れ
バスでの移動の間、恋はずっと眠っていた。いつもは少し少年っぽいな雰囲気だが、寝顔はやっぱり女の子だな。恋の黒髪が一部跳ねていて、バスが揺れるたびに俺の首元を擽った。
***
「着いたぞ、お前ら起きろ!」
俺は先生の声で目を覚ました。俺も寝ちゃってたのか…。どうしよう。
①恋を起こして降りよう ②恋は先生に任せて、先に降りよう ③二度寝
ーここも①を選びましょうかねぇー
「恋、もう着いたってよ。起きて」
俺は恋の体を揺すった。すると恋は目を手で擦り、一つ大きな欠伸をしてからこっちを見た。
「もう着いたのか?よし、行くぜ!」
恋は行き成りテンションマックスに立ち上がると、俺の手を持って超高速でバスを降りた。
「体力作りの為に、山登りだ!ほら梨花、ヤル気だせ」
先生は荷物を俺達に返し、同じように先生の荷物を俺達に持たせてテクテク歩き出した。ズルいな、あの人…。どうしよう。
①荷物は運んであげる ②返品 ③置いてく
ーここは②を選びましょー
「先生、自分で持って下さいよ」
俺は先生に返そうとしたが、先生はヒョイヒョイかわして行く。そりゃ大量に荷物持ってる俺と、手ぶらの先生じゃ差は出るわな。
「さきちんにだけ楽はさせないから」
さっきまで気怠そうに突っ立っていた梨花が、スイッチが入ったかのように先生の元へ走って行った。しかし先生は、するする逃げ回る。
「何だ梨花、元気じゃないか。その調子で頑張ってくれたまえ」
先生は少し上まで走って登って行き、梨花に向かってベーッと舌を出した。先生、もう三十過ぎてるってのに元気だねぇ。
「藤山先生の荷物、ここに置いてっていいんですか…」
隆先輩は、脅すように言った。言い方怖い…。本当に、凄い怖いんだけど…。
「ふふふふ、残念だったな隆。その手には掛からんからな。置いてけるもんなら、置いてってみろっ!」
先生は「がははは」と豪快に笑い、そのまま走って行った。すると隆先輩は、本当にその場に置いた。
「他の人も置いてっちゃいなよ」
隆先輩が言ってきた。どうしよう。
①任された分は持ってく ②置いてく ③全員分持ってく
ーここも②を選びましょうねー
俺は隆先輩に従って、先生に渡された荷物をその場に置いて登って行った。皆は次々に先生の荷物は放置し、自分の荷物だけ持って登って行く。
「ちょっお前ら!何ホントに置いて行こうとしてんだよ。分かった、自分で持てばいいんだろ?」
先生は渋々といったように荷物があるところまで下って行き、自分の荷物をちゃんと持ってから登って来た。しかし、何でそんなに沢山あるんだろう。




