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選択肢  作者: ひなた
金子恋ルート
57/389

「いいよいいよ、頑張るねえ。じゃあ、もっともっと熱くして貰えるかな。あははは」

 隆先輩はかなり楽しそうに、追加注文してきた。今の状態でも火は凄く強く燃えてるのに、何で笑ってるんだよこの人…熱くはないのか…?それにこれが俺の、全力なんだけど!どうしよう。


①頑張る ②諦める ③聞いてない


ーこれは③になってしまいますよねー


 俺は隆先輩の不吉な言葉を聞いていないことにし、そのまま吹き続けた。

「どうしたの、全然変わってないじゃないか。まあいいや、長風呂は好きじゃないからそろそろ出るね」

 隆先輩が言って来る、今日は何かいつもと性格違くないか…。んーっとまあ、気にしないってことでいいかな。どうしよう。


①梯子用意 ②梯子ポイ ③聞いてない


ー今回は聞いてもいいでしょう?ってことで、①にしましょうー


 俺は急いで梯子を用意した。

「有難う、ちゃんと押さえてよね?」

 隆先輩がやはり隠しもせずに、梯子を下りてくる。どうしよう。


①ちゃんと押さえる ②目を瞑りながらも ③キャッ!


ーはい、②に致しましょうー


 俺はやはり見たくないので、目を瞑って梯子を押さえていた。        

「もう服着たよ、いつまでそんな所にいる訳?てか男同士なんだし、別によくない?」

 隆先輩が言ってくる。どうしよう。


①え… ②嫌だ


ー変わらないと思いますが、まあ一応①にしますかー


「え…」

 俺は恐る恐る目を開いた。

「ちょっと、何でそんなに汚物を見るような目をするの?可笑しくない?別に男同士だし、何がそんなに嫌なのさ…」

 隆先輩は迫ってくる。どうしよう。


①放心状態 ②何とか逃亡 ③死亡


ーここは②を、頑張って貰いましょうー


「待ってると思うんで、先生呼んできますね!」

 俺は抜け出し、猛烈ダッシュで皆のところに戻って行った。

「おっ早いな、隆がそんなに早いなんて珍しい」

 戻って来た俺を見た先生が、本当に珍しそうに見ていた。何でそんなに…?

「そんなにあいつの機嫌を損ねさせるようなことしたのかよ、まあお前はやっぱ凄いや。隆に攫われた男子生徒達は、皆幸せそうに戻って来るってのに」

 どうゆうことだよ!

「先生、この子のり悪いです。どうにかならないんですか?」

 渋々と言った感じに、後から隆先輩がやって来た。

「そうか、まあ早かったことで分かるよ。んじゃ、最後あたしが入りに行くぞ。お前ら、覗こうとするなよ。素直に言ってくれれば、大人なあたしが大人の楽しみ方を教えてやるから。恋、行くぞ」

「え、はい…」

 今度は先生と恋が森の奥に消えていった。

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