国外にもサーバーが設置され、世界的大ヒットとなった。
その理由の一つが自由度の高さである。
まずスキルという物があり、これはモンスターをテイムするためのスキルから、プレイヤーが直接戦うスキル、モンスターの成長を促すスキル、アイテムを生成するスキル、遊びのためだけのスキルと区分が豊富にあり、更に全て合わせて数百の基礎スキルと数千に亘る発展スキルがあった。
さらにNPC,ノンプレイヤーキャラクターの店やアイテムを精製するプレイヤーは装備のオーダーメイドが可能であり各々自身の好みに合わせた装備の作成が可能だった。
そのため、よほどのことがない限りは同じ見た目のキャラクターが出来上がる事はなかった。
つまり、オリジナリティの追及が現実と同じレベルで可能だった。
そして何よりも人気を博した理由は、モンスターの種類だった。
可愛いモンスター、かっこいいモンスター、強いモンスター、弱いモンスター、巨大なモンスター、極小なモンスター、さらにそれらを交配する事で産まれるオリジナルのモンスター。
既に数えきれないほどのモンスターがゲーム内にいた。
一部のプレイヤーからは月額が低額故に資金源や、サーバーの容量などを気にする声も上がっていたが、すぐに面白ければいいという声で沈黙することとなった。
そんなテイマーズオンラインに、新たなプレイヤーが現れる。
御年18歳、大学受験を指定校推薦で早々に終えて暇を持て余している【松江翔子】。
同級生に誘われてこのゲームを始める事になった彼女がオンラインゲームの世界で波乱を巻き起こす事になるが、今はただの女子高生である。




