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リングワールド  作者: seisei
序章

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29/29

迷宮 ラビリンス ダンジョン 

【メル視点】


 あたいはなかなか良い金ヅルに出会ったみたっすね。あの男の子はなかなかイケメンな上に気取って無いのが良っす。


 冒険者に一番大事な腕っ節の方も、あたいは全然本気じゃなかったっすが、それでもあたいを負かすなんてなかなかいい根性しているっす……。もろんあたいが本気で相手をすれば本当に負けるわけないっすけど。


 迷宮探索を本気で成し遂げようと思うならあんたは何が一番必要と思っすか?


 そうっす。本当に一番大切なのはお金っすよ。人によったら才能だとかスキルだとか知識だとか運だとか色々と言う人がいるっすがそんな物は後から付いて来るもんっす。


 迷宮は十五層くらいの深層に到達するまでとんでもないほどに金食い虫っす。


 やれ魔法薬。やれ転移水晶、やれ食糧、やれ武器の補充、やれ奴隷の補充などなどって。全てに大金が必要なんす。


 あたいはあの『水晶の探索者(クリスタルシーカー)』の荷物持ちの手伝いをした事があるっす。彼等は真の冒険者っす。あたいは彼等の準備していた凄い分量の物資を見たっす。


 超上級冒険者にでもならないととてもあんな物資を買えないって思ったっす。迷宮の誰も入った事が無い深層を探索したり冒険したりしたいというあたいの夢はとてつとなく難しいんだなぁってあの時に思い知らされたっす。


 そしてあたいは諦めたんだんだ。半分狂犬みたいなあたいがあの人達に正式に参加するなんて無理だろうなぁって……


 『水晶の探索者(クリスタルシーカー)』は六人のパーティーだったっすが実際には裏方の大勢のスタッフが彼等を支えている事をあたいはあの時に知ったっす。


 あたいは荷物持ちの代理として臨時に雇われただけだったっすけど『水晶の探索者(クリスタルシーカー)』には三つもサブパーティーがおり、さらに大勢のスタッフが後方支援している総勢百名を超えるクランだと知ったっす。


 このクランの凄いところは後方支援者達も高ランクの冒険者で構成されていて階層ボスなどが現れた時は他のパーティーを引き込む事なく共同作戦レイドを敢行してしまうところっす。


 あたいが参加させて貰った時は四十層の超強力な階層守護者ガーディアンを攻略するためのレイドを敢行している時で彼等を手伝ってる常雇じょうやといの有名グニッチ達もレイドに参加するので人手が足りなくなった為だったっす。あっそうそうあれもセリカからの紹介だったすね。


 とにかく普通の低ランク冒険者にあんな物資を用意するなんて夢のまた夢っすよ。


 ところがあたいのそんな常識もあの男の子には通用しなかったっす。


 あの男の子は見るからに高価そうな身なりをしているのであたいは若様ばかさまでチョロいカモさんだと思ったっす。なにしろ凄い付与魔法のあの紫の服や同じ様に付与魔法でギラギラしてる異国の剣など見ているだけで高そうだと見る人が見たら直ぐに分かるっす。


 でもそれだけでなく信じられ無いような魔法道具であるマジックバックまで持っているって言うっすから驚きっす。土地神とやらに貰ったというのはデタラメに違いないっすけど。多分知り合いの大貴族にでも融通して貰ったのだろうと思うっすよ。本人も大地主のようなので間違いないっすね。


 フェルンスト王国で地主と言ったら小領主ドメインの事を言うのは子供でも知っているっすよ。あの男の子はあたいが無知なグニッチだからそんな事も知らないと思っているのだろうけど……あたいが貴族様とまともに話せないとでも思ってるっすね。


 あたいはもう大人だし、田舎の小貴族程度と話すなんて簡単な事っす。あたいは爺が貴族と話す時に若様って言っていたのを聞いていたっす。


 あの男の子……いや若様はあたいが想像していた以上に金持ちだったっす。セリカが結構稼いでいるって言ってたけど本当だったす。ポイポイ大金を惜しげもなく使うわ、全部一人で出すわ、凄いマジックバックは持っているわ、信じられなかったっす。


 ああ。色々考えてたら迷宮の入り口に着いたっす。では迷宮へ………。




☆★☆



 忍者の職業クラスは想像したよりも凄かったっすよ。最初に出会ったチビゴブとの戦いは一瞬で殺ったっす。グニッチは魔物の素材採取を禁止されているっすからそのまま捨てておいたっす。でも魔核は採取してあの男の子に渡すっす。武器を作ってくれるって言ってたっすしね。


(おおお。この短剣。よく切れる)


 サクサク切れて魔核なんてあっと言う間に採取できたっす。これだと本当に作業が嫌じゃ無いって感じるっすよ。この短剣どんだけ………っすね。


 明日からの迷宮探索がとても楽しみっす。


 じゃあ次っす!


