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虹丸  作者: もんじろう
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 再び、静香が笑った。


 力を増した今、もはや折れていようがいまいが関係ない。


(何でも思うままに斬れる!)


 静香は確信した。


 両断された虹丸のそばに立つ。


「何?」


 岩男のときのように光が出てこない。


 これでは力を吸収できない。


 虹丸の死体からは血ではない緑色の液体が流れ出ていた。


 続いて、虹丸の死体が砂のように崩れる。


「逃げられたということか?」


 静香が呟いた。


 顔が曇る。


 わけは分からないが、まんまと石を持つ者に逃げられた。


 せっかく高揚していた気分に水をさされた。


 しかし、すぐに静香は顔を上げた。


 もうひとつの石の気配を城の天守閣から感じる。


(あちらから片づけるか)


 静香に笑顔が戻った。




「む…」


 義盛が言った。


 城の拡大作業をしている兵たちの視界を通して、侵入してくる敵を発見したからだ。


 長身の女剣士。


 静香である。


 虹丸を逃がした静香は、すぐさま暁城の城門へと向かったのだ。


 門の見張りの屍兵が、その姿を見つけ、義盛の知覚へと知らせた。


 義盛は付近の屍を動かし、侵入者を排除しようと備えた。


 そのとき。


 城門が突如、斜めに切断され崩れ落ちた。


 見張りの兵が下敷きになる。


 もちろん、静香の剣技によるものだ。


「ふははは!!」


 自らの刀の冴えに静香は昂っていた。


 揚々と前進する。

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