第1話 - 特別
「今日は全国的に晴れるでしょう。」
「いや、今日は午後から雨が降るな。傘を持っていこう。」
俺は昔から「第六感」を持ち合わせていた。こんな風に、天気とか少し先の未来とかが分かる。
「お母さん、行ってきます。」
「…」
うちの母親は最近こんな感じで一切話さず元気がない。お母さんはインフルエンサーをしていて、俺が生まれてすぐに価値観の違いとやらで父親と離婚した。少し前までは普通だったがここ最近明らかに様子がおかしい。今までにないほどの"嫌な予感"がした。
学校が終わり、家に帰るとやはり俺の予感は的中した。俺が家に入ると、母は耳を押さえて暴れまわっていた。
「やめて!もうやめて!そんなこと言わないで!」
どうやら幻聴が聞こえているようだ。鎮めようと近づいたが異様に力が強く投げ倒されてしまった。
すると、ピアノの音が家の外から聞こえた。次第に音は強くなり、窓ガラスが震える。次の瞬間、玄関の扉が開いた。きれいな女性が宙に浮くピアノを弾きながら家に入ってきた。その音色はとても美しく聴き惚れてしまった。そんな間に母は正気を取り戻しており、その女性が俺に話しかけてきた。
「あなたのお母さんは感覚逸脱体という者になっているの。」
「感覚…逸脱…体?」
「そう。今は直ったように見えるけど実際は完全に直ってはいない。一時的なものよ。」
「そしてあなた第六感の保持者ね。あなたには感覚逸脱体対処組織『RE:CORE』に加入してもらうことになる。私はその組織の一員で聴覚特化者という分類なの。私みたいな感覚特化者では感覚逸脱体を完全に直すことはできないの。それをできるのはあなたのような第六感の保持者のみ。」
「そんなこと急に言われましても…」
「まあ、これは宿命よ。私についてきなさい。」
そう彼女は言って、半ば強引に連れて行かれた。
連れて行かれた場所はめちゃくちゃ大きなビル。中に連れて行かれ偉そうな人達が6名ほど座っている真ん中に俺は立たせされた。
「私はRE:COREの総括、東雲波琉太だ。古屋正人、君は今日からこの組織の一員だ。」
「はあ…。あの…俺が第六感を持っているのは小さい頃から知ってたけど、それで俺に何ができるの?」
「お前のような第六感の保持者には核の再構築ができる。つまり、感覚逸脱体を完全に直すことができるということだ。」
「でも、俺にそんなことはできないよ?」
「できるようになる。そのために鍛錬しろ。」
「マジか…」
「とりあえずお前には仲間をつけるから、そいつのとこまで案内してやってくれ、歌見。」
「わかりました。では古屋さん、行きましょうか。」
そして古屋正人は歌見について行った。
「あの…お名前は…?」
「歌見聖菜です。」
「あ、歌見さん。歌見さんって聴覚特化者なんですよね?」
「そうよ。まあ私は聴覚特化長だけどね。」
「てことは、視覚特化者とかもいるんですよね?」
「もちろん。五感それぞれいるわ。」
「なるほど…」
「あなたの仲間としてつけるのがまさに視覚特化者よ。」
「そうなんですね!」
「視覚というのは五感の中でも重要度が高いからね。感覚逸脱体も視覚逸脱が多いの。だからまだ未熟なあなたにとって心強い仲間になるわ。」
「なるほど!」
「よし。着いたわ。」
歌見が部屋のドアを開けた。すると若い男の人が立っていた。
「よう!お前が古屋正人だな。俺は夏目瞬だ!よろしく!」
「よろしく…お願いします…!」
「お前、第六感の保持者なんだってな!心強いぜ!」
「いや、俺はまだ何にもできないですよ。」
「まあ俺が鍛えてやるから安心しろ!とは言っても俺に第六感はないから感覚的にしか教えられないけどな!どーせ第六感の保持者なんてお前と東雲さんくらいだから他の誰が教えたって一緒だよな!」
「え、第六感持ってる人って総括のあの人だけなんですか?!」
「この組織ではそうだな!お前みたいに一般に紛れていたりもするが、そういうやつはこうやってRE:COREに無理やりでも連れてこられるな!」
「そうなんですね…」
「じゃあ、とりあえず五感について、感覚逸脱体について、そして第六感について理解してもらいたいんだが…、口頭で伝えてもわかりにくいから俺の任務にお前を連れて行く!百聞は一見にしかずだ!」
「え〜!マジですか…。俺やられないですかね…?」
「安心しろ!もちろんお前のことは俺がしっかり守る!」
「(大丈夫かな…)」
「では、さっそく行くぞ!」
第1話 - 特別 ー 完 ー
最後まで読んでくださりありがとうございます!
2作品目となるこちらの作品ですが、短編ではなく連載となっています!投稿頻度は遅めになるとは思いますが、ご理解お願いします!皆さんのリアクションが励みになりますので是非反応お願いします!




