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再誕した勇者は誓った復讐を成す為、血塗られた道を進む  作者: YUU
序章

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24 エピローグ

 行列に並び始めてから少しの時間が経った後の事、暇な時間が出来たからだろうか。隣にいる彼女の姿を見ながらふと考えてしまう事があった。


 ----俺とクラリスの関係、それを言葉にするのであればどんな言葉だろうか? 


 最初の出会いは偶然だった。そして、何の因果か、クラリスの境遇を知り、彼女の抱える復讐心を知った。そして、彼女は俺と共にこの血塗られた復讐の道を歩む事を決断した。

 ある意味、成り行きという形ではあるが俺達は復讐という一つの目的で繋がった者同士だ。

 それならば、俺達の間を繋ぐ言葉を考えるべきなのかもしれない。


 そんな事を考えているとクラリスが俺の顔を覗き込んできた。


「アークスさん、何か考え事ですか?」 

「ああ、少し思う事があってな」


 そして、俺はクラリスに考えている事を伝えた。


「私たちの関係、ですか?」

「ああ」


 俺はクラリスの言葉にそう返事を返すと、自分と彼女の関係を表す言葉を考え始めた。


 友人? 違うだろう。こんな歪な関係性で繋がっている相手を友人と呼べる訳が無い。


 仲間? これも違うだろう。それに俺はかつての仲間に裏切られた身だ。故に彼女との関係を仲間という言葉にしたくはない。


 主と従者? これでもないだろう。俺たちは復讐という一つの目的の為で繋がっている同志だ。そこに主従関係を持ち込む事自体が相応しくないだろう。


 ならば、俺たちの関係を示す為に相応しい言葉は何なのだろうか。


「……共犯者、か」


 そして、考え込んでいた俺の口から零れたのはそんな言葉だった。


「共犯者、ですか?」

「ああ、それが俺とクラリスを繋ぐ言葉だ。どうだろうか?」


 友人でも仲間でもなく、ましてや主従という関係でもない。復讐というただ一つの目的の為に共に歩み、復讐の果実を共に食むのであれば、一番相応しいのは共犯者という言葉だろう。


「共犯者、共犯者ですか。そう、ですね。それが良いと思います」


 クラリスも俺の言葉に納得したような表情を浮かべた。


「では、これからよろしく頼む。俺の共犯者」

「はい、こちらこそよろしくお願いしますね。私の共犯者さん」


 俺達は互いにそっと手を合わせたのだった。




 そして、それから少しすると目の前の行列も少しずつ前へと進んでいき、遂に俺たちの番が来た。

 俺たちは平静を装いながら、門を警備している衛兵の元まで向かう。

 

「お前、名前と職業、この街から出る理由は?」

「名前はアークス、職業は冒険者、街から出る理由は別の街へ拠点を移す為だ」


 そう言いながら、俺は冒険者カードを衛兵へと見せる。冒険者であれば、拠点を移すのも珍しい事ではない。衛兵は特に怪しむ素振りを見せる事は無かった。


「なるほど。では、そっちの女は?」

「この人の妻です」


 クラリスの言葉に俺は思わず目を見開き、彼女の方へと視線を向けるが、当のクラリスは動揺する事なく微笑を浮かべている。

 すると、彼女は俺の視線に気が付くと、人差し指をそっと口元に添えた。


(黙っていろ、そういう事か……)


 その一方で衛兵はクラリスが言った、妻という言葉を信じたようだ。


「そうか、普通の冒険者であれば流石に事件とは関わりが無いか……。よし、問題なしだ」


 その後、俺たちは軽い身体検査を受けるが、身軽な事もあってか、比較的早く衛兵の検査を抜けられた。


 そして、クルストの街から何事もなく出る事が出来た俺は体を伸ばす。


「さて、やっと街から出られたな」

「長かったですね……」


 宿を出たのは朝だったというのに、今の時刻はもう昼前だ。その事実だけで俺たちがどれだけ待たされたかが分かるだろう。


「しかし、流石に驚いたぞ」

「何の事ですか?」

「さっきの衛兵との話だ。まさか俺の妻を自称するなんて思わなかったぞ」


 すると、クラリスはクスクスと笑みを浮かべた。


「だって、そう言えば怪しまれないかと思って」

「……まぁ、そうだな」


 実際、グスタフの奴隷だったというのは流石に名乗るわけにはいかない。だからと言って、パーティメンバーと名乗ると、冒険者カードの提示を求められるかもしれない。

 となれば、妻と名乗っておくのが一番怪しまれないのだろう。すると、


「ふふっ、本当に私がアークスさんの妻になってもいいんですよ?」


 そう言いながら、クラリスはクスクスと笑みを浮かべる。正直、クラリスはとても魅力的な女性だ。今よりも更に身なりを整えればそれこそ、街を歩いているだけでも数多の男性から声を掛けられるに違いないだろう。

 しかし、俺はクラリスの言葉を忘れる様に首を横に振る。それらの事を考えるにしても全てはこの復讐が終わってからだ。

 それが終わるまではそんな事を考えてはいけないだろう。


「馬鹿な事を言ってないで、早く行くぞ」

「はーい」


 そして、俺たちの復讐の旅の次なる舞台へと歩みだすのだった。

これにて今章は終わりとなります。また、書き溜めも尽きたので、一旦ここで完結扱いとさせていただきます。


一応、今後の構想もある為、執筆が出来たら、次章の方を投稿する予定です。


拙作が面白いと思っていただけたら、ブクマや評価を入れていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

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