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雨粒の窓辺
魔法省からの帰り道を歩く。随分と疲弊していて。
働き疲れた故の頭痛と踵の鈍痛は、彼を鬱屈とさせるには充分な材料だった。
家までの距離は異様な程遠く感じる。
(こっちは命掛かってるってのに……。)
(どうしてるだろうか、あの娘は。)
魔法省から受け取った報酬は、銀貨三枚。
これっぽっちの日給じゃ、薬瓶ひとつにしかならないだろう。
「ただいま。」
立て付けの悪い扉を開ける。
ようやく辿り着いた我が家。
少し寂れてはいるが、一人で暮らすにはやや大きな部屋だ。
戻ったよ、と言いかけたが。
__どうも、様子がおかしい。
昨日までは、至って普通の笑顔を見せていた、あの娘が。
雨粒の窓辺に座り、煙をふかし、天を仰ぐ。
また、状態を変えてそこに座っている事に、嫌でも察してしまう。
(駄目かもしれない。)
(だから、今日は……、雨が降っていたのか。)




