対人戦闘決着
久方ぶりの更新ですm(__)m
本当に久方ぶりです
運が良いのは両者荷から離れたこと。
勿論辻斬りが荷を目的としてるのは変わらないし、淳達としても荷を傷付けられるのは困る。そう言った諸事情が絡み合い荷から遠ざかったのだろう。
「おぉっ!!」
距離を詰め剣を振るう辻斬りの一人、ニック。もう片方はニックから少し距離をおいて戦いの行方を伺っている。が、今や相手は一人では無い、互いに二対二となった今戦力の出し惜しみは出来ない。
パンッパンッ!!
破裂音が響き、ニックの身体が又もぶれる。直撃はしても鎧と魔術による物理防御によりたいしたダメージにはならない。が、魔術の詠唱もいらないそれはノータイムの為、ニックとしても多少の混乱を余儀なくされてしまう。
「音と同時か、マルセル!!遠距離の方の対処頼むぞ!」
「わぁってるよ、任せとけ!!」
ノータイムの攻撃に動揺するもダメージの微少と言う事実が、多少なりとも、マルセルやニックの判断を鈍くしてしまう。
「純一と遠距離の差し合いですか?」
「………さぁな」
「まぁ、僕としては構いませんけどね」
先程から距離を潰し、剣をぶつけ合う淳とニック。しかし、バルマーがやられたのもあり、若干ニックの攻撃はまだ見を優先した消極的なものだった。
〜淳達から少し離れた場所〜
パンッ!!
またも破裂音が響き、マルセルの足元に少量の砂埃が舞う、だがマルセルに動揺の気配は無く、冷静に対処しながら攻撃魔術を編み上げる。
「石矢!!」
無数の石の矢が形成され、マルセルの言葉を力に純一へと襲いかかる。数十からなる石矢は風切り音をたてながら、真っ直ぐ純一に殺到。左右大きく回避しなければならない程の攻撃範囲だ。
「さぁ、どうするよ!?」
純一の動きを見ながら、更に魔術を展開。次に備える。迫る石矢。マルセルの予想では相手は大きく回避行動に入るはず、それが右か左かの事。
が、しかし。
「土壁」
と、短い言葉の後に、純一を包む様に土の壁が出現、石矢は純一に当たる事無く壁に激突し砕け散る。
「なっ!?」
若干の予想外に声を上げるマルセル。しかし、戦闘は続く。直ぐ様気を取り直し展開中の魔術を発動。
「火球弾!!」
ボボッ!!
火球が10数個展開され、周囲を焼く。その間も火球は周囲の酸素を取り込み膨張。見るだけでも解るくらい威力が増していく。
「焼き付くせ!」
刹那。火球が高速で飛びだし純一の土壁に襲いかかる。一発二発三発………激突し熱風と炎を上げながら、次第に壁を抉り取って行く。段々と薄くなる壁。それを見ながらマルセルは次の魔術を展開。追い詰める算段を整えていく。が、意外な程に相手の反応が薄く、多少なりとも疑念をもつマルセル。だが、今は圧している、そんな疑念を振り払い攻撃に専念。火球を射出し土壁を抉りとる。
「さぁ、そろそろチェック何とかだな!?」
だめ押しと言わんばかりに更に火球を展開。射出して土壁を畳み掛けに行く。と、その時、マルセルの背筋に言い様の無い悪寒。ハッとなって土壁の方に視線を向けると、崩れかけた壁の一部から何が顔を出している。
アレハヤバイ………
本能がそう感じたその瞬間。
ドンッ!!
腹に響く重低音が一度だけ轟く。一瞬聞きなれない音に困惑するも、自身のヤバイと言う直感を頼りにマルセルは魔術と物理の障壁を展開。
が。
バキンッ!!
破壊音と共に、マルセルの障壁は紙細工の様に崩れ落ち。肩口に激しい激痛、鋼の鎧がへしゃげて何が貫通する。
「なっ!?」
何が起きたのか解らず驚愕。が、驚愕も束の間今度は太腿を激痛が襲う。衝撃に脚は後方に投げ出され、そのまま為す術無く前のめりに地面に崩れ落ちる。激痛にこらえながら何とか意識を保つも、魔術を構成するほどに集中は出来ない。
と、そこに。
「いやぁ〜、ヤッパリ対人用の狙撃銃の設定にしといて正解ッスね、ニシノ要塞戦の魔族の件もあったッスから手加減なしで行こうとも考えたんスけど……」
倒れるマルセルを尻目に純一が持っていた狙撃銃の銃身を一撫でする。
「で、これでチェックメイトッスね」
そう言って、マルセルをバルマーと同じ捕縛術式で拘束し笑みを浮かべる。
「さて、後は淳のみですね」
狙撃銃をなでながら、純一が一言呟く。
「…………糞、これで形勢逆転か」
「ですね、僕としては降伏をオススメしますが?」
一定の距離をとり、二人が言葉をかわすが、ニックは何も答えず剣をおさめることをしない。
「そうですか、吝かではありますが続きを……………」
と、言い終わるより早くニックが動き出す。身体向上の魔術で上がったスピードで一気に距離を詰め、有無も言わずに剣を振るう。
「……………………」
無言。何も言わずただ剣を振るうニック。その剣速はかなりのモノで、余り余裕を持って回避できるものではない。
「でも、避けられない訳でも……………」
「無いと思った貴様の油断だ!」
小さく呟いたつもりが、見透かされたかの様にニックが言葉を発する。すると、横に振るわれていた剣の起動が、咄嗟に直突きに変わり淳の心臓へと襲いかかる。
「うっ……………」
流石に虚をつかれる形になった淳は反応が遅れ、バックステップで後方に下がるもののニックの突きはそのスピードに追いすがる様に接近してくる。
迫る敵の一矢。
まさに絶体絶命、ニックが淳の苦悶の表情を確認しようとしたその時。
「流石に焦りましたよ、やはり元B級ですね、魔物とは一味も二味も違いますね」
淳がそう言って心臓に突き立った筈のニックの剣に視線を向ける。
「糞ッ!!なんだこれはっ!!」
確実に捉えた一撃。しかし、ニックの一撃は淳には届かない。そこには心臓にピンポイントで張られた防御障壁が展開されていた。
「やりやがる!」
悪態を吐きつつ、今度はニックがバックステップ。が。
ドンッ!!
重たい破裂音が一発響き渡り、そのままニックは尻餅をつくように地面に倒れ込む。
「ぐっ……」
撃たれた脚を抑え、今も広がる血だまりから淳を睨み付ける。
完全に勝敗は決する。




