12話 初座学とチートの兆し
すみません、遅れました!
ストックができたので毎日更新しようと思った矢先にこれですよ…
さて、今回は主人公の真のチートに関する話です。
もちろん<叡智>もチートですが、タイトル通り主人公向けではないので。
さて、突然だが眠気はなぜ来ると思う?
理由はいくつかあるが、1つ目は当然疲れを取るためだ。
2つ目は時間的に生活リズムのキープの為に。
3つ目は満腹になった時。
そして最後の3つ目は、眠気が来る時と同じ状況になった時だ。
聞いたことがある人もいるかもしれないが、眠気が来る時は体が暖かくなる。
そしてそれは逆に体が暖かくなれば眠くなることも意味している。
そして現在の奴ら状態はこうだ。
体温の上がるバフ付きの沢山の料理。
寒さを凌ぐので使い切ったエネルギー。
食べ盛りの高校生。
満腹になるまで詰め込まれた腹。
ここまで来れば分かると思うが、そう、あろう事かコイツら、体温の上がる料理を消耗したエネルギーの埋め合わせをするかのようにバカ食いして、さらにポカポカで満腹の幸せ気分になっちまったせいで全員寝落ちしてるんだわ。
因みに今は座学の時間。
食事が大いに盛り上がったせいで予定が狂い、ギリギリ部屋移動やら着替えらや歯磨きやらを済ますことはできたのだが、その元凶が全員寝落ちしてる。
多分学校の机と似たタイプなせいで寝やすかったんだろう、だけどさぁ、皇帝からの直接の命令で動いてる教師の初授業でそれやんないでくれよ…
しかも過半数で。
というわけで今は教室がとても混沌としています。
せっせと周りを起こす先生含む生徒数名VS絶対寝落ちするマンの構図ができあがっている。
今は常識的な事について学ぶのだが魔法学の先生が来ており、その先生はなかなか強気になれないらしく基本アワアワしてるだけだ。
既に半刻程が経過しており、さすがにこのままではマズいので先生に進言しておく。
「このままだと多分コイツら起きないんで、一発で目が覚めるような派手な魔法食らわせてやってください」
そう、名付けて「異世界パワーで無理やり起こそう作戦」だ。
え、まんまだって?
…いいんだよ、こういうのにはネーミングセンスを求めちゃいけないんだ。
「え!? そ、そんな事したら死んじゃいますよ?」
「ああいや、そういうのじゃなくてこう、ちょっと強めの電気とかでビリッとさせて」
「うーん、それでもまだ心配ですけど、まあ回復魔法も使えますしやってみましょう」
これで多分全員が起きて授業に集中することだろう。
実はビリッとする電流ってのはなかなか本能として怖いものがあるらしく、一度でもくらうと二度とくらいたくないという深層心理が働くようなのだ。
因みにソースは俺なので信用度は0だ。
「じゃあ行きますよ…。"サンダー"!」
先生がそう言いながら手を上に向けると、人数分の雷が先生の手から放たれた。
そう、人数分である。
ということは勿論寝いない俺達も含まれるわけで…
バチンッ!
「いて!?」
「うご!」
ゴンッ!「ゲブッ!!」
「いって! ちょ、なんで俺らまで!」
「痛たた! せ、先生!?」
もれなく全員そこそこ強めの電流を食らったのであった。
というか3人目のやつ大丈夫か?
なんか机と雷とで二弾攻撃食らってたけど。
とりあえずこれでどうにか全員が起き、無事授業を始めることができた。
できたのだが…俺は『森羅万象』のおかげでそこん事ろは全て把握してる。
つまり、とんでもなく暇なのだ。
今までと違い、一度聞いたら二度と忘れないため復習は必要ないのだ。
勿論<叡智>の効果は偽っているため、ボロ出さないよう表面上は真剣に聞きメモを取っているかのように見せている。[並列思考]で。
因みにこのメモ用紙として使っているの紙は羊皮紙のためそこまで貴重ではない。
思考を高速化する程でもないし、何より外にバレないように暇を潰したい。
さーて、何もしようかなー、と考えていると[覚醒睡眠]から戻ってきたベータが面白そうな提案をしてきた。
〔そういやさ、<叡智>の最後の効果の『解析』、使ってなくね?〕
そういやそうだったわ。
色々あったせいで頭からすっぽ抜けてた。
一応<叡智>の中にその予定はぶち込んでいたんだが、そもそもの存在自体を忘れてた。
「(あー、確かにそうだな、暇だしやってみるか)」
ということで早速使ってみることにする。
勿論『分析』の時みたいなヘマをやらかしてバレるのは不味いので、そうならないよう調節をしながらにするつもりだ。
そして肝心の対象だが──
「(またイスでいっか、『分析』の時とも比較できるし)」
イスにした。
勿論これは俺の部屋のものでは無いが、部屋にあったものと同じタイプのイスである。
因みに燈火の部屋に行って気付いたのだが、明らかに俺の部屋の調度品だけランクが数段落としてある。
それも、明らかな格差を見せつけながらも生活に支障をきたさない程度という嫌らしいラインで。
まあそれは置いといて、早速前の席のイスに向けて『解析』開始!
