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融点

 淡い夜も更けた頃。

 フロージアは寝床からそっと抜け出し、寝間着の上に上着を羽織った。氷を操る力を持っているので寒さはあまり感じないのだが、感じないからと言って影響を受けないわけではない。厚手の布地に獣の毛を綿代わりに入れた上着は重たいが、これしかないのだから仕方ない。

 エーテルを灯したランプを手にして、冷え切った通路を歩く。スティーブンソンは夜間は走行しないので、アイオロス号は静まり返っていたが、時折余熱でパイプが鳴るので驚いてしまう。寝間着の裾からぴんと伸びた尻尾を元に戻してから、フロージアは狭い通路を通り抜け、ハシゴを上り、一旦外に出てからまた中に入り、そしてようやく目的の場所に辿り着いた。

 アイオロス号の端に据え付けられた、古びたコンテナだった。浅い息を詰めてから、コンテナのドアの取っ手に触れると、じわりと熱していた。

「ひゃう」

 フロージアは小さく悲鳴を上げ、手を引っ込めたが、気を取り直して触れ直した。予想していた温度とは違ったから、驚いてしまっただけだ。念のために薄く氷を張って取っ手の温度を下げてから、軋むドアを開けると、鉄錆の匂いがつんと匂う箱に細い光の筋が伸びる。そっと中に入ってから、コンテナのドアを閉めると、フロージアは目を凝らした。

「……ふふ」

 焦土は良く寝ていた。眠っている間にも熱を放出してしまうからか、彼の周囲だけは気温が高かった。その熱を浴びすぎないように気を付けながら、フロージアはランプを置き、彼を眺めた。

 それだけで、鼓動が高ぶってくる。



 ────三ヶ月前。

 赤道国家アラトトにて、フロージアは国土防衛の職務に就いていた。それに関しては、何の疑問も抱いていなかった。幼少期に赤道国家に保護され、魔女としての才能を見出され、言われるがままに働いていたからだ。

 といっても、毎日のように訓練と国土防衛の戦闘に明け暮れているだけなので、飽きないわけではない。他の魔女達はフロージアに比べれば才能も実力も劣っているので、競う価値もないし、かといって国家を統べる貴族達にも興味はなかった。それでも、赤道国家の外に出ようなどとは考えたこともなかった。外の世界には氷と雪原だけしかなく、生きていくだけでも一苦労であり、物資と食料が豊富な赤道国家で暮らすのが一番だ、と誰しもが言っていたからだ。

 赤道国家アラトトは、旧世界ではアンデス山脈と呼ばれていた山脈の中で最も高い火山、チンボラソ火山を中心にして国土を築いている。かつては標高六〇〇〇メートルを越える山だったのだが、氷河期の到来と共に押し寄せた氷河に埋め尽くされてしまったため、現在は標高一〇〇〇メートル付近が氷の上に飛び出しているだけである。火山は黙しているが、赤道国家はその地熱と高濃度のエーテルを利用して国土を切り開き、山肌にこびりつくような形で農地を作り、複数の都市を築いた。首都は、旧世界の遺物である箱舟を中心にして街並みが形成され、様々な種族の住人達が狭い社会を回している。

 フロージアが任されていたのは、“蒸気男爵”スティーブンソンが築いた蒸気都市の防衛であった。といっても、住民が住むのに適した街ではない。建物という建物の内部には蒸気式計算機が構築され、都市の道路や階段や塀までもが計算機の一部だった。どこもかしこも歯車だらけで、連日連夜がちがちと機械が軋む音がしていて、面白くもなんともなかった。

「……む」

 その日もまた、フロージアは暇を持て余していた。蒸気都市の一角にある家屋の屋根に乗り、膝の上に本を広げてはいるが、内容は頭に入ってこない。以前、スティーブンソンから旧世界の字の読み方を教えてもらったが、途中で面倒臭くなったせいで半端に覚えてしまい、却って読みづらくなってしまったのだ。

「いやはや、“略奪伯爵”から魔女をお借りしてもいいのかね」

 “蒸気男爵”は赤い単眼を動かし、屋根の上を見上げた。

「リンタオロンは私が嫌いなのよ。私もリンタオロンが嫌いだわ。だから、あいつの傍にいないので済むのであれば、閑職であっても文句はなくってよ。暇すぎてうんざりしているけれど」

 フロージアは舌打ちする。

「こらこら、行儀の悪い」

 スティーブンソンが窘めるが、フロージアはびしばしと尻尾で屋根を叩いた。

「だって、いちいち嫌味なのよ? 目を合わせようともしないし、話そうともしないし、たまに近付いてきたと思ったら、訳の解らないことを言うし。好きになれるわけがなくってよ」

