表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/16

特殊スキル

「まあ、いいよ。ここまでやってくれたのもあるけど、力を貸してやる」

竹杉が言った。始めから、答えは決まっていたみたいだった。

「そうか!!ありがとう!!」

「でも、まあ、がんばってみるよ」

「そうね!!」



時間は少し遡る。一班たちでは、、、、


「ふっ我の力が暴走してしまうな……」

「ジャスティス!!なのだ!!」

「ああ、そうだなー」

「おっ!!ここなんか暗くね!!」

三森(体育系男子)が言い、近づく。

「な、これは――近づくな!!」

幻澤先生(拍真たちのクラス担任)が言う。

「え??何が――」

三森がそう言い終わる前に、三森はその場からいなくなる。

「え…??先生、何が…」

「何故、ここにあるんだ?魔ホールが。」

「三森は大丈夫のなのだ?」

「ああ。だが、最悪の場合、魔王国に飛ばされたかもしれない。……魔ホールってのは、要はテレポートみたいなもんだ。三年前ぐらいから、その名を聞き始めた。はじめに伝えていなかった、俺の責任だ」

「今はそれどころじゃない。三森は生きているんだな!!だったら、皆で助けに行くのが、我の宿命であろう」

口調で分かると思うが、これは中二病の田中が言ったものだ。

「もちろんなのだ!!」

岩山も言う。いつも、ジャスティス、だとか、そんなこと言ってばかりだけど、やっぱり、情に厚い。

「ごめん。わたし、さっきから、何もできてなかったよね……魔族を制圧するなら、私が何が何でも、スキルの水使いで、頑張るから!!」

中山が言う。戦闘テストでも、あまり活躍できていなかったと、ずっと、気に病んでいたのだ。

「………わたしが、もっと先まで予知していれば……!!今から、ずっと、一分先の未来を予知し続けます」

神崎が言う。恐らく、誰よりも、公開しているのは神崎なのだ。はじめから、三森がワープすることもなかったのだから。

そう考えて、神崎は拳を握りしめた。

***************************

「ところで、竹杉ー!! あのゼエンって奴の攻撃が、俺が時間を止めた世界でも、動いてたんだが、なんでなんだ?」

「ちょっ、僕が Siri 扱いされてる!!まあ、考えてみるか……って分かるわけ無いだろ!!時間止め忘れただけじゃないか?」

「いや、しっかり、それ以外のものは止まってたんだ」

「他になんか変わったことはなかったの?」

安田が聞いてきた。

その後ろでは、境木と山田が、興味津々な顔をしている。

「うーん…あ!!そういえば、その攻撃だけど、普通よりもめっちゃゆっくりだった!!」

そうだったはずだ。ゼエンの攻撃は手の平を上に向けて、真っ赤な、球体を作り出し、それを放つ、というものだった。

しかし、ゼエンが一度放った球体は、目に捉えることができなかった。

だが、時間が止まった世界では、その球体の形がはっきりと見え、動いているのが分かった。

つまり、速さがめっちゃ遅くなってたってことだ!!

「てか、本当に時間が止まってるなら、光だって、届かないんでしょ?なら何で周りが見えるの?」

安田が言う。たしかに〜!!

「…!!そういうことか。安田、とても鋭い指摘だ。つまり、拍真のスキルは時間を止めるんじゃなくて、時間の流れをゆっくりにする、もっと言えば、動体視力と、思考の速さを極限まで上げる、スキルだったんじゃないか?!」

「??????」

「つまりだな、周りが見えるってことは、光は届いているってこと。更に、ゼエンの攻撃が見えたってことは、ある一定以上の速さなら、動いているってことだ。だから、時間が止まってるんじゃなくて、時間の流れがゆっくりになってると、考えられるんだ。そして、ただ時間の流れをゆっくりにするぐらいなら、一つの仮説が生まれる。『時間の流れは止めっていない』という仮説だ」

ん?じゃ、俺が自分の特殊スキルにつけた「時止」って名前、完全にミスやったやないかーー!!

かなーしーみのー―――ととと、本題に戻ろう。

「まあ、ちょっとは分かった!!てことは、俺達のスキルも、原理が説明できるってことか?」

「もちろんだ。もっとも、そのためには、実験に実験を重ねないといけないだろうけどね。

「あの…一つ思ったこと言っていい?ゼエンと、佐藤って似てない?」

境木が言った。どういうことだ?

「私って、心読めるからさ、なんか、雰囲気が似てるような…??でも、『ような…』って言うよりは、確信に近いんだけど…」

「もしかしたら、境木の特殊スキルの原理も仮説がついたかもしれない。境木のスキルは、本当に心が読めてるわけじゃなくて、その人の仕草や、行動、表情とかを見て、考えていることを推測しているだけなのかもしれない。そうだとしたら、ゼエンの仕草とかが、佐藤に似ているとしても、説明がつく」

―じゃあ、安田のヒールは?―

と、山田が聞いてみそうになったが、まず、拍真とゼエンが似ているという事実が、引っかかったので、そっちを聞いてみた。

「で、拍真とゼエンが似てるって…??」

「そこまでは僕でもまだわからない。でも、いずれ分かる時は来ると思うよ」

  ビビビッビビビッ

酒田先生の電話がなる。

てかこの人、気配マジ空気だな。

《至急、北魔雑入(三森がワープした所)に来てくれ!!》

え??

次回予告

「ちょ、ここどこだよ!!」

「ん?人間のガキか?」

三森がワープした、先には…?

次回《三森の脱出作戦》

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