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第70話 引越し


会議から三日目、ゴブリンの大規模集落討伐翌日、タカシたちは放棄または村人が全滅した全ての村にいた魔物を一掃した。一箇所だけ魔の森の中に飛び地のようにあった村も魔物の殲滅を行った。この村は開拓用に作られたばかりで村周辺の整備も不十分、ほぼ魔の森に囲まれた場所だったため、アーナス領主代行によって放棄の許可が出ていた。


魔の森に面して防衛線のように、並行する形で三箇所の村と、少し魔の森から離れた大きめの村の計四箇所は、アーナス夫人から拠点にする許可が出ている。少し離れた大きめの村にセルマ班とメグ班が残り夜営を行い、他の班は翌朝の引っ越し準備のため拠点に戻った。


翌朝、タカシはシャロンを馬車に乗せて、新たな拠点へ引っ越した。引っ越しといっても私物はあまり持っていない。荷物は食糧や武器、資材などが中心だ。新たな拠点に到着すると、セルマとメグが出迎えてくれた。セルマたちは交代で寝ずの番を行ったが、魔物の襲撃などはなく平和だった。


タカシはシャロンを村長の家に案内した。


「シャロン、この村を俺たちの拠点にするから、ここが俺たちの家だ。悪いが今日から住めるようにしてくれ」


「任せてください」


シャロンは目を輝かせ、腕まくりをした。そんなシャロンに笑顔でキスをして、「魔物はいないと思うが、一応気をつけてくれ」と言い、自警団員二名を手伝いとしてシャロンに預けて巡回に出かけた。


村長の家は荒れているわけでもなく、きれいな状態だった。シャロンは自警団員と共に家の中を見て回り、今夜からタカシたちが寝泊まりできるように整えるのであった。


タカシは、防衛線となる三箇所の村とその周辺を巡回し、魔物討伐を行った。今日からその三箇所の村に各班を常駐させ、夜も見張りを置く。担当はそれぞれミオ班、メグ班、カリン班だ。シャロンがいる村にはタカシとセルマ班が常駐する。セルマが組織した自警団は、村人が村に戻った後もタカシたちに預けられ、一緒に暮らすことに決まっていた。


これにはアーナス領主代行の思惑があった。戦場から領軍が戻れば復興を最優先にしたい、魔の森からの魔物侵入で邪魔されたくないということのようだ。


セルマとミオ、メグ班は広範囲を巡回して魔物を探し、カリン班はシャロンがいる村とその周辺の魔物を担当した。魔物を一掃したはずだが、それでも魔物と遭遇するのであった。どこに隠れていたのかと思えるほど大きなボアやスネークなどもいて、全員を驚かせた。それぞれ昼過ぎには捜索を中断し、今晩の寝床確保と夜営準備のため担当の村に帰った。


翌日、タカシの村にリーダーたちが集まり、夜営状況の報告がされた。魔の森から鳴き声やうめき声、物音で魔物が近くにいるのはわかるが、戦闘にはならず姿も見えなかったと各班のリーダーは報告した。


タカシは今日から魔物捜索のためのローラー作戦を行うと説明し、それぞれの担当地域を示した。ローラー作戦は夜間も行われ、会議から一週間後に行われる村人の帰還日まで、徹底的に魔物を排除するのであった。


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