「我が輩が知る限り、略奪伯爵は悪い男ではないとは思うが……」

「その爵位の時点で趣味が悪くってよ」

「ああ、それについては我が輩も同意するが、リンタオロンは母親は盗賊の出自だからなぁ。先代の略奪伯爵が盗賊団を討伐した際にディノサウロイドの女性を娶り、赤道国家まで連れて帰り、産ませたのがリンタオロンなのだから」

「それとこれとは関係なくってよ」

「いや、ないわけではないよ。正式な妻が産んだ子ではなく、勝手に娶った盗賊の娘に産ませた子に爵位を継がせたのだから、そりゃ他の貴族はよくは思わんよ」

「スティーブンソンはどう思っていて?」

「賢い青年だとは思うが、性格に難があるのは認めるよ」

 そう言いながら、蒸気男爵はがちゃがちゃと機械をいじり始めた。潤滑用の石油と鉄臭さが漂ってきたが、常日頃から大気に混ざっている火山の臭気に比べれば可愛いものだ。フロージアは“略奪伯爵”ニクス・リンタオロンの良さを思い出そうとしたが、その顔を思い出すだけでうんざりしたので、またも舌打ちした。

 リンタオロンは、ヴェロキラプトルの血を引くディノサウロイドである。細身で尻尾が長く、両手の先には狩りに用いる爪が生えている。体格からしても、他の貴族達には見劣りする。そればかりか、リンタオロンは卑屈だ。過剰に己を卑下するくせに、その内面はプライドの塊で扱いづらい。フロージアがそんなリンタオロンを汲まされた理由として考えられるのは、フロージアもまたディノサウロイドだったからだろう。ゴフェル大公も発想が単純だ。

 だから、リンタオロンの命令で蒸気都市に寄越されたのは、願ってもないことだった。仕事の量は桁違いに少ないが、リンタオロンと同じ空間で過ごさずに済むと思うだけで気が楽になる。だが、他の魔女達に後れを取るのは面白くない。安堵と焦りの板挟みになりながらも、フロージアは本のページをめくった。

 挿絵では、魔女が姫君を苦しめていた。



 魔女の中でも、氷の魔女は数が多い。

 フリージア、フロスティ、グレイシャー、コールドストーンという名の魔女達もまた、フロージアと似た力を持って生まれていた。皆、互いに対抗意識を持たないはずもなく、いつしか氷の魔女達は水面下でいがみ合うようになっていた。だが、フロージアはそれが心底馬鹿馬鹿しかったので、陰口の叩き合いには参加しなかった。そのせいで訓練の最中に嫌がらせをされたり、氷を誤射されることも一度や二度はなかったが、言い返すのも鬱陶しかったので十倍の氷でやり返していた。だが、気は滅入ってくる。

 その最中にも、リンタオロンは何かとフロージアに接触してくる。自分から進言して蒸気都市に配置換えをさせたくせに、交代する時間や休憩の時間を見計らって近付いてくる。氷で圧殺してしまいたくなる瞬間は一度や二度ではなかったが、そんなことをすればゴフェル大公に処刑されるので堪えるしかなかった。

 鬱屈とした日々の中では、スティーブンソンとの交流はなかなかの気分転換になった。中でも楽しかったのは、旧世界の話を聞かせてもらうことだった。スティーブンソンは長年旧世界についての研究に勤しんでいるので、フロージアは熱心にその話を聞いた。そして、スティーブンソンは自分の話を聞いた分だけ、フロージアの話も聞いてくれた。といっても、ほとんどが愚痴だったが、最後まで耳を傾けてくれた。

 フロージアが蒸気男爵に懐くのも、時間の問題だった。



 ニンゲンと赤道国家の戦いは、途切れることはなかった。

 敵は神出鬼没なので、発生源を潰そうにも潰せない。行動にも一貫性はなく、前触れもなく都市に突っ込んでくることもあれば、いきなり空から落ちてくることもあれば、チンボラソ火山の内側からやってくることもあった。

 その都度、魔女は兵士達と共にニンゲン退治に駆り出されたが、後手後手に回るので決定打に欠けていた。それでも、戦い続ける以外に手の打ちようがない。ニンゲンを殺した後は、その肉を加工して都市の備蓄食料にするのだが、あまりおいしいものではない。爬虫類故に致命的な味オンチのフロージアですらもそう思うのだから、まず間違いはない。殺した分だけ喰うのが礼儀とはいえ、さすがに限度というものがある。

 士気は下がる一方だった。

 


 ある日。

 外の世界での任務を終えた輸送部隊が帰還し、輸送車両から積み荷を降ろしていた。どうせ誰も襲ってこないだろうに、とは思いつつも、フロージアは見張りの任務を務めていた。その様を見て、氷の魔女達がくすくすと笑い合っていたが、聞かなかったことにした。

