第72話 3つの知らせ
シャロンからセルマの妊娠を伝えられ、タカシはすぐにセルマと話す機会を作った。妊娠したことへの感謝を伝えたが、セルマは領地防衛のことが気になるようだった。魔物討伐や巡回、領地防衛の指揮、訓練など今まで通りやりたいと希望した。タカシはセルマ班を解体して拠点で大人しくするよう説得した。両者の意見は対立したが、最終的には危険な行為や乗馬、激しく体を動かすことの禁止で話がついた。
タカシは、誰かは妊娠するだろうと考えていたが、一番に妊娠するのはシャロンだと思っていた。シャロンが妊娠してから色々と考えればいいだろうと思っていたのが、まさか領地防衛の中心的人物である隊長のセルマが最初に妊娠するとは予想もしていなかった。今後は計画的にしなければと反省するのであった。
しかし今までの習慣は抜けず、性欲には勝てず、思いつくまま今まで通り女性を抱くのであった。
退避していた村人たちが故郷の村に戻ってから二週間が経った。アーナスとの二人きりの会議は毎回ベッドの上で行われた。今回はタカシを驚かせる話がアーナスから三つあった。
一つは、獣人奴隷の王都からの連れ出し制限がなくなったとのことだった。一集団につき二人までとされていた制限が、何人でも構わないようになった。王都の治安悪化に伴い、他の領地に分散させたい思惑があるらしい。
もう一つは、冒険者ギルドが再開するとのことだった。タカシは失踪したギルドマスターが見つかったのかと尋ねたが、返事を濁され、新たなギルドマスターが派遣されたと説明された。今まで冒険者ギルドが再開できなかったのは、領地の治安維持ができていないためだった。治安維持は基本的に領主の仕事であるため、冒険者ギルドが無償で受けることはない。そのため治安が戻るまでは後任のギルドマスターを送ることができなかったのだ。
最後の一つは、ゴブリンに拉致されていた女性たち、冒険者四人と村娘七人の合計十一人を奴隷にするので預かってほしいとのことだった。タカシは思わず、アーナスを二度見してしまった。
本来は教会の施設に連れていくことになっているのだが、被害女性の中に教会へ行くのを拒否する者が出た。リオンと相談した結果、タカシの奴隷にしてはどうかという話になったのだ。タカシはなぜそのような話になるのか理解できなかった。
「俺はどのような経緯であろうと手を出すぞ?酷い目にあったのに、救出されても奴隷にされて見知らぬ男に抱かれるのは可哀想だろ……」
「被害女性たちには、魔物に捕まっていた期間に起きた出来事が耐えがたい記憶となっています。それは生きるのが苦痛なほどに……。奴隷の首輪にある命令という強制力を、前向きな形で使えると思っています」
「うーーーん、でもなあ……」
「タカシ殿は性欲の赴くままに抱いて、彼女たちの記憶を上書きしてあげればいい」
タカシは納得できずにいた。すぐに返事はできないと相談させてほしいと言い、持ち帰った。




