46話 FREEDOM VS JUSTICE 5月23日Ⅵ
そこで伸びているネコ型のソドールの成分を回収するために近寄る僕、天織黄華だった。
「さぁ、成分もらうね!」
懐から特製の注射器を取り出し刺そうとした瞬間......
胸の発光装置を光らせ、強烈な閃光が放たれ、僕の目を眩ませた。
「うっ!!!! 目が......!!!」
光をまともに見てしまい、両手を抑えてしまった。
暫くして目が正常に戻り、目を開けるとさっきまでいたネコ型のソドールがいない。
「クソッ!」
青奈:やってくたわね
黄華:これに関してはゴメン......
灯:大丈夫だよ、次があると思うし
青奈:灯ちゃん、こいつに気を遣う必要はないわ
黄華:ギリギリッ (歯をこすり合う)
青奈:まぁ、いいわ サポートは任せなさい
黄華:君が外に出れば良いじゃないの? わざわざ、僕が行かなくてもさぁ......
青奈:嫌よ。男に興味ないし......それに、男っぽい貴方なら適任でしょうしね!
灯:でも、どこから来るか分からないのにどうやってやるの......青奈ちゃん?
青奈:なぁ〜に簡単なことよ、灯ちゃん!!! あの警察官ならきっと......
俺、緑川はビルの1つの屋上にいた。
マスクのディスプレイに表示されている時間が3分を切っているのがわかった。
今いるビルはさっき自分がいた広場から2km離れている。
わずか2分弱でここまで来れない。普通なら。
【アヒェントランサー】盾の真ん中に制御装置【Pパス】を嵌め込むことができる。
制御用変身手帳【Pパス】
対ソドール対策室専用の警察手帳。外側は白黒の身分証明書となっている。【アヒェントランサー】に嵌め込み特定の音声で折り畳まれた【Pパス】が展開され、内側が露出される。それぞれ、紅・緑・灰の色をしている。
展開と同時に強化服が転送され、定着し着装が完了する。パワーと防御性に優れている。
イギリス支部の功績で生半可な衝撃ではビクともしない耐久力を持ち、実弾は弾き返すことが可能。
この盾には能力が2つある、敵の攻撃、属性を【吸収】することができ、【放出】する。
まず1つは、【Pパス】の機能として、細かく言うと、敵の攻撃の場合、こちらに実弾が来ている段階で【アヒェントランサー】を構える。銃弾の威力を吸収し、蓄積される。物質を細かく粉末状に分解しその場で塵になる。蓄積量は100が上限となっており、銃弾1発で1とカウント。
重要なのは属性を【吸収】し蓄積させることで自身のエネルギーに変換できること。
自然となると、風とかの気体や水などの液体に土塊の固体までも吸収できる。四元素的な属性の吸収率が高い。属性吸収は、範囲に関わらず一律、10とカウントさせる。
火の場合、火災などで燃え広がっている炎を吸収でき消火活動としても活躍できる。実は良い事ばかりではなくもちろん悪いこともある。風などの気体の中でも空気中に浮遊しているハウスダストや塵埃、花粉なども吸収でき、エネルギーに変換できる空気清浄機の役割にもなっている。しかし、同時に人類が暮らしている中で身の回りにある空気も吸収してしまう点にある。これを吸収してしまう一般的な空気、複数の気体の混合物が周りから減少してしまい酸欠になってしまう欠点もある。
【Pパス】をはめ込んでいることで必要量だけ吸収することができ、その欠点がなくなる。
最もパーソナルカラーに応じて吸収効率が蓄積10プラスされる。
そして、もう1つ。それは【アヒェントランサー】蓄積率50%、蓄積率100%で使用可能になるシステムで吸収したエネルギーを放出する。
蓄積率50%で半転必義
吸収したエネルギーを強化服に様々な能力を付与できるシステム。
強化項目は頭、腕、胴体、足。
頭の中で、さらに適用対象を選択するとその部位だけ能力が上がる。
目を選択した場合、視界がクリアになり遠くの敵も見ることができる。
半転必義稼働時間は5分。
この5分の間でもエネルギーは吸収可能で再稼働ができる。しかし、再稼働するには3分過ぎないと使用できない。
今回、半転必義で強化したのは頭と足。
目を強化したことで視力が一気に上がる。広がる視野のおかげで遠くで警戒している怪盗の姿を捉えた。
先程の赤色から黄色に変わっていたがそんなことは気にせず、怪盗に標準を合わせ1発放った。
以前もこれで怪盗が持っている銃を弾いた。
今回も行けると確信がある。
「えぇ!?」
こちらの位置がわかっていたのか怪盗が右手に持っていた大きな籠手のようなもので俺の銃弾を防御していた。
緑川のいる方向に向かって笑みをこぼしながら空中を歩いていた。
「どうなってるんだよ」
空中を歩いている怪盗に向かって続け様に撃つ。
しかし、放った銃弾はどれも弾かれたか避けられ、無駄撃ちしただけだった。
緑川のいるビルの屋上の1個下のワンフロア付近に到着した怪盗はこれまたどういう原理か空中でジャンプし、俺がいる屋上に足をつける。
「逃げるなんて釣れないね!!」
「さぁ!! 僕と楽しもうか!! お巡りさん!」
屈託のない笑顔でこちらを見る怪盗。
「生憎、もう疲れたんだ......さようなら」
そう言って超高速でビルからビルへジャンプし、姿が見えなくなった。
「警察が逃げるのはどうなのかな......普通、逃げるのって僕らじゃない?」
1人屋上で呆然としている黄華。
ビルからビルへジャンプしている傍ら、時々、後ろを振り向いていたが怪盗は追いかけて来なかった。
本来、警察官が解答などの悪から逃げるのは言語道断。あの場に燐兎がいたら後でどんな目に遭うのかと考えていたが、あんな得体の知れない奴らを相手に長時間の戦闘はきついし何より俺の担当は遠くからの射撃によるサポート。接近戦は苦手分野。
他にサポートがいないと1人ではあれ以上の行動はできない。
マスクのディスプレイに表示されている時間が0になる。
〔稼働時間終了しました〕
機械音のアナウンスにより俺が装着しているアーマーの強化が解け、そのまま落ちた。