「あら?」

 旧世界の遺物や食糧となる獣の肉塊に混じって、見慣れないものが運び出されてきた。フロージアは興味を惹かれ、背伸びをしてみると、兵士達は棺桶のようなものを運んでいた。分厚い金属で出来た頑丈な筒だったが、急激に温度が上がって湯気が昇り、兵士達は手を離してしまった。

「熱い!」

「マグマでも詰めてきたの?」

 フロージアが金属の筒を凍らせると、兵士はその氷で手を冷やす。

「いや、エーテル使いです。大公閣下に回収してくるように頼まれたので」

「新しい魔女なの?」

「いいや、男です。大公閣下の元に運ばなきゃならないんだが……ああ、もう氷が溶けちまった」

 兵士が金属の筒から身を引くと、今し方の氷が一瞬で溶けて蒸発してしまった。

「仕方ないわね」

 フロージアは二重三重に氷を重ねたが、それもまたすぐに溶けてしまったので、渋々同行した。溶けるたびに水が滴り落ちるので、通路が濡れてしまったが、その水自体も熱していたので程なくして乾くはずだ。

 金属の筒は中身ごと格納庫に運ぶのかと思いきや、謁見室に向かった。兵士に寄れば、中身を検分する役割はゴフェル大公が直々に行うのだそうだ。普段は魔女や貴族に任せているのに、珍しいこともあるものだ。

「あら……」

 小さな覗き窓から筒の中を見、フロージアは目を丸めた。血飛沫が散っていたが、その血も水分が蒸発して中にこびりついている。氷を覗き窓の部分だけ溶かし、覗き込んでみると、右手が切り落とされていた。切り口は鮮やかで、骨も見事に断ち切られている。

「これ、誰がやったの?」

「御存じないのですか? 略奪伯爵ですよ」

「あいつ、わざわざ外の世界に出ていったの?」

「ええ。伯爵御自身が進言し、回収部隊に加わって下さったのです。それはありがたいことですし、こうして成果も上げられたのですが……」

「なあに、リンタオロンは死んだの?」

「いえ、そんなことはありません! 御無事に帰還されましたが、先に御屋敷にお戻りになったのです」

「なあんだ」

 フロージアは落胆を隠そうともせずに、尻尾を下げた。兵士は何か言いたげではあったが、それ以上は語らなかった。ゴフェル大公から与えられた任務を果たす前に、迂闊なことを言ってフロージアの機嫌を損ねて殺されたくはない、とでも思ったのだろう。賢明な判断である。

 件の積み荷は無事に謁見室に運び込まれ、兵士は五体満足で解放されたが、その代わりにフロージアが残された。程なくしてゴフェル大公が側近を従えて現れた。長い外套に身を包んだ巨躯の男で、顔を覆う布の下からは赤い瞳が垣間見えていた。その色は、フロージアを始めとした魔女だけでなく、貴族達とも同じ色である。

「奴の右手はどうした」

 ゴフェル大公が問うと、側近が答えた。

「略奪伯爵が回収したとのことですが」

「勝手なことを。だが、どうせ解体するのだから、欠損していようとも変わりはない。その際には手伝ってくれるな、氷の魔女よ」

「仰せのままに」

 フロージアは膝を折って礼をするが、形だけだった。ゴフェル大公には、恩はあれども忠義は抱いていない。貴族や兵士の中にはゴフェル大公に心血を注いで仕えている者もいるが、そこまで入れあげるほどの相手ではないだろう、とフロージアは思っていたからでもある。だが、なるべく顔に出さないようにしていた、

「損傷の具合を確かめたい。開けろ」

 ゴフェル大公が命じると、側近達が金属の筒の蓋を締め付けているナットを外しに掛かった。だが、あまりにも熱すぎて工具が真っ赤に熱してしまい、側近達は慌てて飛び退いた。

「手間の掛かること」

 フロージアは再び金属の筒を凍り付かせてから、温度差で脆くなったナットを工具で叩いて砕き、力任せにボルトを引き抜いた。そして、凍らせた手で金属の筒の蓋を開くと────。

「あ……」

 中には、若い男が眠っていた。赤銅色の髪に褐色の肌を持つ、人間だった。欠損した右手首は焼き付いていて、出血も止まっている。逞しい骨格に引き締まった筋肉を纏い、裸身の股間にはディノサウロイドとは異なるものが備わっていた。意識はなくとも、精悍な面差しからは意志の強さを感じられる。ああ、ああ、ああ。

「退け」

 ゴフェル大公が短く命じると、フロージアは側近達によって謁見室から追い出された。ドアが背後で閉ざされ、施錠されたが、フロージアはその場から動けなかった。無意識に周囲のエーテルが凍り付き、足元から霜が広がり、ドアも通路も中庭に面した窓も凍り付いていく。

