第2話 2
その後牢獄を守る堅牢な鉄の扉を指さした。
また窓を指差し、身振り手振りで何かを伝えようとしている。
「外に出ろってこと?出ようにも窓は塞がってるし扉は、開くかなぁ……」
出られるならそれが一番だが、どうやら違うようで天使様はぶんぶんと首を横に振った。
『僕』は自分が出たいの?と聞いたりそこに何かあるの?と指差した場所を確認したりするも、どれも違うらしい。
天使様は喋ろうにも先ほどからずっと潰れた喉がひゅうひゅうと風を通している。
『僕』が困り果てていると、鉄の扉が突然ごんごんと外から大きく叩かれた。
『僕』は飛び上がりそうなくらい驚いてしまったが、天使様はこれを伝えたかったらしい。
どことなく安心したようにほっと表情が和らいだ。
鉄の扉は通り抜けられない程度の小さな小窓があり、そこが開くと誰かが荷物をまず差し出した。
「あ、あの!ここから出してください!天使様も一緒に!」
差し出された荷物は少し大きくて、『僕』はそれを受け取るよりもまず伝えたいことを扉向こうの村人らしき人物に伝える。
「取れ」
村人らしき人物はそれだけ短く答え、『僕』は不安と困惑でいっぱいになりながら荷物を受け取った。
それから次に差し出されたのは蓋のついたトレーに乗せられた温かい食事だ。
天使様の分も兼ねているのか少し量が多く見える。