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リングワールド  作者: seisei
序章

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10/29

妖精女王ソフィア

序盤のいろんな説明などは覚えて頂く必要は有りません。ファンタジーの雰囲気作りと思って頂いて軽く流してくださいね。

【ラーク視点】


 グラッドは剣法の神で年齢は不詳だ。


 俺に剣法の極意を色々教えてくれている。最初は素振りや型から入り次第に乱取り稽古をするようになった。


 もちろんグラッドには一本すら攻撃を入れる事もかなわず子供扱いされているが、次第にグラッドの鋭い突きや斬撃を認識できるようになって来た。


 ずるいグラッドは様々なスキルを保持していて時々スキルを使って俺の攻撃をかわす事だ。


 俺はそれをずるいと食ってかかった事が有る。しかし現実の世界ではスキルを使うのが普通なんだから当たり前だと軽くあしらわれた。


 俺がスキルを持っていない事は大きな欠点だがグラッドによると俺はかなり剣法の筋がいいらしい。それは一種のスキルって言っても良いほどなのだそうだ。


 だから、その才能を活かして剣法を鍛える事が俺の将来にとって有益だとグラッドは教えてくれた。


 俺は最近はスキルの事は考えない事にしている。いっそスキルなんて最初から無いと割り切ってグラッドの言うように剣法の鍛錬をする方が現実的だと思たからだ。


 俺は日々、グラッドに剣法を教えてもらって次第に腕を上げて行った。


 それにしても不思議だ。これほど修行しているのに未だに全くのスキルが出ないなどあり得ない。とほほほ。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




【一年後】



 俺はグラッドの鋭い突きに合わせて俺の剣を軽く上げてグラッドの剣撃の方向をずらしながら体を一歩右に移動した。


 グラッドが恐ろしい勢いで通り過ぎた瞬間、俺は剣法の【撃破】の技を放った。しかしグラッドはスキル【インパクトフラッシュ】の剣技を発動。


 スキルは直ぐには発動しない。予備動作が必要だ。つまりグラッドは剣撃を放つ前からスキルの技を連動させる事を狙っていたのだ。それを看破できなかったなかった事に唇を噛んだで悔しがるがもう遅い。


 グラッドは【インパクトフラッシュ】の爆発力を利用して俺の【激突】の技から鮮やかに距離を取ってみせた。


 同時に【インパクトフラッシュ】の爆発が俺に襲いかかる。攻守を連動させた素晴らしい剣技だ。


 俺は剣に風属性をまとわせつつ右手だけの片手剣でグラッドの【インパクトフラッシュ】による爆発力を両断した。


 そうしてできた隙間に素早く身を入れるとスキル後硬直で固まっているグラッドに向けて俺の空いている左手で小太刀の鯉口こいぐちを切っると居合いの抜き打ちでグラッドの小手に剣を叩き込んだ。


 もしこの剣が籠手こてに当たってもグラッドなら魔力を身に纏い防ぐ筈だ。


 俺の斬撃はしかしグラッドに届く前に彼はスキル後硬直から脱して素早く一歩下がてしまった。悔しいがグラッドの全て計算の中にあるのだ。


 グラッドは余裕しゃくしゃくで俺の小太刀の剣撃による小手を鮮やかに抜いて面を打ってきた。


 グラッドの剣には土の属性が纏わせられていたようで俺は魔力で強化していたが頭をしたたかに打ち付けられて酷い衝撃に堪らず意識を失ってしまうった。





☆★☆




「おい。そろそろ起きろゲッコ」


 俺は師匠の叱咤の声で慌てて飛び起きた。一瞬何が有ったのか分からずキョトンとした。


「ああ。やられたんですね〜」


 俺がそう言うと。


「「「ははは。どうだ。悔しいだろう。俺様に負けて。……ゲコゲコ。とても悔しいだろう。ふぁははは」」」


 グラッドは大変嬉しいようだ。


「弟子に勝ってそんなに嬉しんですか?」


 俺はジト目でグラッドを睨みつけた。


「当たり前だゲコ。スキルまで使ってんだ。これで負けてたまるか。俺が何年修行してここまで強くなったって思ってんだ」


 俺はグラッドの言葉に呆れて大きな溜息をついた。


「はい。はい。七百年ですよね。鈍才がたゆまぬ努力のおかげで天才を超えて昇神したんですよね。本当に凄いですよ」


 俺はグラッドの言葉を茶化した。しかし本心ではグラッドを心の底から尊敬している。


 グラッドはどこから見ても人にしか見えないが実際は人では無い。グラッドは内緒にしているが時々ゲコゲコと喉を鳴らす。間違えるわけもなくあの生き物の系統だろうと俺は想像している。


