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プロローグ

―side???―



 西暦2053年にフルダイブシステムが完成し、それから数年後には一般的に普及していった。それを起点にVRゲーム業界は破竹の勢いで進歩を遂げることとなる。

 それから、早十数年、現在のフルダイブシステムを使用したゲームは万人が快適にプレイすることが出来ているが、一般に普及してまだ間もないころのゲームは新しいゲームの世界に胸を膨らませていた人々の期待とは裏腹にその内容は酷いとしか言えないものだった。

 リアルに近いグラフィックに数百万人分の自由度の高い体の動き、五感の再現、感情の表現、etc...等の膨大なデータの処理が追い付かず、サーバーが悲鳴を上げ、ラグやバグが当たり前のように発生し、最早ゲームとして成り立たなかった・・・・。


 ・・・・・~~~~~~っ、もう無理!この喋り方堅ッ苦しい!ここからはいつも通りで行かせてもらうよ♪まあ、新たな収入源を失うのを嫌ったのか多数の企業が共同で解決に取り組み、その問題は解決したんだけどね。ただし、共同開発チームの方々は毎日デスマーチを繰り返していたとか・・・・・お疲れ人類の中でも優れた者たち、死人は出なかったから結果オーライだよね?

 ん?僕が誰なのかって?・・・・うーん、今は言えないかな。・・・・・ただ、ただ一つだけ言えることがあるとすれば、僕はどうしようもないロクデナシってことぐらいさ。まあ、ナレーターとかだと思ってくれて構わないよ?ほら、ケ○ロ軍曹の黒子の人みたいな。

 さてさて、それでは人類諸君!楽しい楽しいゲームの世界に旅立ってくれたまえ!!そして、君だけの物語を見せておくれ!!!さあ、ゲームスタートだ!!!!








 くぅ~~~~、言ってみたかったんだよねー、こういう決め台詞みたいなの!!って、ちょっと!?ここはカットだよカット!君らも見ちゃダメだって!!あー、恥ずかしい~~~~!今度こそ!えい!!―――プツン
















―西暦2064年夏―side白木九朗―



 忌々しい期末考査が過ぎ去り、高2の一学期の終わりに差し掛かって来た暑過ぎるある日に、俺、白木九朗のもとにゲームでの悪友の一人、ラドゥからメールが届いた。


件名:『エタテル』やろうぜ!

差出人:ラドゥ

宛先:レイヴン

本文:よう、退屈してたら一緒に『eternal fairy tale online』やろうぜ!!つーわけで、ソフト送っといたから!


「いや、はえーよ!?」


 『eternal fairy tale online』通称『エタテル』は三日前に発売したばかりの新作のVRMMOだ。何でもこれまでのVRMMOと一線を画すレベルのグラフィックと自由度を誇っているんだとか。確かに興味はあったし、金欠で第一弾に応募するのを断念していたが(ソフトの価格¥9236)・・・・いや、あの値段の高さが悪い。

だが、あの心が腐っているといって過言ではないやつが無料でこんな高くて、貴重なソフトをプレゼントしてくるとは思えない。・・・なにか裏があるんじゃないか?というか何で二つも持ってるんだ?


「・・・まあ、なんとかなるか」


そんなことよりも届いたら即行で取りに行かねば!ラドゥはリアルでは有名人だからな・・・うちの妹が発狂して俺に対して襲撃を敢行しかねん。ハッ、まさかこれを予想して・・・・!なんて奴だ!?

 いや、落ち着け、幾ら奴でもそんな分の悪い賭けはしないはずだ。何て言ったって、うちの母さんは最悪届けられたソフトを売って趣味の釣りの資金にしかねん人だからな(キリッ)!・・・・今冷静に考えてみるとうちの母親って親としてはまともじゃないのでは?

 あー、言っておくけど父さんはまともだぞ!公務員で家事全般ができて見た目が未だ若々しいイケメンというくらいで・・・・・・イケメンホロブベシ!おっと、いけないいけない。ついつい、父さんの集呪力(イケメン力)にやられて、呪ってしまった。因みに俺の容姿は整ってるけど、稀に男子に女子と間違われて告られるレベルの女顔じゃあ、全然喜べないけどね。

 よし、やっぱり理由を聞くとしよう。


件名:Re『エタテル』やろうぜ!

差出人:レイヴン

宛先:ラドゥ

本文:おい、罪深きイケメンよ。いったい何を思って俺にそんな贈り物をするんだ?


件名:『エタテル』で人外になろうぜ!

差出人:ラドゥ

宛先:レイヴン

本文:『エタテル』で人外アバターにしようと思ってるんだけど、魔物が不遇でさ、やってる奴が少ないんだよ。だからさ、女男に一緒に魔物になってほしいわけ!


 あいつ、有名人なのに相変わらず返信が早いな。そんな時間空いてるのか?あと、後でぶっ飛ばす!それにしても魔物まで種族として選べるなんて本当に自由度が高いな。というより、普通友達に不遇されてる魔物を進めるか?

 まあ、俺はスリルがあれば満足だけどさ。・・・・・いや、ある程度力を付けたら町へ襲撃をかけてもいいな。絶対町の衛兵とか強いんだろうなぁ。戦えたらそれでいいから、NPCは殺さない方針で行くとして・・・・。やべー、今から楽しみで仕方なくなってきた。奴のことだ速達便で今日中に届くに違いない。今のうちにどんなプレイスタイルにするか決めておくか。












―side???―



 おお、漸く僕が目を付けていた子がゲームを始めるのかー。いいね、いいね、金欠だからってゲームを買うのを断念した時は焦ったんだよね。ナイス、九朗君フレンド、ラドゥ!ラドゥ君もラドゥ君で面白いけどね♪よし、これでレイヴンズは全員揃ったかな。さてさて、これからが面白くなってくぞー♪


 まずはどうしようかな?「―――」うん?ああ、君か。ようこそ、僕のモニタールームへ♪「―――――」大丈夫、大丈夫、僕のお気に入りの子たちも揃ったし、幾ら僕が快楽主義者で悪戯好きでもしっかりと約束は守るよ?「――――」うわー、信用が無いなぁ。ここまで協力してあげたんだから、少しくらい信頼してくれてもいいんじゃない?「――――――」いやいやいや、流石の僕でもデスゲームにはしないよ?友人に怒られてしまうからね♪「――――――――」ハッハッハッハ、心配性だなぁ君も、何も企んでないってば・・・・強いて言うならば、人類のためになることかな?「―――――」クックック、なーにこれからのお楽しみさ♪ほらほら、君も帰った帰った、仕事はまだまだあるんだろ?「―――」じゃあね、頑張って!


 ふぅー、あの子は本当に心配性だな。そんなんじゃ長生きは出来ないだろうね♪おっと、勘違いしないでくれ給えよ、観客(同胞)諸君、殺しの振りじゃあないからね?さてさて、そろそろ彼らの様子を見るのに戻るとしようか。

 









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