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(俺は千、いや、万の軍勢にさえ勝てる)
十蔵は顔こそ無表情だが、気分は高揚していた。
唯一、憂慮があるとすれば、虹丸たちの攻撃が十蔵の体力が尽きるまで延々と続く場合か?
だが、そのときは十蔵が退き、活路を見いだせば良い。
(敗けはない)
それにしても。
虹丸はいったい何人、居るというのか?
同士討ちによって、すでに何十人もの虹丸が死んでいる。
最初に死んだ虹丸たちの死体は砂と化して、緑色の液体が流れ出していた。
液体は蒸発し、辺り一面へと舞い始めた。
まるで緑の霧だ。
視界は悪くなったが十蔵は動じない。
条件は虹丸も同じ。
さらに十数人の虹丸が倒れた後。
突如、十蔵の身体に異変が起こった。
口元に、ぬるっとした感触。
(?)
鼻血だ。
十蔵は初めて動揺した。
虹丸の攻撃は十蔵を捉えていない。
負傷するはずはなかった。
喉を何かが逆流してきた。
十蔵は吐いた。
血だ。
吐血したのだ。
(毒か?)