速度はかなりの低速からリソース限界までだんだんと引き上げていく。
これって[鑑定]とかと違って魔力でバレないよな?
未だに俺は魔力を使っておきながら知覚できていないので怖い。
一応魔法学の先生はこちらを気にしていないので、さほど気にならない量なのかそもそも放出してないのか分からないが、とりあえずバレてはいないようだ。
『解析』で得た情報は全て<叡智>の方にそのまま流していくが、現段階で明らかに『分析』の時の情報量を超えている。
鼻血が出たりしないギリギリを攻めていくが、それでも終わらない。
…これ、最初『分析』の方使っててよかった。
もし興味本位で『解析』なんて使おうもんなら即死だったな。
そんなことを考えながら待つこと半刻、やっと『解析』が終了した。
あの頭が使われてるような、活性化していくような感覚が癖になりそうだったが、終わってみるとやはりそうでも無いと思った。
で、解析結果なんだが…
これかなり謎だ。というか無意味だ。
『分析』は物理的な構成情報そのものを獲得してたけど、『解析』で得られる情報はその物自体を構成する要素のような、なんというか俺の乏しい語彙力じゃあ説明できない不思議なものだった。
正直こんなのどうやって使うんだと疑問だったが、よくよく考えてみればここはスキルや魔法のある世界。
わざわざ物質相手に使わなきゃいけない理由なんてないじゃん、という考えに至った。
多分これは魔法相手に使って術式とかを理解して、それを真似するためにあるんじゃないか、と。
だとしても俺は無属性だし、何より俺はレベル1だとしても、さっき教えていた平均的な成人男性のステータス未満しかない俺のパラメータで打ち出せる魔法なんてたかが知れてるし…正に宝の持ち腐れだな。
などと考えていると、俺の耳を酷く疑わせる一言が飛び込んできた。
「──となるわけで、結果的にスキルなどの技術は理解度によって習熟速度が大きく変わってくると言われています。ですので、異世界から呼んだ皆さんの想像力と[異邦人]スキルが成長速度に大きく関係してるんですよ」
…は?
え、まじ!?
冗談だろ!!??
[異邦人]に成長補正がある?
そんなの話はどうでもいい!
後で検証すればいいさ。
けど今はもっと大事なことがあるだろ!
俺はがっつくように先生に質問をした。
「せ、先生! 今の、理解度がスキルの習熟に関係するってどういうことですか!?」
「お、落ち着いてください! ちゃんと話しますから!」
おっといけない、落ち着け落ち着け、効くかは分からないが[集中]も使って落ち着けー。
こんなに慌ててれば怪しまれるだろうが。
「それで、さっきの理解度と習熟の関係についてですね? とっても簡単な理由です。予め勉強を沢山しておけばしておくほど、テストでは良い点が取れますよね? それと同じです。そのスキルについての知識量が多ければ多いほど、理解度が高ければ高いほど、そのスキルが覚えやすくなると言われてるんです」
「フ…フフ…フフフフッ!」
ヤバいヤバい、ニヤニヤが止まらねぇ!!
って、変な声漏れてるし。
どうにかして止めないと絶対マークされるよ、色んな意味で。
…けど、けどそれが本当だとしたら…!
もしかしたら<叡智>は使い手を選ぶような半端チートじゃなくて、本当に本当のチートに化けるかもしれないじゃないか!
もし、もしもその話が本当のことで、俺の『解析』がスキルにも使えたとしたら…!
俺は、文字通りスキルを、学習できるかもしれない!