 忍者クラスになって新しく得た【気配察知】と【聞き耳】で向こうからコボルドがやって来るのが分かるっす。三匹? いや四匹っすね。ふふふ。なんとも凄いスキルっす。忍者って良いっすね。これもあの男の子と一緒に仕事の神アルシゴス様の神殿に行ったお陰だ。


 アルシゴス仕事神の神殿で祈ってびっくりしたっす。あたいも神のお告げなんて初めて聞いたっす。あたいはアルシゴス神から『異界の上級職を授ける』って神託が有ったっす。腰が抜けるかと思うくらいビックリしたっす。内緒っすけど。あの男の子に言ったら自分のお陰とか図に乗ったらダメっすからね。


 この【気配察知】と【聞き耳】のスキルは悔しいけど二つ足しても若様の【心眼】って凄いスキルよりはランクが落ちるかもしれないっすがそれでもあたいの元々あった獣の勘よりはずっと便利っす。敵の気配がこんなにはっきり分かるなんて初めてっす。


 あっちからやってくる魔物がまるで見える様っす。


(やれる)


 あたいは心でそう叫ぶと全力で走るっす。普段ならコボルドが四匹も居たら逃げるっすが今日は殺れる気がするっす。


 飛ぶように走るっす。早い。早い。周りの迷宮の景色が飛ぶように後ろに流れて行くっす。爽快! 迷宮の十層までは洞窟みたいな感じで薄暗く迷路になっているっすがあたいは迷宮の十層ぐらいまでなら目をつぶっていても場所が分かるっすよ。へへへ。


 コボルドの気配は目の前を曲がったところ直ぐの岩陰に隠れているのが感じられるっす。あたいは躊躇なく角を曲がって飛び込んで行くっす。


 コボルドがとても驚いたような顔であたいを見るっす。あたいは構わず短剣を左右に振るったっすよ。ふふふ。面白いように次々にコボルドが倒れていったっす。


(なんと言う強さっすか)


 我ながらあまりの無双に怖くなって来るっす。この強さは何だろう? 上級の職業クラスの恩恵はこんなにも凄いっすか。



☆★☆



 それから第四層まであっという間に潜ったっす。魔物は出会い頭に次々に討伐して行ったっす。


(魔物ってこんなにいたっけ?)


 自分で言って馬鹿な疑問だと思ったっす。あたいは魔物の居場所が分かるようになったから自分で魔物に飛び込んで行ってるんすから。ふふふ。


 笑いが込み上げて来るっすよ。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





【ラーク視点】



 今朝も待ちぼうけだ。もうそろそろ十時だ。このママじゃお昼になっちまう。


 俺がそう思っているとメルの気配が感じられた。しかしその気配はとても弱いものだ。昨日のように手に取るようにメルの事が分かる訳では無いようだ。


 メルの気配は【心眼】でも察知されにくいみたいだ。さすがに忍者クラス。


 俺はメルが隠れているところに歩いて行った。


「おはよう」


 メルの隠れている近くまで行って声を掛けた。


「え? 分かったっすか? さすがに若様っすね。範囲技級の派生スキルの【隠密】と大技級の【葉隠れ】のダブルスキルだったっすよ」


「そんなスキルを使ってたの? それで近くに来るまで分からなかったんだ。それよりメル。遅いよ」


「ごめんっす。悪かったっす。昨夜は遅くまで迷宮で技を試してたっすから、すっかり寝坊しちまったっす」


「そう言えば迷宮に入るって言ってたね」


「小手調べっす」


「でどうだったの?」


「そ、それっすよ。若様。忍者クラス最高っす。万能って感じのクラスっすね」


「そうだろうね。あ。そうそうメルの為に色々作ってきたよ」


「何をっすか?」


「武器や防具に決まってんじゃん」


「え? そんなに早くできるんすか?」


「ああ。俺の職業クラスのスキルも相当なもんだったからね。それのお陰。まぁ、こんな所で立ち話も何だし、とにかく迷宮に入ろうか」


 俺はそう言うとメルを誘って迷宮の入り口に向かって歩いて行った。



☆★☆



 水晶迷宮。それはいつの時代にも存在した神秘の神威物アーティファクトだ。入り口は高さ三十メートルあまりの石造りのピラミッドのような三角錐の遺跡が有りそこに荘厳な造りの入り口がある。


 初めて見たときはパルテノン神殿を思わせる形の入り口だと思った。しかも入り口の左右には阿吽あうんの仏像ならぬ巨大な神像が佇立ちょりつしておりいかめしい感じだ。


 迷宮には入場税がかかる。何と大銀貨五枚(約五万円)だ。メルは冒険者ではなく荷物持ち扱いなので破格の三十銅貨(約三百円)だ。グニッチは一人で出る時には身体検査があるそうだ。しかし女の子の身体検査は緩いらしくメルは魔核くらいなら持って出れるって自慢していた。


 俺達冒険者は入場税を払うと迷宮から出るときに持ち出し税が免除されるのだ。


 俺はメルの分と合わせて大銀貨五枚と銅貨三十枚を衛士に手渡して軽く礼をして入った。


「若様。あんな事が有って銀貨スマックを無駄にさせちまったっすね」


 俺が入場税を払っていたらメルが謝ってきた。【奪スキル】の話をした時にいきなり襲ってきた事を謝っているのだろう。何度も入場税を払うのはもったいないのは確かだ。


「気にしなくてもいいよ。今回は二十五層が目標だ。長い探索になるだろうからね。目的は俺のレベリング。副目的として素材や魔核の収集だね。もし可能なら迷宮で鍛冶や素材を使った魔道具の作成なんかもしたいね。食べ物は原則現地調達。地上に戻ってきたら素材を売って次の迷宮探索の物資の資金とするって事で。じゃあ行こうか」


 俺たちは水晶迷宮の第一階層に入って行ったのだった。


序章の終わりです。


一旦。ここで投稿は中止させて頂きたいと思います。読んでくださってありがとうございました。




ラークの物語がいつの日にか日の目を見る来る事を心から祈りつつ………皆さんのご意見・ご感想を頂けたら嬉しいです。


ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 続きが読みたい。 [気になる点] リングワールドってタイトルの意味全く無いですね。ラリー・ニーヴンに謝れ(笑)
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