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 石にささった剣を抜くのと、爆発とドリルは、

男の子の3大ロマンである。


 俺は師匠に自分の事を魔剣士と言ったが、俺の空間切断は剣に魔法をのせるわけでは無い。

 何も持たなくても仕えるし、剣に負担を与えることは無いのだ。

 隠してる訳では無いが、剣術を極めた師匠に空間切断を見せるのは、何か失礼な気がして目の前では使ってない。

 使う必要も無かったし、あれは試合で使える技では無い。死合になってしまう。

 見せても師匠の剣術に役立つ訳でも無い。対象を切断するだけで剣術では無い。切る技量でなく、切る技術なのだ。

 一分の天賦の才、魔王と戦うために天から与えられたのであろう才能がなければ、修行しようと努力しようと

全く使えないのだ。 


 さて、刀の前に立ち、心を落ち着かせてまずは眺める。 

 空間魔法を使って、石から分離してしまうのは駄目だろう。

 見る限り石の中で、刀身が大きくなっている訳でも無さそうだし。つまり、壊れないハンマーが石に閉じ込められ、柄の部分だけ掘り出された状態では無いと言う事だ。これは抜けない。

  

 眺めててもわからない。

 ええい、ままよ。魔法のあるファンタジー世界だ。

何があっても不思議じゃ無い。

 柄を握って一気に引き抜く。

 

 あっさり抜けた


 「お主が選ばれし者というわけじゃな」

 「鞘を作ってやるから、魔王との戦いに持って行くが良い。きっと役立ってくれるだろう」


 俺の使ってた剣は、実家にあった細身の両刃剣である。家に何本かあった物の一本だ。数打ちの安物では無いが、名剣という訳でも無い。

 不満は全く無かったが、カクメイ流を使うなら片刃で反りのある刀の方が使いやすいのは事実だ。

 遠慮なくもらう事にした。

 

 剣を変えたので、それに合わせて師匠に剣技を手直ししてもらう。

 正式に免許皆伝を許された。

 そのうちに刀が出来上がってきた。

 斬○剣のような格好良い名前は無いらしい。師匠に頼んだら断られた。

 竜でも切って、竜殺しとかつければ良いと言われたが、なんか酒の名前みたいでイマイチである。

 空間魔法の名付けと共に悩みが増えた。

 ただ、刀と拵えがあまりに美しかったので、貧乏性の俺はもったいなくて普段使いに使えず、石から抜いた刀と長さと重さの近い、何本かの良くできた刀を買って普段はそれを持つことにした。


 そして俺は17歳になり、この世界の成人を迎えた。

 しきたりによれば、勇者と出会うためにガーマの町に向かわねばならない。

 師匠と弟さんにまたの再会を約して別れを告げた。


 東方国滞在中も時々戻っていたが、改めて実家に戻り旅立ちを伝えた。

 旅の途中も時々戻るつもりなのだが、一応けじめだ。


 一月程前に会ったばかりだが、トルネンさんの所にも寄り、勇者のと会うためにガーマへ向かう事を告げる。 

 トルネンさんとも、これからも時々会って打ち合わせをしなければならないので、お別れという訳ではないのだが、これもけじめ。

 

 で、トルネンさんから、その前に仕事を一つ片付けてくれないかと頼まれた。

 なんでも整備した街道の近くに、怪しげな教団が巣を作り周辺の人々を攫っているらしい。

 今の所、トルネン商会の関係者は襲われてないが、

街道の安全の為にはなんとかしておきたい。

 20人程度の討伐隊を派遣したが、魔物を使役し襲ってこられて退散したそうだ。

 次は軍隊規模の討伐隊を送らねばならないが、あまり大人数を派遣すると周囲の貴族を刺激しかねないので悩ましい。

 もう一回俺が20人くらいの討伐隊を率いてくれないかと頼まれた。




 

 

 

 

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