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虹丸  作者: もんじろう
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 十蔵は村から出ていった。


 外が静かになったと気づいた村人たちが家から何人か顔を覗かせたが、恐ろしい戦いがあった痕跡は何ひとつ残っていなかった。




 三年前に、その城は陥落した。


 名を(あかつき)城という。


 山の頂上付近に建てられた強固な城で、落城した際の戦いでも一年もの間、大軍の攻撃に耐え抜いたのだった。


 城主、惨鬼義盛(ざんきよしもり)は豪の者であり、その采配も優れていた。


 義盛の手腕に攻めあぐねた敵の武将は暁城を包囲し、城への補給を断った。


 当初、来るはずだった同盟国の援軍は約束を違え現れず、兵糧の尽きた城方はついに餓え始めた。


 次第に弱りだす城兵たちを見ても、攻め手は攻撃を開始しなかった。


 餓死する者が出ると、義盛は戦を諦めざるを得なくなった。


 彼は敵に降伏を申し出た。


 攻め手は、それを無視した。


 城方を全て餓死させるという残忍な意思表示であった。


 城兵たちが弱りきった頃、敵が城に火を放った。

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