 そもそもは小さくひ弱な生物だったとグラッドは漏らしたことがある。ゲコゲコと鳴く例の生き物なら確かに数センチていどの生き物だったはずだ。


 そんな彼が人の姿に化身し、それ以上に剣法の神様にまでなったのだ。凄い事に違いない。


「ラーク。お前なぁ。魔法を習う気はねェか? ゲコゲコ」


 ある日、突然グラッドが訪ねて来た。


「はい? 魔法? 魔術ではなく?」


 俺は突然の師匠の申し出にキョトンとして訪ねた。


「そうだよ。魔法の神を紹介してやるぞ。ゲコ」


 グラッドがニヤニヤしながら言った。


 俺はこの一年で剣法がどういう物で剣術とどう違うかをグラッドから教えて貰っていた。だから恐らくグラッドの言う魔法は魔術とは違うものでポリーンが授かったという【プラチナフォース属性魔術】などとは全く別の物だと想像できた。


 ちなみに剣術と剣法についてその違いだが。


 そもそも剣術も剣法も元は一つの物だ。剣を使った様々な技の総称だ。


 剣法により繰り出される技も剣術により繰り出される技もそれほど大差がないのだ。むしろ一緒だ。


 剣に属性を纏わせると石や金属を切る事ができるようになる。その方法は剣術でも剣法でも全く変わらない。


 違うのは剣術はスキルで技を発動するのに対して剣法は別の方法で技を発動させている違いがある。


 そもそも剣に関連するスキルの殆どは剣の神であるソード神が編み出した技がスキルとなったものだ。しかし無名の剣術家が時にはスキルの女神カーラに認められてスキルを編み出したりする事も稀にあるようだ。


 スキルは人の数ほど無数にあると言われていのはこのためだ。


 一方、剣法は剣の技に属性を取り入れた物だ。


 リングワールドの世界は【土・水・火・風・光・雷・聖・闇・空間・次元・時間・重力】の十二属性の魔素でできている。


 それをマナと呼ぶ。そのマナをうまく操れば物理法則ですら操る事が可能だ。


 グラッドの剣法もマナを利用して様々な技を使うのである。


 グラッドの剣法では様々なマナを剣に纏わせて技にしている。風の属性を纏わせて剣撃を飛ばす【飛剣】。火の属性を剣先に集めて爆発させる【インパクト】。土の属性を纏わせて打撃力を底上げする【打撃】。水の属性を纏わせて衝撃を逃す【流衝】などの技だ。


 グラッドの剣法の技は十二の属性を使ったそこそこ強力な技だが剣術の技のクラスで言えばせいぜい範囲技級止まりだ。だからグラッドはより強力である剣術のスキルを併用するのだ。


 グラッドは伝説級の剣技スキルが多数、聖技級の剣技スキルの殆どを扱う事ができる。そして彼が土地神となったのは神話級剣技『大山斬り』を使えるからだ。


 今の俺では高クラスのスキルを使かわれたらひとたまりもなくやられてしまうだろう。


 ちなみにスキルを全く扱えない俺がなぜグラッドの剣法なら扱えるのかと言うと俺が自分の実力で属性を操っているからだそうだ。スキルは神々の恩恵で技が発動するのだが剣法は全てを自前でやっていると言う事らしい。


 普通はなかなかできない事らしいが俺は簡単にできるようになった。


 俺は剣法を習い始めた当初、グラッドの恩恵でグラッドの剣技スキルが使えるようになったのだと思っていた。しかし俺はスキルが使えるようになったわけでは無かったのだ。俺は最初その違いに気づかなかったがグラッドはある日その違いについて下手くそだが教えてくれた。


