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ハグミープリーズ!-ウチの孫が美少女幼馴染を抱きしめて優勝する話-  作者: 自爆霊


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レッツスタディ!

 先日孫が言質を取られてから四日後、金曜日の日暮れに二人がお勉強をしています。


「幸樹、幸樹、ここテストに出そうじゃない?」

「この小さい補足説明が?」


 なんと驚くべきことに、あの日から直美ちゃんは積極的にテスト勉強を行っています。今は世界史の教科書を開いて、テストに出そうなところを話し合っていますね。


「ここがこう、本筋に絡んでる感じがするんだよね。マンガで中盤に回収されるタイプの裏話、的なさ」

「あ~……確かに、後々教会が内部分裂する火種になりそう」

「でしょ? 覚えといて損はないと思うんだよ、直美ちゃんは」


 孫に言われるまでも無く積極的に勉強をして、あまつさえ自発的にテストの予想を立てる。その姿は今までの「疲れた~~」「頭撫でてよーー」などとすぐ弱音を吐く直美ちゃんとは見違える真面目さです。

 孫はそのやる気を「三日も経てば元通りでしょ」などと思っていたようですが、四日目になってもその気合は衰える様子を見せません。一体どうしたのか、孫も困惑しています。


「しかし直美がここまでやる気を出すなんて珍しい、一体何があったのさ?」

「ふふん、私はテスト後のご褒美が約束されているからね。ここで頑張って『こんなに頑張ったんだから、お願い聞いてくれるよね??』と圧をかける算段なのさ」


 やる気の源は、純度百パーセントの下心でした。テストで百点取ったなら大抵のお願いは聞いてもらえますからね、願いを叶えるボールみたいなものです。


「一体なにをさせられるんです……?」

「ふふふ……大丈夫だよ、幸樹もきっと気に入るよ。フフフフフ…………」

「…………???」


 不穏な笑みに孫は不安を感じているようです。とんでもないことをさせられる予感はするのに、何をさせられるかはさっぱり分からないワケですからね。目隠しで車に乗せられているようなものです。

 しかし数秒後にはいつも通りの表情に戻りました、直美ちゃんが珍しくやる気を出していることに比べれば、些細なことです。


「まあやる気出してくれるなら構わんよ、テストが終わったらドンと来い」

「わーい! ママ大好きーー!」

「うんうん、直美は頑張ってて偉いぞー」


 抱き着いた直美ちゃんがナデナデされて幸せそうにしています、ちゃんと化粧を落としていますから、躊躇なく頬ずりしていますね。

 そうそう、二人のコントにママ呼びが追加されました。直美ちゃんが幸樹に甘える方法に、新しいレパートリーが追加された形です。孫がふざけてママを自称するのは、おばあちゃんがおじいちゃんに「ママー疲れたよぉー」とか言ってたからかもしれませんが……まあ、二人が幸せそうなので特に問題はありません。少々絵面が特殊なプレイに見えるだけです。


「ふふん、それじゃあ続きをしよう。褒められたから直美ちゃん頑張るぞー」

「おーう」






「はい終わりー! 今日は世界史の振り返りを終えたので終了とするーー!!」

「いえーい!!」


 そうして時は流れ一時間後、世界史の振り返りを終えた二人が喜びの声を上げています。本気を出した直美ちゃんの力たるや凄まじく、サクサクとテスト対策が進みました。


「いやぁ直美のおかげでサクサク進められたよ、やる気出したらすごいじゃん」

「でしょー? 褒めて! 甘やかして! ギュっとして!!」

「そぉれギューッとしちゃおうねぇ~~」

「んみぃぃーー…………」


 気持ち強めに抱きしめられた直美ちゃんが、いつものように奇声を上げています。付き合ったことによって一切の遠慮が無くなった彼女は容赦なく孫を引き倒し、スムーズにガッチリとホールドしました、独占欲が見て取れますね。


「にゃはー……しあわせぇ……」

「わぁ、全然動けない」

「ふふん、私の剛力を持ってすれば当然のことよ。しばらくこのままでお願いね?」

「へーい」


 今の二人は漢字の"人"の形で重なって倒れています、直美ちゃんが孫の肩と腰に腕を回して脚以外を動かせないようにキャッチしてる状態ですね。安心した様子で目をつぶった直美ちゃんがすぅすぅと息を立て、孫を乗せたままじっと寝転がっています。

 …………全然動きませんね、この子。孫をホールドする手には変わらず力がこもっていますし、起きてはいるはずです。しかし彼女は全く動きませんし、リラックスした呼吸音は寝息のようにも聞こえてきます、本当は寝ているのでは…………??


「……直美、直美。ちょっと力入り過ぎ、痛くなってきた」

「…………んぅ」

「直美? ちょっと? 段々力が強くなってるよ、キツくなってきたよ」


 無言でキリキリと力を強めていく様子に孫も段々ビビリ始めていますね、姿勢が悪いこともあって腰のあたりに負担がかかってそうです。こう言われても反応しないし、やっぱ寝てるんじゃない?


「直美? 寝てるの? ちょっと!?」

「んにぇ……」

「ちょっおき、起きろお前! 俺の腰が死ぬ!」


 孫がジタバタと抵抗をしますが直美ちゃんはビクともしません、何なんですかねこの腕力。すぐ隣で大声を出されているのに、この子は気にする様子も無く寝息を立て続けています。この数分で熟睡し過ぎでしょ、どんだけ寝つきが良いんですか。

 その後、余裕の無くなった孫が数度膝蹴りを入れたことで、ようやく直美ちゃんは目を覚ましたのでした。


「ふわぁ……? なに……?」

「ちょっ手を! 手を放して! 腰が折れる!!」

「はいよー」


 解放された孫がゴロゴロと転がって直美ちゃんから距離を取ります、人二人分ほど距離を取って間違っても捕まらないように警戒していますね。ボーっとしてた直美ちゃんも目が覚めてきたようで、現状が分かってきたようです。


「ううん、もしかして私寝てた?」

「寝てたよ、そしてヤバい姿勢で力込められたから腰が死にそうだったよ、謝れ」

「マジか、ごめんね幸樹無理させちゃって」


 腰が死ぬとマジでヤバイですからね、大事に至らなくて本当に良かったです。


「ホントだよ、お詫びに膝枕して膝枕、そしたら許す」

「するする、好きなだけ膝を貸すよ」


 起き上がった直美ちゃんの脚に孫が頭を乗せ、直美ちゃんがそれを撫でています。目をつぶっている様子から寝ているようにも見えますが、孫は寝つきがカスなので寝落ちすることはないでしょう、たぶん。

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