異世界事情②
今回も説明回。少し短め。
2020/8/20 改稿
お金の確認が済んだので、次は一緒に入っていたカードを取り出す。
これは所謂【ステータスカード】というやつで、この世界では身分証明書になるものだ。10歳になれば誰でも教会で銀貨1枚で発行してもらえる。
ステータスカードと言っても記載されているのは名前、年齢、ジョブ、犯罪歴くらいで、ゲームみたいに能力値やスキルのようなものが表示される訳ではないらしい。
この世界の人は多かれ少なかれ魔力を保有しているので、その個別のパターンをカードに登録すると、本人が触れることでカードに登録情報が表示される。
各種手続きの際には本人が触れたものを目視確認するか、専用の読み取り機で登録内容を読み取るらしい。
早速カードに触れてみると俺の登録情報が表示された。
名前:ノブヒト=ニシダ
年齢:17歳
ジョブ:万能戦士
犯罪歴:なし
ジョブというのは所謂職業のことで、複数取得することもできるようだ。このジョブによって職業の習熟度や使用する道具の性能に差が出てくる。
例えば【剣士】なら剣の習熟度が高く、性能をフルで発揮出来るが、【騎士】のように盾を使ったりフルプレートメイルを装備してもその性能を100%発揮することは出来ない。
俺のジョブ【万能戦士】はその名の通り、あらゆる武器を平均以上に使いこなせるが、それぞれの専門職に比べると習熟度、性能は劣る器用貧乏のようなジョブらしい。その代わり場面に応じて武器の持ち替えが可能なため、適応力は高いと思われる。
とりあえず能力と荷物の確認は出来たので、そろそろ移動することを考えないといけない。
俺はアイテムボックスの中から紐付きのバッグを取り出して肩に担ぐと、どの方向に進むか決めるために改めて辺りを見回した。