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09

ご無沙汰で済みません。

続きのお届けです。

うっかり2月もサボってしまいました。

ズボラでゴメン囧rz

──まるで何もなかったように…。

平然と朝の挨拶だけ交わして任務に就くウィケッドを皮肉りたくなって応接へ座らせた。

別に特別な用があった訳でも、話があった訳でもなかった。


目の前に昏倒した人物をたっぷり時間を掛けて観察する。

本当に薬で落ちたのか確認する為でもあったけれど、多少取り込んでしまった麻痺薬の効果を遣り過すのと、少なからず感じた動揺を収める為でもあった。

背後から首に腕を回したら、とんでもなく華奢な肩や胸板が腕の感触に残って、直ぐにその体が女性だと知れた。

──寧ろ何で解らなかったのか不思議な位…。

そう知れて見れば間違い様もなく、何処も彼処も特徴は女性を示していた。

華奢な手、薄い胸に小さな背中、細い腰から続く線。

すぐ隣にしゃがみ込んで肩に手を掛ける。

ぐいと力を込めるとあっさりと寝返りを打つ様に仰向けに転がる。

──細い顎になだらかな喉。

「驚いたな。何でこれで男だと思い込めたんだ?」

手を伸ばすと上着のボタンを外す。

開いて見ればこれでもかと武器が仕込まれている。

ベストと中のシャツのボタンまで全部外すと、その下に飾り気のない下着に包まれた紛れもない女性の身体が現れた。

袖から覗く帯を解くと細やかな音を立てて長針が落ちる。

腰の革のベルトごと剣も外してしまう。

苦笑を浮かべて両腕を引っ張り上体を起こす。

背中を支えながら上着とベストとシャツを一度に肩から外して脱がせると、背と膝の裏に手を差し入れて抱き上げて直ぐ近くの寝台の上へ運ぶ。

寝台の上でブーツを脱がせるとそこからも短剣が零れ落ちた。

「全く、本当に何れだけ武器を仕込んでるんだ。」

可笑しくなってきて笑みが堪えられない。

ズボンの裾の帯を解くと其処にも暗器が仕込まれていて、一層笑いを誘う。

そしてズボンのボタンを外して手を掛けると、一気に足から引き抜いた。

手に残ったズボンがずっしりと重いのは仕込まれた武器のせいだ。

その感触を確かめて含み笑いをこぼす。

「これだけ仕込んでれば日々軽く鍛錬並みの重さだろうに。」

そして視線を寝台の上に据える。

「私の目は節穴か?」

其処には短い下着からすらりと伸びた細い足、思った以上に華奢で色の白い可憐な女の子の姿があったのだ。

右太腿には取り損なった短剣が残されていて笑いを誘ったが、それが無かったら先程までの遣り取りを忘れてしまいそうな様子だ。

手にしたズボンを寝台の端に置いて、側に寄ると相手が意識のないのを良い事に存分に検分する。

──表情の印象が薄いのは長い前髪のせいだったか、気付けば口元しか見えていなかったな。そう言えば瞳の色も知らないな。

額に掛かる髪を手で梳く。

思ったよりも心地よい、癖のない真直ぐな黒髪だ。

首の後ろで結わえた組紐を解くと艶めいた輝きが広がる。

「綺麗な髪じゃないか。こんな雑に扱って勿体無い。」

それで口許に狡賢い笑みが浮かぶ。

「弱味を握るのも俄然楽しくなってきた。」

指先で頬を撫でながらその感触を楽しむ。

そして視界に映る邪魔な武器を取り去ろうと太腿の短剣を仕込んだ帯を外す。

──これで全部かな?

一通り視線を巡らせると、足先に目を留める。

左足の土踏まずの辺りに包帯が巻かれている。

「怪我でもしているのか?」

けれど先程までの身のこなしは負傷しているようには見えなかった。

──また暗器でも仕込まれていては敵わないからな。

足の甲に手を掛けて包帯の端を引いた。

「あ?…これは……。」

其処にあったのは怪我でも暗器でもなく、色彩豊かな紋章だった。

彼女の小さな足の裏には花なのか星なのか、何かを模した紋章が描かれていた。

緻密な線、狂いのない図案は名のある者が施した証拠だろう。

──消えない絵、刺青か…。待てよ。これは…。

もう一度良く見ようと足を手に取る。

「嘘だろ…。」

思わず零れ落ちた言葉とともに、彼の表情もまるで今までのものとは違うものになっていた。

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