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第2話 ユニークな最弱種族

 目を覚ますと周りを木に囲まれた森の中にいた。目線の高さもどう考えても低く、肌は毒を盛られて死ぬ寸前のような紫。そして、装備は急所を隠す布切れと、肌と布きれの間に挟まった鞘に納められている小刀。よくその状態で落ちないな。

 ・・・・いや、そんなことよりもなぜか体が怠い。そう例えるならば40度以上の熱を出したかのような。どうなってんだ?まあ、ステータスを確認すればわかるか。


◇アバター名:極夜

◇性別:オス

◇種族:紫鬼(しき)

◇ジョブ:侍Lv0.1

◇状態:風邪《致命》・疲労《深刻》

Lv:0.1

HP:0.8/0.8

MP:0.5/0.5

STR:1.5

VIT:0(0.01)

INT:0(0.01)

MND:0(0.01)

DEX:0(0.01)

AGI:3

LUK:0(0.01)

◇ステータスポイント:0

◇ノーマルスキル

▽アグレッシブ

・練気Lv1・気功Lv1

▽パッシブ

・刀術Lv1・HP自動回復(小)Lv1・忍び足Lv1

◇種族スキル

▽特性

・貧弱(極大)・病弱(極大)・脆弱(極大)

▽アグレッシブ

▽パッシブ

・足掻きLv1・成長回復Lv1

◇スキルポイント:0

◇装備

左手:なし

右手:錆びた小刀

頭:なし

胴:なし

腕:なし

腰:布切れ

足:なし

アクセサリー:なし

◇称号

『ユニーク』『紙装甲』『弱きを極めた者』『三大弱』『真の最弱種族』


 ・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ、スキルの詳細を確認するか(現実逃避)。


・風邪《致命》:風邪の最終段階。HPが5秒間に10%減る。風邪なのに何故か最も即効性のある病。なぜこうなるまで放って置いた!?ハッピーセットの如く疲労《深刻》まで付いてくる。


・疲労《深刻》:非常に体が怠くなる。並の精神力では体を動かすことが出来ない。急がば回れ、休息を取りなさい。


・貧弱(極大):ステータスどころかレベルも十分の一にする。また、疲労しやすい。ただし、ステータスは小数点第二位以下にはならない。追記|そもそも小数点第二位になる種族なんてないよね(笑)


・病弱(極大):異常状態に途轍もなくかかり易い。それどころか生きているだけで風邪《致命》などには当たり前のようにかかる。追記|最早何もしなくても死ねます(笑)


・脆弱(極大):何かに対して脆弱ではなく、満遍なく全てに対して致命的なまでに脆弱。受ける全ダメージ十倍。追記|最早紙装甲ですらないね(笑)


・成長回復Lv1:レベルアップするとHPが10%回復する。追記|頑張って、敵を倒せば大丈夫な・・・・・・・はず。


・足掻きLv1:HPが1%になった時、15秒間その状態でHPを固定し、全ステータスを2倍にする。クールタイム十秒。追記|所謂、救済措置ってことです。・・・・一回デリートしません?


・錆びた小刀:錆びている刀。初期装備。


・布切れ:本当にただの布切れ。


・『ユニーク』:ステータスの成長度に補正がかかる。同じ種族が現れるとこの称号は消える。ただし、スキル構成・ステータス・職業・思考の四つの要素が等しくなければ、現れることはない。


・『紙装甲』:そのままの意味。VIT・MNDが10未満だと得られる称号。AGIの成長度に補正がかかる。


・『弱きを極めたもの』:スキルで『~弱(極大)』を取得していると得られる称号。追記|弱点を克服できるように頑張りましょう。


・『三大弱(極大)』:『貧弱(極大)』『病弱(極大)』『脆弱(極大)』を全て取得していると得られる称号。スキルを取得しやすくなる。また、取得のしやすさは『三大弱』の程度によって変化する。追記|め、めげずに頑張ってください!これを乗り越えられたらきっと強くなれますから!・・・・(極大)の方は、やり直した方がいいかもしれません。


・『真の最弱種族』:全ステータスの内五つ以上小数点第一位未満となっていると得られる称号。種族スキル『足掻き』を取得する。追記|えっ、ネタでこんな称号を作りましたがまさか得る方がいらっしゃるとは!!?・・・・・・・・・・・・・キャラクターデリートしません?いや、本当に。


 ・・・・運営から憐れまれているだと!?というか、5秒×1%×10ってことは自動回復込みで約50秒後に俺死ぬんだけど!!?敵を倒そうにもこのステータスじゃあ無理があるだろ!あっ、気は今のうちに練っておこう。貴重な強化・回復手段だからな。

 取り敢えず、Lv1の強敵(雑魚)を探す!!ふらつくし、体が重いが今はそれどころじゃない。種族スキルが足を引っ張るものしかないとか、無理げーか!?俺は疲労を感じる体に鞭を打ち、森の中を駆ける。

HPバーの減少が一割に達した。くっ、もう5秒経過したのか!不味い不味い不味い!!所詮はAGI:3だ。全速力で森を駆け回っている間にも刻一刻と死が近づいてきている。流石にスリル好きの俺でもこんなスリルは嫌だ!俺が欲しいのは強敵との戦いで自然死じゃねー!

