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【第一部完結】魔女として断罪された悪役令嬢は婚約破棄されたので魔王の妃として溺愛されることを目指します  作者: 中臣悠月
第四章 魔王の国を改革するための第一歩! 採用試験で自由に職業選択できる世界を目指します

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37 ヴィネ様からの突然の告白

「私は、時々考える。我が一族がこの島に渡って来たことが、すべての……この血塗られた歴史の元凶だったのではないか、と。我々が渡って来なければ、もともとのこの島の住人たちは、平和に暮らすことができたのではないか、と」


 苦しげな表情を浮かべて、自問自答するヴィネ様に対し、今度は、自信を持って答える。


「そんなことはありません! ロマリエル王家が、この島に渡って来ようと来なかろうと……遅かれ早かれ、聖カトミアル王国は、この島の存在を知ったことでしょう。そして、ロマリエル王家の存在がなかったとしても、何らかの言いがかりをつけて、聖カトミアル王国はこの島への侵略をはかったはずです!」

「そうだろうか……」

「はい。これだけは、自信を持って言えます。ヴィネ様の一族に咎はありません!」

「……ありがとう」


 ヴィネ様は、立ち止まると、私の方へと身体を向ける。


「不思議だ……。私は、これまで、誰に対してもこんな悩みを口にしたことなどない。セパルにもだ。

 しかし、そなたを前にすると……なぜか、自然とこのようなことを相談できる。これまで誰にも話したことなどなかったのに、不思議だ。やはり、そなたが持っている、前世の記憶と豊富な知識とやらが、そうさせるのだろうか」


「ありがたき幸せに存じます。そのようにおっしゃっていただけるなど……。望外の喜びです。どうか、何もかも一人で抱えこもうとしないでください、私の前世の知識で、どれだけのことができるかはわかりません。それでも、私は、できる限りの力で、ヴィネ陛下、あなたのことを助け、支えていきたいと思っているのです」


「それは、妃候補の話を正式に受けてくれる答えだと、そういう意味に受け取ってよいのか?」

「え?」

「私の隣に立って、この国を一緒に治めてくれる、という意味だと……そういう答えだと受け止めてよいのだろうか?」


 トクンと、心臓がまた波立つ。


「あの……、妃候補とは……便宜上のものではなかったのですか? あの会議の場で、重臣たちをとりあえず納得させるための、便宜上ものでは……?」

「そなた、まさか、本気にしていなかったのか? 今の、今まで」


 ヴィネ様が、一歩、私へと距離を詰める。


「どう言えばいい? ああ、どう言ったら、わかってくれるのだ? 私は、今までこんなことを習ったことがないぞ。帝王学の中には、こんな科目はなかったのだ。しかも、政略結婚の道しか、私には許されていないと思っていたのでな。ああ、騎士たちにでも聞いておくのだったな。貴婦人に対する愛の囁きとは、どのようにすべきなのか、と」

「あ、愛の囁き……!?」


 思わず、声が裏返ってしまう。


「政治的には、私の結婚をこの小国を救うために使うのが得策であると、わかっている。重臣たちが言うことはもっともだと、頭では理解してはいるのだ。それでも、私は、そなたを諦めたくない」

「諦めたく……ない……?」


 それは、言葉通りに受け止めていいのだろうか。

 私が、ヴィネ様に求められているのだ、と。


「私も、この道には疎い方だと思うのだが、そなたも大概鈍いのだな。

 その、つまり……、誰か他の者を正妃にして、そなたを側女にするというのでは嫌なのだ、私は。

『そなたを正妃にしたいと思っている』、そう言っているのだ」

「え……!?」


 突然の、思いも寄らぬ告白に、心臓が激しく鼓動を打つのを通り越して、もう、息が止まってしまいそうだ。

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