 もし俺がグラッドの恩恵を受けてグラッドのスキルを使えるようになったのなら俺は修行などせずに直ぐにでもグラッドの剣法を使えるようになるらしい。


 しかし後数年もすればグラッドの剣法をマスターできるはずだからそんな恩恵など不要だと言って笑っていた。


 ちなみにグラッドの剣法をマスターする頃には俺もそこそこ上級のスキルを使かう程度の実力が付いているはずなのでスキルと同じような剣技を使う事ができるはずだとグラッドは俺を慰めてくれた。


 剣術と剣法とはこのような関係にある。


 魔法と魔術もこれと同じ関係にあるのだろう。





☆★☆





 グラッドが連れて行ってくれたのはグラッドの結界から真っ直ぐ歩いて数時間のところだった。


 しかしこのかかった時間と実際の距離とは全く相関するものでは無いはずだ。幾つかの結界を渡り歩いた結果だと今の俺には分かった。


 そこにはグラッドの住むむさ苦しい山小屋とは違った清潔感の溢れた山荘のような建物が建っているのが見えた。


 山荘の周りは小高い丘のようになっていてもちろん俺の家の近くにそんな場所がある事を俺は知らないし恐らくこの場所も結界で守られた異次元のような場所なんだろうと思われた。


 丘全体が色々な花で埋め尽くされていて美しいという言葉では言い表されないその美しさに俺はうっとりと見とれていた。


「おお。あれがソフィアの隠れ家だ」


 グラッドが説明してくれた。どうやら魔法の神はソフィアと言うらしい。


 俺はグラッドに連れられてその美しい山荘に入って行った。


「「ソフィア。邪魔するぜ」」


 グラッドはそう大きな声で言うと許しも得ずドアを開いた。


「グラッド。勝手に入って大丈夫なの?」


 俺はグラッドに尋ねた。


「ああ。こうやって入れるってことは歓迎されてるってこった」


 グラッドが笑いながら言った。


 グラッドはそのまま山荘の扉を開き中に入って行った。


 山荘の中は普通の人間の住む家と変わらない佇まいだった。


 入って直ぐ玄関には下駄箱が左右にあり、ブーツのような美しい毛皮で作られた靴や、何の革で作ったものか現代日本でも高く売れそうな鮮やかな色のサンダルなどが並べられていた。


 更に下駄箱の上には飾りや置物が所狭しと置かれている。見た事も無い赤い宝石が眼球の代わりにはめ込まれた高さが三〇センチほどもある熊のような生き物の置物。木彫りだろうか。


 その横にはつがいの猫の陶器性の置物。雌猫はピンクの宝石が目にはめられていてオスの猫は黄色い宝石がはめ込まれていた。歩きながら見ているとそれぞれの置物の目がこちらを見ているような錯覚に陥った。


 グラッドは玄関から板間の廊下に土足で上がると目の前の階段に上がっていく。


 俺は下駄箱が玄関にあると言う事はこの山荘は土足厳禁なのではないかと思い玄関で靴を脱いだ。


 グラッドは階段を勝手に上がり二階の部屋に入って行った。


 部屋の中央には美しく清らかな雰囲気の女性が編み物をしているのが見えた。彼女は淡い青色と白の縦縞のワンピースを着ていた。そのワンピースもどこか日本の女性の服を思い出させる。


 茶系のロングヘアー。美しく整った顔には優しい微笑みをたたえていた。


「あら。カエルさん。いらっしゃい。ああ。今日は珍しく連れがいるのね。人族の子供? あら貴方は完全に転生できなかったのね。まだ前世の魂が引っかかっている。不思議な子供さんね」


