ネズミ駆除
ネズミ公の屋敷を偵察に行かせた部下から報告を聞いたレイはすぐに屋敷に向かった。屋敷の敷地に船員の乱闘現場にいた馬車があるというのだ。しかし、場所はネズミ公の屋敷。おいそれとは入れる場所ではない。それに、入ったとして太平の場所を特定できるとは限らない。しかし、この事態を招いたのは自分の責任だ。レイは自分ができることのすべてを考え、それを実行する決心をした。
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最期の覚悟を決めた俺は、奴の耳を解放すると奴に血が混ざった唾を顔に吐き捨てた。しかし、目をつぶって待つものの最期の時は訪れなかった。
ドアの開く音に部屋は静まり返る。
そのドアを開けた主はレイだ。後ろにはレナの姿も見える。
「なんだ!きさっ・・。」
言うよりも早く、レイは男たちを切りつけていく。もちろんレナもでありその動きはとてつもなく早い。壁を蹴り、部屋の端から端まで飛ぶように動いていく。残るはネズミ公一人。
「貴様ら、私が誰かわかっているのか!」
ネズミ公は叫ぶが、レイは静かに答える。
「知っている。ネズミ団の親玉だ。」
そういうとレイはネズミ公を斬った。
「あがが。」
もがく声とともにネズミ公は床に倒れた。その倒れる音はその巨体も相まって大きく、部屋に響いた。拘束を解かれた俺はレナに抱え上げられる。外に出ると、そこには大勢がいた。海防騎士団だけでなく、海事組合や船乗りたちまでもがいたのだ。
俺の姿を見た瞬間、歓声が上がる。俺は太陽のまぶしさを感じつつ体中の力が抜けていった。
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再び俺が目覚めたとき、すでに丸一日の時が経っていたらしい。レナによればレイは今回の件で方々を頼みに回ったらしい。屋敷を強襲するにあたり人海戦術をとったのだという。確かに船員たちも日頃から海賊と戦い戦闘能力はあるのだ。今までも何度か武勇伝を聞かされてきた。
「それで、レイさんは?」
俺としてはそこまでしてくれたレイにお礼を言っておきたいと思ったのだ。あれだけに人数が集まるのはレイの人脈もあるのだろうが、かなりの船を回ったりしたのだろう。
「今は王城に行って報告させられているのにゃ。」
あれだけの事態になったのだ。団長としての仕事も大変なのだろう。いつ帰ってくるかわからないが、お礼を言うのはそのときにしよう。
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あの日、ネズミ公が死んだことによってネズミ団の勢力は急速に衰えていった。ボスであり、金の出どころである男が死んだのだ。いまだに残党がいるとされているが、そいつらも自然に消滅していくだろう。




