2-9 魔虫の巣
今日はお金を稼ぐため、町の一番近くのダンジョンに向かった。
このダンジョンは、近くと言っても、徒歩で5日かかる場所にある。
俺は真美子をおんぶして、飛行魔法で飛んでいくことにした。
真美子は、お姫様抱っこがいいとか言ったんだけど、俺の精力はもう66/99、真美子の顔が近いとそのまま襲っちゃうから拒否したんだ。
だって、ロマンティックに口説かないと駄目なんだろ。
そして、真美子をおんぶした。
少しは胸の感触を期待したんだが、俺のライトアーマーと真美子の胸当てのせいで全然わからん。
硬い背中の感触を感じながら、ダンジョンに着いた。
◇
このダンジョンは、誰が呼んだか”魔虫の巣”という。
昆虫コレクターだった魔術師が作ったダンジョンで、正式名称がなく、こう呼ばれることになった。
ここの虫の魔物が高値で売れるらしい。
特に”タマタマ虹色大玉虫”の甲羅がアクセサリーや工芸品に使われる素材だ。
学費を稼がなきゃね。
「真美子それじゃダンジョンに入るよ。」
「はい。テツさん。」
俺と真美子は、”魔虫の巣”ダンジョンに入っていった。
ちなみに真美子のレベルと装備は、
山根 真美子 LV151
勇者
HP***/*** MP***/***
装備:勇者の腕輪、アンチマジックの胸当て、ライトアーマー、鋼の剣
魔法:ライト、アイス、点火、ウインド
特殊:光の剣
その他:真偽眼、絶対貞操帯
アイテム:不明
俺はは、ライトアーマーと鋼の剣。
真美子は鑑定能力無いので、俺が索敵魔法とかを使わなくてはならない。
・・・・・・・・
俺は”ライト”を唱えて明かりを作った。
真美子も”ライト”使えるみたいだが、とりあえず、一つで進んでみた。
中は洞窟のように湿っていて、空気が重い。
ライトに照らされ、無数の歪な影が出来る。
奥で水音が響く。
懐かしい、リアルダンジョンだな。
入って暫らくした頃、魔物が2匹現れた。
バッタの大きな魔物だ。
俺は一歩前に出る。
「ハタバタ大バッタLV43だ!真美子、右を頼む。」
「はい。テツさん。」
俺は左のハタバタ大バッタを剣で瞬殺した。
そして、真美子の方を見る。
真美子は右のハタバタ大バッタに剣で切りつける。
シュン!
ぶううしゅー!
ハタバタ大バッタの胴体に切れ目が入り、紫いろの体液が飛び出す。
ぶぎゅー!
と変な音を立てながら、ハタバタ大バッタはもがく。
ばたばたもがいているので、真美子は近づきにくいみたいだ。
それが収まった頃、真美子はハタバタ大バッタに近づき追い打ちをした。
剣を数回突きさしていた。
ズス!ズス!ズス!
ぐぐぐぐっ!
とハタバタ大バッタは痙攣をおこしながら息絶えた。
真美子はハタバタ大バッタを倒した後、俺を見て言った。
「テツさん、早く終わったのなら、手伝ってくれたっていいじゃない。」
「いやぁ、それじゃ真美子のレベルアップにならないだろ。」
「・・・・まあそうなのだけど。」
そうそう、俺が全部倒しちゃうと、真美子のレベルアップにならないからね。
「それじゃ、素材取って次に行こう。」
「はい。」
俺と真美子は、ハタバタ大バッタの羽根と後ろ脚の健を取りリュックにしまった。
そして、ダンジョン内を2人は進む。
・・・・・・
暫らくバッタみたいな魔物を狩っていった。
”ハタバタ大バッタの他に、”ギリギリ大キリギリス”や、”ぼったん大カマドウマ”もいた。
全て、大した素材が取れないので、途中から素材は取らずに捨ててしまった。
・・・・・・・
1層下に降りるごとに魔物種類が変わっていく。現在の階の魔物のレベルはLV100前後だ。
俺と真美子は、魔物を倒しながら更に下の階へと進んでいった。
・・・・・・・
俺は、いも芋糸大虫を倒し終わった後、
一息ついた、そして、尿意を感じたので真美子に言った。
「真美子、ちょっとトイレするから見張ってて。」
と言い、俺は真美子の直ぐ側で用を足し始めた。
「はい。テツさん。」
と真美子は周りを警戒した。
シャー!
俺は、尿を出しながら失敗したかなと思った。
真美子って女性のパーティだけだったよな。
俺は、マイラとダンジョンとか行ったから当たり前だと思っていたが、よく考えると真美子こういうのダメなんじゃないか?
でも、慣れてもらわなくちゃな。いいや、気にしない。
俺が用を足した後、真美子が話しかけてきた。
「私も、ト、トイレ。」
お、恥じらいはあるが、ダンジョン内でのトイレ大丈夫じゃないか。
「じゃあ後ろ向いてるよ。」
と俺はうしろを向いて周りを警戒し始めた。
そう言えば、マイラもこうやって用を足してたっけ、あの時はちょっと興奮したな。
お、音がする。
これ、振り向いたらまたエッチとか遠のくんだろうな。
・・・・・・・・・
そして、俺と真美子は、魔物を倒しながら更に下の階へと進んでいった。
俺は、魔物のレベルに疑問を感じた。
「真美子、このダンジョンってまだ、中層なのに魔物のレベル高くないかな?もうLV150前後だよ。」
「いいえ、テツさん、私の知識だと、中層ならLV150前後で合ってると思うわ。」
「そうか、この世界のダンジョンって魔物のレベル高いんだな。」
「そうかしら?だって魔族から比べるとLV150って4分の1よ。」
「へえ、そうするとその魔族ってLV600だから、魔将軍クラスかな?」
「いいえ、2カ月前に城に攻めてきた下級魔族がLV580よ。」
え?下級魔族がLV580だと!
「そんな馬鹿な!LV580が下級だって!LV999が上限なのにおかしいじゃないか?」
「?上限はLV9999よ。」
「な!」
そんな、この世界は、レベルが一桁違うのか!
それじゃ、俺TUEEEが出来ないじゃないか!
まずい、俺もレベルアップしないと。
「テツさんのレベルってどれくらいなの?」
「・・・・LV954だ。まさかこの世界がレベル上限LV9999だったなんて。」
「でも凄いじゃない。そのレベルなら中級魔族の弱い相手なら十分戦える強さよ。まさかテツさんがそんなに強いとは思ってなかったわ。」
凄いとか言われても、俺、前の世界じゃ大魔王と戦ったんだぞ。くそ。
「中級魔族の弱いのかよ。」
「そうよ。だって、私の知っている人間でLV400超えてる方は、この国では見たことないわよ。」
そうか、レベルの上限は高いけど、一般人からすると、俺はレベル高い方なんだ。でもな。
「・・・・・」
「テツさん!とにかくお金稼ぎましょう。」
「ああ、そうだな。」
とその日は、数回下の階まで行ったあと、魔物のレベルが真美子のレベルを超えたので、安全策で帰ることにした。
そして、素材もいっぱいになったので、俺はダンジョンの中層の隅に転移ゲート魔法陣を設置しその周りにアイテムで結界を作った。
その後、転移で町まで帰った。
冒険ギルドで今日の素材を売った、あの美人の職員が対応してくれた。凄い目の保養になる。しかし、真美子が俺を睨んでいたのでやめたよ。
羽根とか腱とか、地味な色の甲羅とかだったので、今日の稼ぎは、銀貨5枚だった。