 彼女は手元の編み物から視線を外さず僕達を見もせずにそう言った。


「ソフィア()。今日はこいつの事で頼みたい事があって来たんだが」


 グラッドらしい直球の物言いだ。


「婆?」


 そう言いながはソフィアが視線を上げた。


 俺はこんな美しい女性に婆はないだろうと思ったので怒られて当然だ。


「ああ。婆はまずいのか?」


 グラッドが俺を振り返って訪ねた。俺は首がちぎれるほど縦に振った。


「すまん。ソフィアはこの辺の土地神連中の中では最長老だからつい。俺は人族の風習が分からんから許してくれ」


 おお。師匠。また長老なんて地雷を踏んでるよ。


「カエルさん。貴方は黙っといで」


 ソフィアが冷たく叱りつけるように言った。先ほどまでの春の太陽のような微笑みが消えて冬の太陽のように冷たく凛々しい顔に変化した。


 その冷たい言葉の調子にグラッドは全身の髪の毛が逆立ったような反応をした。気の毒に……


「坊や。こんにちは。私はソフィアと言います」


「はい。はじめまして。ラークと言います。前世では田中一郎と言いました」


 俺が自己紹介した。


「貴方は前世の記憶を持っているのね。前世では靴を脱いで生活していたのね。清潔好きの民族だったのかしらね」


「はい。はっきりとは覚えていませんが、夢の中のような感じの記憶が残っています。日本人と言う少し大きな島国の民族でとても綺麗好きな民族でした」


「ふふふ。清潔なのはいい事ね。夢のような記憶ね。そうね。前世など夢の中のようなものだもの。そうなら貴方は転生の儀式の記憶もあるのかしら?」


「はい」


 俺は転生の記憶を説明した。


「ふふふ。貴方は変わった女神に転生させてもらったのね。アンパロさんはまだ若い女神だから転生の手続きを知らなかったようね。前世の記憶が残ったのもアンパロさんの転生のやり方が悪かったからだと思うわ。それと前世の世界のセーラ様って女神様が貴方に強く働きかけているのが感じられるわ。女神様の恩恵を受けた人族は時々見るけれど……不思議な関わり方ね」


 ソフィアは俺を不思議そうに見ながら言った。この土地神様には何が見えているのだろう。


「それが原因でスキルが?」


「ごめんなさい。わたしにはそこまで分からないの。でも私には鑑定の能力があるので良かったら鑑定してあげましょうか?」


 ソフィアが優しい笑顔で尋ねた。


「「「はい。是非お願いします」」」


 俺は勢いよく言った。


 鑑定してもらったら実はスキルを持ってましたなんて事になるかもと俺は思ったのだ。


 もちろん街にも鑑定士は存在するが俺の生まれ育ったマキ村にはそんな人はいなかった。


 自分のスキルは何となく分かるものらしいがスキルの無い俺にはそのへんの微妙な感覚が分からない。もしかしたら実はスキルを持っていたなんて事もあるはずだ。俺はそんな期待を持ってソフィアに鑑定をお願いした。



☆★☆


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

名前:ラーク

年齢:13

性別:男

種族:人族

職業クラス:無し

加護:無し

称号:無し

Lv:13

H P(体力量): 30

M P(魔力量): 30

STR(腕 力): 8

ATK(攻撃力): 7

DEF(防御力): 9

AGI(敏捷性): 8

DEX(器用さ): 130

INT(賢 さ): 12

MAG(魔 力): 9

LUK(幸 運): 11


--エキストラスキル--

無し


--常時発動型パッシブスキル--

無し


--起動型アクティブスキル--

無し

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 これが俺のステータスだそうだ。


「貴方のステータスはDEX(器用性)が考えられないくらいに高いわね。恐らく転生の時に特別に与えられたのね」


 ソフィアが説明してくれた。俺の剣法の覚えの早い理由はDEX(器用性)が異常に高かったからのようだ。


「するとアンパロ様はこのスキルが全ての世界でスキルではなくDEX(器用性)にポイントを全振りしたって事ですか?」


 俺は思わずゲーム用語でまくし立てていた。


「ごめんなさい。貴方の言っている事も良く分からないけど実際のところ天上神達がする事は私にも良く分からないわ。ただ貴方がスキルが持てないと言うのは別の理由があるような気がします。いずれにしても十七歳になったらスキルの女神カーラ様から何らかのスキルが授けらるはずだから少なくとも一つのスキルは持つ事が可能なはずよ」