「欲しい……!」

 フロージアは両腕を抱き、背筋を逆立てる快感に身震いする。あの男が欲しい。あれは私のものにする。欲しくて欲しくて欲しくて、気が狂いそうになる。ずきずきと心臓が痛み、脳が煮えそうで、尻尾の根元が熱く疼き、尻尾が反り返り、首の後ろがむず痒い。

 私は、この男が────。



 妙な寒気で目が覚めた。

 頭痛がする上に、腹が何かに締め付けられている。焦土は困惑しながらも身を起こそうとするが、やけに重たかった。何事かと目線を下ろしてみると、トカゲの魔女がしっかりと抱き付いていた。長い尻尾が焦土の胴体に巻き付き、力が入っている。だが、頭痛の原因はそれではない。

「なんだ、さっきの夢は」

 焦土が一切知らないことばかりだった。視点も低かったし、スティーブンソンには彼女の名で呼ばれたし、意識に割り込んでくる思考もフロージアのそれだった。となれば、彼女の記憶を夢として見ていたのだろうか。

「どんな理屈で……?」

 それもまた、エーテルの成せる業なのだろうか。だとしても、傍迷惑である。

「うげ、びっしゃびしゃだ」

 焦土が起き上がると、二人の体が接している部分から水が滴った。恐らく、フロージアが無意識に凍らせてしまい、焦土もまたそれを無意識に熱で溶かしていたのだろう。まるで失禁したみたいだ、と焦土が恥じ入っていると、フロージアが身動きした。

「お、おわっ!」

 焦土は慌ててフロージアの尻尾を剥がし、身を離したが、素早く炎を出して水を全て蒸発させた。彼女の名誉のため、というか、寝起きに暴れられても困るからだ。

「ん、ん……?」

 床に放り出されたフロージアは、瞬膜を開閉させていたが、徐々に目の焦点が焦土に据えられた。二人はしばらく見つめ合う格好になったが、フロージアは顔を背けると同時に分厚い氷の壁を作った。

そればかりか、その壁がどんどん膨らみ、焦土を追い詰めてくる。

「ちょっ、ちょっと待て! 落ち着け、フロージア!」

 焦土は炎を出して氷を溶かしながら叫ぶが、氷の壁の向こう側ではフロージアが半泣きになっていた。

「忘れてぇ! お願いだから全部忘れてぇっ!」

「お前が勝手に入ってきたんだろうが!」

 焦土が怒鳴り返すと、フロージアはびくりとして尻尾を丸める。氷の壁の膨張が止まったので、焦土は炎の量を増やして氷の壁を崩し、脱出した。

「おい、フロージア。なんで入ってきた。あと、さっきの夢はなんなんだ。説明しろ」

 焦土がフロージアの顔を上げさせると、フロージアは口角を歪めていたが、赤い瞳からぼろぼろと涙を落とした。頬を伝うと同時に凍り付き、澄んだ水の粒が濡れた床に散らばった。

「泣くほどのことかよ」

 焦土が面食らうと、フロージアは俯く。いつもの自信過剰な態度とは懸け離れた、年相応の仕草だった。

「勝手にお部屋に入ったのは謝るわ、ごめんなさい。……あなたを取り戻せたのが嬉しくて、少しだけ一緒にいたかっただけなのよ。すぐに出ていくつもりだったけど、あなたの傍にいると体が冷えずに済むから、暖めさせてもらおうと思ったら、寝入ってしまって」

「次からは、先に言えよ」

「怒らないの?」

「寝ている間に心臓を喰われたわけじゃないしな。だが、さっきの夢が何なのかは説明してもらうぞ。あれはどう見てもフロージアの記憶だったが、なんで俺はその記憶の夢を見ていたんだ?」

「う、あ、あれは、エーテルの共振現象というか、量子テレポートみたいなものだとスティーブンソンは言っていたわ。肉体の接触を持った上で精神が同調することで、互いの脳内のエーテルが共振して情報を共有する……ということらしいんだけど……つまり……その……」

 フロージアは徐々に肩を縮め、尻尾を丸めて抱き締める。

「俺、何か、したのか……?」

 焦土が徐々に後退ると、フロージアは首筋をさする。

「私も覚えていないけど、でも、エーテルが共振したってことは何もなかったわけではないと思うのよ。けれど、どちらも覚えていないのであれば、不問にするべきではなくて?」

「なんか、すまん」

「着替えてくるわ」

 フロージアは焦土に背を向けると、足早にコンテナを後にした。焦土は苛立ちや戸惑いが引っ込み、思わず自分の体を確認した。上も下も使用した痕跡はない、とは思うのだが、本当に何もなかったのかどうかは自信がない。おかげでフロージアが焦土に執着する理由は解ったが、なんだか気まずくなってしまった。

 意識するつもりなんて、なかったのに。

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