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そうすることで、生きていた頃の感覚に少しでも戻りたいという隠された願望なのか。
死人になりながらも義盛は未だに武将なのであった。
この大勢の死人の中をくぐり抜け、城へと潜入するべきか?
虹丸は考えた。
虹丸の力で己を増やし、城へと攻め込み、隅々まで調べるのは可能だろう。
だが、間違いなく死人たちとの戦い、それも規模の大きなものへと発展する。
何より、この死人たちを操る敵の能力は詳しく分からない。
敵の陣地に踏み込み、取り返しのつかない事態になりはしないか?
誰にも取り込まれていない緑の石があるという保証もない。
やはり、虹丸は生来、慎重な男であった。
(一度、退くか)
そう思った虹丸が林の奥へと後退するべく背後を振り向いた、そのとき。
異常な殺気が虹丸の背筋を凍らせた。
同時に緑の石の気配。
近い。
(しまった!)
虹丸の全身から、冷や汗が吹き出した。
痛恨のしくじり。
これほどまでに敵を接近させるとは。
しかも、緑の石の兆しを見過ごすとは、なんたる失敗か。
城の方向からの石の気配に気をとられ、背後からの接近を許すとは。
殺気と石の気配の主は、すらりとした長身の女剣士。
静香である。
岩の男と死合う前の静香とは、まるで別人のようだ。