 ソフィアが俺の事を慰めるように言った。確かに俺もその事を知っていた。スキルこそが重要なこの世界でスキルの能力が低い者は気の毒なのでカーラ様の救済日にスキルが授けられるのだ。


 聞いたところ毎年ノキア地方でも数人が救済されていると聞いている。


「良かったら貴方がどんなスキルを持つことになるか魔法で占ってあげましょうか?」


(貴方は神だ。優しすぎる。ああ。本当に神だったっけ)


 俺は一人でボケとツッコミを頭の中で言っていた。


「「「よろしくお願いします」」」




☆★☆





 俺達はソフィアにいざなわれて一階のダイニングにやって来た。


 ソフィアは俺とグラッドをダイニングテーブルに座らせるとどこかから占いの道具だろう水晶球を持ってきた。


 彼女は俺の手を取ると水晶玉に見入って何かを見ようとしていた。


「やはり何かが邪魔をして良く見えないわね。スキルに集中して占います……ああ。なるほど。貴方は変わったスキルを授かる事になる。授かるのは恐らく救済日になるわ」


「やはりそうですか」


 俺は残念そうに言った。やっぱりスキルの発現は無い様だ。


「ええ。変わったスキルのようね。貴方のスキルの効果はどの様なスキルでも修行無しで取得可能って効果のよう。でもスキルを得た後で修行する必要があるようよ。ああ。ラーク。お気の毒だけどこのスキルには重大な欠陥が有るわね。後付でやる修行は普通にスキルを得る事ができる程度の修行よりも二〇%も多く修行をしなければならいそうよ。どうやらこのスキルを使う事は無さそうね」


 ソフィアは気の毒そうに俺を見ていた。


 俺はこの瞬間、アンパロのあのニヤリとダメな笑いをしていたのを思い出した。


 俺がもらえるスキルはソフィアによると使い物にならない屑スキルらしい。何しろ普通に修行すればスキルを修得する事ができる世界で二十パーセントも大目に修行しなければならないようなスキルなど使い物にならないって訳だ。


 しかしこのスキル。使い物にならないと見るべきなのか、どんなスキルでも先取りで修得できる凄いスキルと見るかは見方の違いだろう。ソフィアは二〇%の余分な修行をしないとダメな事が重大な欠陥だと言っていたが良く考えてみる必要がある。


「貴方のスキルには更に幾つかの制限が課せられているわね。一つは貴方のスキルで取得したスキルは一日一回しか使う事ができないみたい。もう一つは修行がやり切れ無い時はには厳しい【ペナルティ】を課せられるって制限ね。その【ペナルティ】が何かは良く分かりません」


 そう説明するソフィアの目は痛いものを見るような目だ。俺があまりにも可愛そう過ぎるって言うあの目だ。


 俺はそんな目で見られると俺の目から水が滴り落ちそうになるので話題を変える事にした。


「ソフィア様。鑑定も占いもありがとうございました。ソフィア様は魔法の女神様なのだそうですね」


「ふふふ。女神様って言うのとは少し違うわね。どんなきっかけだったかしらね。私の種族は貴方達人族よりもマナに敏感な種族だったから、普通でも魔法に触れる機会は多いのよね。私は自然のマナを操るのが好きな女の子だったわ。それが今の私のルーツになるわね。魔法を使うのが段々うまくなって今に至るのだけど……。神様とは少し違います」


「ソフィア。難しい話は後にしてくれ。俺の弟子にあんたの魔法を教えてやって欲しいんだよ」


 俺の横からグラッドが口を挟んだ。


「私の魔法を?」


 ソフィアが首を傾げた。


「こいつはとても飲み込みが早いんだ。一年足らずで俺の剣法をどんどん使えるようになりやがった。こいつならソフィアの魔法も覚えられるんじゃないかって思ったんだよ」


 グラッドが説明した。


「確かに、この子のDEX(器用性)の高さからしたらそうかもしれないわね」


 ソフィアも興味を持ったのか納得したように言った。


「面白そうね」


ソフィアは年寄りじゃ有りません。

美人でお淑やかな夫人のイメージです。

マダムバタフライですから。

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