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諸所諸々のエッセイ  作者: 粘土
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改めて、遣り直し

 やっと、自分の路が視えて来ました。

 免停をくらって早半年。ようやっと免許が戻る事になった。之までの間随分と苦労をした。遠くまで行こうにも“足”が無い。自転車しか無い。点数の引き算は無いからして、ゴールド免許のままであるが、其れでも私にとっては不安の日々だった。何しろ仕事が面倒だ。原付バイクに頼っていた私の足はすっかり衰えてしまっていたので、最初の頃はかなりの苦痛だった。プライベートに於いても、駐輪場が無い処へは行き辛かった。一々見張っていなくてはならないからである。従って、自転車の盗難に頭を悩ませていた。途中から、外出を控え、読書にばかりつとめていた。かつての文豪達が居なかったなら、私は恐らく死んでいただろう。其れ位辛かった。然し、其の御蔭で消えかけた情熱と云うものが蘇って来た。書きたかった物、更に、之から書きたい物と、分けて勘定する事が出来た。既に書き上がっている物は何処かへ送り、評価を待つ。そして、書きたかった物、書きたくなった物に就いては新たに資料を作成し、其れに基いて書く。暇を持て余している訳ではないからして、そう簡単には出来上がらないだろうが、私は今でも生きている。詰まり、時間は残されているのだ。ならば、遣らない手は無い。苦しいが、金を貯め、同人誌にでもする積りである。調べた処に因ると、三十万円程で文庫本が刷れるらしい。別に売れなくとも好いから形にして残しておきたい。己惚れではあるが、私には少々の文章力が有る。其れに、絵も描ける。故に、ラノベと文学の融合を果たしたい。かつて“川端”がそうであった様に。まぁ、当時はラノベなど無く、“幻想純文学”、例えば、“新見南吉”や、“宮沢賢治”等に代表される道徳的、かつ、倫理的で、しかも、ロマンチックな物をやんわりと、文学程厳しくなく、やんわりと伝える物が現ラノベと言えるのだろうが、ともかく流行はやっていたのだから、所謂いわゆる第二世代と呼んでも過言ではなかろう。そう云う意味で其れ等は“ラノベ”なのである。因みに、彼等を悪く云う積りは無い。何しろ、前者は私の母校が女学校の頃、先生をしていたのだから。ともあれ、彼等は等分の評価を受けたが、哀しきかな。太宰は良作を書いても評価されずにしまった。之は非常に残念な事である。今でこそ、取り立てられているが、書いていた当時はくだんの川端にあしらわれた。知らない人は調べて見ると好い。彼は“彼”に事実訴えかけていたのだから。無論、大家として知られる漱石とは意を異にしているが、馬鹿に出来る程易い物は書いていない。私は実に其れを残念に思う。“斜陽”、“人間失格”等は絶対的に彼にしか書けない。彼には彼にしか見えない真実を綴っていたのである。……

 私は、私の感じた物を書きたいと思う。そして、願う。たった一人でも私の書いた物から得られる物が有ると云って呉れる事を。私にはそんな小さな喜びでさえ、生きる力に成るのだから。もしも、其れが適ったなら、私は私の歩んだ道を、きっと後悔しないだろう。有難う。

 生き抜く覚悟です。

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