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僕らの青春  作者: はるきち
第一章 高校一年生編
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プロローグ

新連載『僕らの青春』

青春。


その言葉を聞いて、何を思い浮かべるだろう。


部活動、文化祭、体育祭。


放課後の寄り道。


友達とのくだらない会話。


そして――恋。


少なくとも、当時の俺にとっては、そんなものはどこか遠い世界の話だと思っていた。


高校生になれば、自然と何かが変わる。


そんなことを言う人もいるけれど、実際はそう簡単じゃない。


毎日学校へ行って、授業を受けて、友達と話して、家に帰る。


そんな普通の日々が続いていくだけ。


俺――水瀬湊も、そう思っていた。


特別な才能があるわけでもない。


目立つような性格でもない。


成績も運動も、良くも悪くも普通。


自分で言うのもなんだが、俺はごく普通の高校生だった。


……あの日までは。


「ねえ、湊」


聞き慣れた声が、隣から聞こえた。


振り向く。


そこには、楽しそうに笑う女の子がいた。


天野乃愛。


明るくて、可愛くて、誰とでもすぐに仲良くなれる。


俺とは正反対のような女の子。


そんな彼女が、当たり前のように俺の隣にいる。


「どうした?」


「今日、一緒に帰ろ?」


「……また?」


「また!」


乃愛は満面の笑みを浮かべる。


その笑顔を見るたびに、俺はいつも思う。


どうして、こいつはこんなにも楽しそうなんだろう、と。


そして――どうして俺は、そんな乃愛の笑顔を見ると、少しだけ嬉しくなるんだろう、と。


当時の俺には、その理由が分からなかった。


いや。


分かろうともしなかったのかもしれない。


俺たちは、まだ知らなかった。


これから始まる日々が、決して「普通」では終わらないことを。


笑ったり。


泣いたり。


喧嘩したり。


誰かを好きになったり。


誰かに好きだと言われたり。


時には、大切な友達との関係さえ変わってしまうこともある。


そんな毎日を、俺たちは過ごしていく。


そしていつか振り返ったとき。


きっと思うのだろう。


「あの頃は、楽しかったな」と。


これは、特別な誰かの物語じゃない。


完璧な青春を送った人間の物語でもない。


不器用で、迷って、何度も間違えながら、それでも前に進もうとした。


そんな俺たちの――


僕らの青春の物語だ。

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