手紙
心配かけてごめんなさい。
こちらは健康で尚且つ無傷です。居場所を明記すると色々面倒があるのでお知らせしません。
心配をいたずらに重ねないでほしいので手紙を書いたのだけど、こちらは長期滞在することになりそうです。
強要されたのではなくて私の意志で決めました。
なので、また心配をかけることになってしまうけど死人扱いは困るのでそれだけは阻止してください。頼みます。
明らかにできる事が増えたらまた連絡します。
心配するな、というのは無理な要求なので遠慮なく心配してください。
では、また近いうちに連絡できるようにします。
トリシア
「うーん!やっと書けた!これなら問題ないよね!」
「ええ、そうですね」
目を通すのは珠姫だ。
机の上には書き損じた便せんで埋め尽くされている。
心配させている事を謝りたい、今の自分の状況を知らせたい、安心させたい気持ちが筆に迷いを産む、枚数もかさむ。
しかしそれを求めてはいけないのだ。苦心を重ねてあえて素っ気ない言葉で淡々と書くことにした。
「ご家族の方へ送ればよろしいですか?」
「ああー、私は両親も兄弟もいないから、家族じゃなくて塾の方に宛てで」
「…分かりました。すみません配慮が足らなくて」
「気にしないで、普通親がいるって思うし」
「では、こちらが責任を持って届けますから、安心してください」
「うん、その辺は疑ってない」
不信感を持たれないようにクリアにしようと心がけすぎるところを指摘され、珠姫は少し困惑した。
どのように接すればいいのか分からない。
「信頼されている…というのは案外困るものなのですね」
「困ってる?」
無言でこっくりと頷くとトリシアは笑った。
「嬉しいって笑ってればいいんじゃないかな」
少し面食らったが、もっともなことのようにも思えたので珠姫は笑って答えた。
「そうですね」
148話にて言及していた手紙の内容です
短い内容だったので一緒に更新しておきますね^^
箸休め的な気分で読んでもらえるときっとちょうどいいのではないでしょうか?
では次話も乞うご期待☆




