7 まずは台所から改革しましょう! 新メニューの提案です
私は、ベルクに提案してみることにする。
「あと、道具ではなく、メニュー自体の改善案があるのですが、申し上げてもいいですか?」
「どうぞ、なんでもおっしゃってください」
「トランショワールのように焼いて時間が経ったパンではなく、焼きたてのパンの間に肉を挟んで食べるのも、なかなか美味しいのではないかと思うのです。それに、忙しくてテーブルについて食事をきちんと取る時間はないけれど、お腹がすいて仕方がない、という時にも、サッと手軽に小腹を満たせると思うのですよね」
「トランショワールごと食べてしまうのですか!? 家畜に与えず……ええと、陛下にも、そのメニューをお出しすると?」
前世の私は、お目当てのゲームがリリースされれば、サンドイッチ片手に、ゲームに熱中したものだ。
忙しい時には、片手で持って食べられる食べ物というのは、とても便利で重宝するものなのだ。
しかし、ベルクは怪訝そうな表情を浮かべたままである。
その表情からは、「そんな貧民が食べるようなものを陛下に?」というベルクの不安が読み取れる。
「はい、手が汚れないので、仕事をしながらでも召し上がっていただけるかと思います。パンと肉で余っているものは、ありませんか?」
実際に食べてもらった方が、話は早いだろう。
私は、朝食用に焼かれたパンの中央にナイフで切れ込みを入れる。
まだ肉は焼き上がっていなかったので、とりあえず、ソーセージをその中央に挟む。
即席ホットドッグのできあがりだ。
「どうぞ、お召し上がりください」
ベルクは、恐る恐る口を開けると、即席ホットドッグに一口かぶりつく。
「や、これは……、美味しいですね!」
(いや、これまでパンと肉を別々に食べていただけで……、一緒に食べれば美味しいのは当たり前なんだけどね。この世界のマナー的にどうかは置いておいて)
「それに、これなら片手で食事を取りながら、片手で書き物をすることも可能かと思うのですが、いかがでしょう? 陛下はお忙しい方なのでは?」
「なるほど、確かに! 公務でお忙しい時、ヴィネ陛下にお出しするメニューにいいかもしれませんね」
「夜食として、寝室にお持ちすることもできるかと思います。今は、即席でソーセージを挟みましたが、焼き立ての肉を挟んだ方がより美味しいかと。魚も合うと思います」
「確かに。そうですね、料理人たちにメニューを考案させてみましょう」
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