第15話 新たなダンジョン
今回は予約投稿を初めて行なってみました。
上手く出来れば今後はある程度日時を決めて更新させて頂きます。どうぞよろしくお願いします。
寒い。寒いぞ。
河のせせらぎと鳥の囀りが良い音楽になったみたいで良く寝てしまったみたいだ。
テントの外に出てみると夕焼け空で川の水面も綺麗なオレンジ色になっていた。
「さぶいぃ。服着よう。」
服はすっかり乾いたようだ。
二郎丸とるかにはまだ水遊びしてるのかな?
耐性があるとは言え流石に寒いよね。
辺りを見渡すが二人は見えない。
(もしかして川に流された?)
心配になり川沿いを下流へと急いで歩くが二人の姿は無い。更に下流へと歩くと大きな岩の横に2m位のぽっかり穴の開いた場所があった。
(嫌な予感がビンビンするな〜。これはダンジョンで二人は中に入ってるパターンだよな〜。)
木刀持って来て良かった。奴らは後でお仕置き決定だね。
穴の中に恐る恐る入ると裏山ダンジョンと同じく大きな広い空間が、そして階段へと続いている。
すぐ近くに居れば良いけど奥の方まで行ってたら一人じゃ厳しいかも知れないな。でも行くしか無いよね。
階段を降りると天井、壁、床、キレイに石が並んでいて「ザ・ダンジョン」になっている。
罠感知を使いつつ慎重に奥へと進む。
緊張と恐怖で手汗が凄い。シャツで手汗を拭きつつ更に奥へ。
すると「ワン!」と声が聞こえて来る。
敵と戦っているのか二郎丸の声と何かの鳴き声、「ドン!」と言う音が聞こえる。
(敵が居るな。気付かれないように近付いて不意打ちだ)
コソコソ気配と音を出来るだけ出さないように進む。
(いた!戦っているあの緑色は何だ?)
緑色の体、目は血のように真っ赤。口からは牙のようなものが見えボロボロの布を纏い手には短剣を持った人型の魔物。
(気持ち悪い。これはゴブリンってヤツか?)
鑑定を発動させようとしたが二郎丸達は分が悪そうで息が上がっている。
(お仕置きはコイツを倒してからだね!)
僕は木刀を握り直し隙を窺う。
ゴブリンは僕には気付かずニヤニヤ気持ち悪い顔をしながら二郎丸に近付いて行く。
(今だ!!)
完全に後ろを取れる!僕はダッシュでゴブリンへと近付いてあと3歩程の距離へと詰め寄る。
「ご主人!助けに来てくれたワン!」
二郎丸・・、イヤ敢えて言おう!バカ犬であると!
「ギギギッ!?」
反応が早い!ゴブリンが僕の方へ振り返り短剣を振りかざして来る。
「うぉぉぉぉおりゃゃ〜!」
僕は夢中で木刀をゴブリンの頭へ振り抜く。
凄い。昨日までと体が違う。イメージした通りに体が反応してくれる。
「ガギャーン!」
剣と剣(木刀)とが当たり火花が散る。
強い!ゲームや本で描かれている「やられ役」では無い。
ゴブリンはまだ余裕があるのかさっきまでの必死の形相からニヤニヤした顔へと戻っている。
このままでは拙い。何か隙を作る方法は・・・。
ゴブリンの短剣をギリギリで交わしつつ隙を探す。
(一人では勝てなくても、3人ならどうにかなる。そうだ!)
「二郎丸!遠吠え!その後噛み付きを使ってゴブリンの気を引いて!」
「ウワォーーーーーン!!」
ぐっ、凄い声だ。耳が痛い。
二郎丸がゴブリンに突進を始める。ゴブリンは僕と二郎丸とを見て防御を固め始めたようだ。
「るかに!ゴブリンの上半身を狙って「毛針を連射して!」
「はぁ〜ぃ。行くよぉ〜!」
隅で丸くなっていたるかにの毛が逆立ち、毛針が発射される。
ゴブリンは堪らず身を屈めるが短剣を二郎丸に向けて横に振ろうとしている。
「いまだ!」
僕はゴブリンの短剣目掛けて木刀を横薙ぎに振り抜く。
「ギキィーン!」
ゴブリンの短剣が弾かれ飛んでいく。
そこに突進して来た二郎丸の「噛み付き」がゴブリンの腹を食い破る。
「ギギャーーーーーーーーァ!」
トドメの一撃!
「うおぉぉぉ〜!!」
上段に構え頭から振り抜く。
ゴブリンは頭から緑の血を吹きそのまま倒れた。
そして15秒ほどで黒い煙と共にゴブリンの体は消えた。
(やった・・。何とかなった。)
『レベルアップップップ〜♫』
『レベルアップップップ〜♫』
レベルUPの歌が聞こえて来た。2回も・・・。
ウザい・・・。凄くウザい歌声だ・・・。
何でこの人が歌う事になったのか。
この人を選んだ奴は誰なんだ?
でも、ゴブリンは凄く強かった。少しでも何か間違えてたら全滅の可能性が高かった。
裏山ダンジョンの敵とは強さが全然違う。
ダンジョンごとに敵の強さが違うって事なのか?
「ご主人〜!助けに来てくれてありがとうだワン!」
シッポをふりふりしながら二郎丸が僕に飛び込んで来た。
「ゴン!」「ぎゃん!」
「くぅぅぅ。ジョ、JOLTの、カウンター。グハッ。」
閑話休題
「二郎丸!るかに!どうして君達はダンジョンに居るんだい?僕が寝てたから詰まらなかったかも知れないけど二人だけでダンジョンに入って良いと思ったのかい?昨日3人でダンゴムシにあれだけ苦戦したのを忘れたの?二人に何かあったら僕がどう思うか分からないのかい?」
「「・・・」」
「ご主人、ごめんなさいだワン・・・。」
「シュウ君。ゴメンなさい・・・。」
(るかにはともかく二郎丸はスキルを得てから暴走気味だな。嬉しい→はしゃぐ→暴走になってるよな〜。犬は嬉しい時は本気で喜びを表現するから犬族に気質なんだろうけど少し抑えないと今後が心配だよね〜。ここは心を鬼にして・・・)
「二人共どうしてダンジョン入っちゃったの?もう怒って無いから教えてくれる?」
「シュウ君〜。本当に〜ゴメンなさい。私がプカプカ〜ってしてたら少し流されちゃって〜、そしたら〜このダンジョンが見えて来たの〜。ジロちゃんは私を追い掛けて来てくれて〜、ダンジョンを折角見つけたから少〜しだけ中の様子を見てシュウ君に〜報告しようって〜。それで〜帰ろうと思ったらゴブリンが〜襲って来たの〜。」
「ご主人〜。本当にゴメンだワン」
「はぁ〜〜。本当に仕方無いな〜。二人共今回だけだよ。もしも次に同じような事があったらまず、3人で相談する事を第一にしよう。良いかい?」
「「ワン!は〜い!」」
「じゃあゴブリンの魔核を拾って撤収しよう。このダンジョンは僕等にはまだ早そうだ」
「二郎丸、晩御飯はカリカリ(ドッグフード)だからね。」
「ヒッ!・・。ワン・・・。」
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