居やがった!そして、残りのHPが一割に差し掛かった時に、漸く獲物を見つけた。子供のような背格好で猫背、緑色の肌にぎょろ着いた黄色いの目玉、大きく醜い鷲鼻。そう、ゴブリンだ。

 身長は俺と同じ位か・・・装備は棍棒と汚いぼろ布を腰に巻いてるだけか。あんな(なり)をしているが俺の格上だ、ゆっくり隠れながら背後に回って仕留めるとするか。それに『足掻き』が発動しないと碌にダメージが入りそうもない。レベル何かは分からないが低いことは確実。ならば一撃必殺、これにかけるしかない。

 足音を殺してゴブリンの背後に回り少しずつその距離を詰めていく。如何やらゴブリンは獲物を探しているようだが後ろは気にしていないのか、背後から近づく(最弱)に気が付いた様子はない。

 ふらつきそうになる体に鞭を打ち、足音を立てぬように近づいていく。HPが1%になり、俺の体が赤いオーラに包まれる。ゴブリンとの距離は約一メートル、ここでさらに気功を使用する。そして、小刀を抜き放ち突撃する。


「死ねやああああアアアアア」


「グギャ!?」


 驚いて硬直したゴブリンの喉に刃を突き刺し、そのまま捩り切り裂いた。


「グ・・・ゲ・・・・」


 喉から血を吹き出し、崩れ落ちるゴブリン。若干手に気持ち悪い感覚が残るがそれは今までやって来たR15指定のVRMMOで慣れているから問題はない。ふっ、しっかりとリアルに沿った感触を再現するとは自分で設定しておいて、期待はしていなかったがやるではないか!


【種族レベルが上昇しました】

【種族レベルが上昇しました】

【種族レベルが上昇しました】

【種族レベルが上昇しました】

【『忍び足』のレベルが上昇しました】

【ノーマルスキル『奇襲』を習得しました】

【ノーマルスキル『隠密』を習得しました】

【ノーマルスキル『気配感知』を習得しました】


・奇襲:敵に気が付かれずに攻撃した際、ダメージ増加。


・隠密:敵に気が付かれにくくなる。探知系スキルをごまかすことが出来る。


・気配察知:気配の位置が分かる。探知系の中でも応用が利かないものであるが自力取得がしやすい。


「レベルアップは四回、か・・・あと20秒で次の獲物を見つけてやる」


 スキルのお陰で大まかに気配を感知できるし、奇襲もしやすくなっている、20秒以内に行けるはずだ。それに・・・


「今のスリルは悪くなかったな」


 そして、俺は次の獲物、いや、まだ見ぬを強敵(雑魚)求めて森の中を駆けて行く。












―side???―



 ぷ、ぷふ、し、真の最弱種族って運営の子たちが考えた、絶対にとられることのないはずの、ね、ネタ称号じゃないか・・・ぷふ、ぷふふふふふ、あははははははははははははは!!ふひひひひひひひひひひ!!!ひぃひぃ、か、彼は僕を、わ、笑い殺すつもりなのか!?ぷは、ぷはははははははははははははは、グフっ!ゲホゲホゲホ!!み、水・・・・


 ざんじゅぶんごできな・・・だ、誰か、み、水を( ;´Д`)ノ


♪正真正銘三十分後ってやつさ♪


 ふぅーふぅー、し、死ぬかと思った。僕が笑い死にとか友人に申し訳ないし、まだまだ、契約執行の最中なんだから本当に笑い話にもならないよ。まあ、さっきは笑いながらポップコーンを食べた僕が悪いんだけど。

 あっ、そうそう、そろそろ僕はモニターを見ることと色々な準備作業に集中するから、ここは閲覧禁止だよ、皆♪君たちもいつまでもナレーターがいたら詰まらないだろ?えっ?三連続はしつこかったって?そんなこと言わないでおくれよ~!仕事をさぼってまでやってたんだからさ♪序章はあと一話くらいかな?

 それでは諸君、区切りがついたらまた会おう!グッバーイ♪


 





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