勇者と魔王
そして時間は、現在に戻る。
「じゃあ、今度は僕から一つお願いしていいかい?」
「はい、貴方のお願いなら何でも聞きます」
「あの時とは、逆になっちゃうね。僕の、いや、神の従者になってくれるか?」
「はい、喜んで」
この時、俺は、念願だった。この人の従者になったのである。
「僕の事は、シンと呼んでね。では、始めの任務だよ、和の国で1年後に、開催される大会に優勝して、代表になるんだ」
「はい、承りました」
「ああ、そうそう、白夢ちゃんから伝言あったんだ」
「白夢とは、誰ですが?」
白夢どっかで、聞いたことがある気がするんだが、思い出せない。
「あった事あるだろ?」
「ないと思いますが」
「「まあ、いいや。伝えるよ「賢者の洞窟の最深部に、行かないと魔法解けないようにしといたから、後、お前の忘れってた聖刀、魔物と一緒に置いといたから」だそうだ」」
「白夢って、魔王かよ。それに、魔法も魔物も完全に嫌がらせじゃねーか!」
いや、それよりも何で、魔王と親しげなんだ?
「何で、魔王何かと、親しげなんですか?」
「別に悪い子じゃないしね」
「悪い子じゃないって、魔王は、魔物を作り出し、操って、国を襲ってるんですよ!」
「ああ、そうか。」
シン様は、何か納得のいった顔した後、話し始めた。
「魔王とは、元々君と同じ勇者なんだよ」
「なんだって!」
「それを説明するには、まず魔物について、話さなければならない。コウキ君、魔物とは、どうやって生まれると思う?」
「魔王が復活した時、魔王が創り出すんじゃないんですか?」
「世間では、そう言われているが本当は違う」
「魔法を使った時、陰の気、瘴気とも言うのが空気中に出るだよ。そして、それが集まり魔物が生まれる。」
「でもそれなら、どこにでも魔物が生まれるってことですか!?そんなの安全な場所なんて、ないじゃないですか!」
「そう、普通ならとっくに人類は滅んでる。
そこで、魔王なんだよ。最初の勇者は天才だった。
なら、瘴気を一つに集めれば、その場所でしか魔物は生まれない。
そして、世界に干渉する魔法を作り出した。そして、その瘴気のたまり場こそ、今の魔王城だ。
こうして、出てきた魔物は、勇者が倒し、世界は平和になると思われた。しかし、そうならなかった。
勇者が狂ったのだ。勇者が魔物を引き連れ、当時の最大の大国を滅ぼした。」
「どうして、そんな事に?」
「そもそも勇者とは、魔物から、誰か世界を救ってほしい!という願いから出来た戦神が半分ずつ憑依した者なんだよ。だから、魔物を倒すとっその魔物を形成する瘴気を吸収して、強くなり。吸収した陰の気を陽の気に変える性質があるんだよ」
「じゃあ、勇者は二人いるって事!それに、勇者以外が魔物を倒しても」
「そうさ、一時的には、体を保てず、消えるが瘴気は残っているので、また生まれる。そのうえ、人の体内に持つ陽気を求めて、襲い掛かて来る。」
「どうして、魔物は陽の気を求めるんですか?」
「それは、自分の中の陰の気と陽の気を混ぜて、また元のマナに戻りたいからさ」
「そんな事できるんですか?」
「出来るよ、元々一つの物が分かれただけだからね。」
「話がそれて、しまったね。話を戻そう勇者は、魔物を倒すと陰の気を体内に貯めると言っただろ、初代勇者を陰の気を貯めすぎてしまったんだよ。魔物の量が余りにも多すぎて、体内で陰の気が陽の気に変換するよりも陰の気が貯まる方が多く、精神が限界に達しってしまったのだろう。
そして、大国を滅ぼして、ボロボロになった勇者をもう一人の勇者が倒し、魔王城の日記を読み役目を引き継いだ。その後は、勇者が狂うたびに、新たな勇者が倒しが繰り返されてきた」
じゃあ、白夢も狂っていたのか、そうは、見えなかった。
「白夢は狂っていたんですか?」
「狂ってないよ、あの子は、空間を操れるから、出てきた魔物は、亜空間に飛ばしていたはずだから。」
「じゃあ何故、商業国家ビジェネスを滅ぼしたんですか?」
「それは、直接彼女に聞くと良い、彼女も代表になるはずだから」
「分かりました。そうします。」
「では、僕はもう行くよ。またね」
そう言うと、シン様は、消えていた。
俺は頭を整理してから、家に帰った。