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ぼくの恋愛武勇伝。突撃編  作者: ホーリー
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第1章

 2016年3月14日にホーリー史上最強武勇伝が生まれたので、長くなりそうだけども今から執筆を始めます。最高のコメディ。


(「章」というのは郵便局に行った回数であり、とりあえず全4章です)


武勇伝、第1章。


 2月の終わり頃、僕は近所の郵便局へ出かけた。住む部屋の契約を更新するため、保証人である母に書類を送る必要があったのだ。郵便局なんて、引越してきた当初に先住人宛のあれこれが届いてくるのを毎度持って行ってた時以来だ。まあ結果的に、その先住人T君とバンドを組むことになったんだったな。しかし今回その話は端折る。


 小さな局内、受付には新人の腕章を着けた女性が立っていた。


「すみません。これを、郵送お願いします」


 僕は封筒を鞄から出す際、女性を少し見た。黒髪に眼鏡、いかにもお硬いといった印象の鋭い眼。そして服の上からでも十分わかる、何と言うか、体の張り。僕からみた第一印象は、本場所の土俵に向かう横綱、朝青龍関であった。凛としてドルジ。


「貴重な物の場合は、郵便書留をおすすめいたします。5万円以下の場合は簡易書留…云々」


 丁重で明快な説明ではあるが、温度を感じない。おそらく頑張って覚えた文言をそのまま喋っているのだろう。だからか、ほとんど表情が無い。きっと必死なんだろうな。僕はそう解釈したので、彼女の態度は不快でなく、むしろ真面目さが好印象だった。


 一生懸命だし、ちょっといいな。この娘。そう思えただけに、どうせ母しか見ないだろう、とギリギリ読めるレベルのクソ汚い字で書かれた宛名が恥ずかしい。僕は書道をやっていたこともあり、書く気になればそれなりの字は書けるはずなのに。これをマーフィーの法則という。


「じゃあ、簡易書留でお願いします」

「450円になります」マジか。そんな高いんか。嵌められたぜ。


「あ…ちょっと底のところが濡れているので、補強しておきますね」


 そう女性が言った時、僕も気付いた。持ってくる際、封筒を弁当と一緒くたに鞄へ突っ込んでいたのだ。こりゃあ第一印象から致命的である。彼女は僕の粗雑さを包むように、丁寧にセロハンテープを貼ってくれた。


「ご丁寧に、ありがとうございます」よし。こうなったら笑顔で悪印象を塗り潰す。僕は全力で紳士的な表情をつくり、快く450円を支払い、受領証を優しく受け取って局を後にした。まあ塗り潰せてはないわな。


 受領証。自宅に戻り、なんだこんなもん、と思って眺めていると、受付担当者の名前が印字されていた。あの娘の名前、Nさんか。あそこで書留をすすめられて、頼んでいなかったら、知ることも無かったのかな。笑ったらどんな顔になるんだろう。

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