表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/5

第5話 紙をつくりたい〜その3〜

———-で時を進める


を覚えました… 紙作りというか、和紙作りって時間がかかるんですね


おはようございます。

昨夜、お水をがぶ飲みして、ふかふかおふとぅんにお漏らしをし…


なかったアルティフェリス3歳でございます。


お漏らしするかちょっと冷や冷やしたんだけどね、中身18歳だからね、ちゃんと夜中に起きましたわ。


魔力0でも使えるコップもどきは部屋にあるから、これは尿検査、これは尿検査、これは…


って暗示かけながら採取いたしました(泣)


夜中だから、メイドのキリアにもバレずにできた!

誰かに見られてたら、もう恥ずかしさで死ねるわ。


「おはようございます、お嬢様。お早いお目覚めでいらっしゃいますね。」


ぎくっ…キリアが起こしに来た…


平常心、平常心… ベッドの下に頑張って密閉して隠した検査ブツは気にしない、気にしない…


「おはよう、キリア。なんだか目が覚めちゃって…お腹が空いたわ、今日の朝食はなーに?」


「本日も、ルフレでございます。」


そう、あの光るミルク味の粒はルフレというらしい。

地球の子供は生後半年くらいから離乳食だが、この世界では魔力的な食育?があるらしく、5歳になるまでは光の粒ミルクであるのが普通らしい。

幼い頃から魔力を多く含ませたルフレを食べさせることで、大人になった時の魔力量の伸びが違うのだとか。



「だよね〜。なんかコロッケ食べたい気分だったの。」


「…。コロッケというのは何でございますか?」



おっとっとしまった。この世界には揚げ物もないのだ。


「コロッケっていうの食べたゆめをみたの。」



誤魔化せたかな?あぶないあぶない…




———————————————————————



さて、ルフレも食べて満腹になったことだし、本日もものづくりいたしますか!


今日の夕方くらいには、昨日作った草木灰も出来上がるだろうし、そうしたら、木の皮がを煮詰められる!



その前に、今後のためにも重曹(炭酸水素ナトリウム)は絶対作りたいのだ。


さて、重曹はアンモニアソーダ法で作られる、塩水にアンモニアを飽和させて二酸化炭素をふーっと通すと沈澱するらしい。


今日は材料をちゃんと揃えたので、キリアに早速魔法でちょちょいと作ってもらおうと思う!(もちろん、検査ブツが入ったコップにはNH3とノート魔法して、中身は内緒!にしてある…)


あー、キリアごめんよう…誰か早くハーバーボッシュ法を実現してください…



「キリア、ここにある材料に昨日の魔法式を起動してみて」


「かしこまりました。」


キリアが魔法式を構築し、起動すると、キリアが慌てている様子だった。


「お、お嬢様、いったい何をお造りになったのですか…?普通の魔法ではこのような現象は起きません…‼︎」


私が用意した材料から、きらきら光る文字が浮かび上がり、教科書でみる化学反応式そのものがふわふわと宙に浮かんでいた。

それと同時に、頭の中に電子音のような機械的な声が響いてきた。


『塩化ナトリウム、アンモニア、水、二酸化炭素を確認しました。……合成に成功しました。「ものづくり」のレベルが1上がりました。』


「…へ?」



私が、レベル?!とびっくりしている間に、合成は終わったらしく、キリアは動揺を隠しながらも、出来上がった白い粉を私に見せた。


「…お嬢様、魔法式が起動し、このようなものができましたが、これはいったい何なのでしょうか…」



そっか、この世界の人は、魔法で作り出すものは当然結果を知っていて生み出すものだから、何になるかもわからないものを作るのは怖かっただろうな。

それに、出来たものってこの世界初の魔法による「実体があるもの」!!これだいじ!


「キリア、びっくりさせてごめんね。これは、いろんなものに使える魔法の粉なんだよ!」


「…お嬢様に危険がないならば、ご自由にお使いください。」



さて、重曹ができたよー!!!!!うれしーい!!



もう、木の皮煮ちゃう!草木灰は、後回しにする!


「キリア!おっきいお鍋用意して!!」



さて、レッツ紙づくり〜!



———————————————————————


ぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつ…




かれこれ6時間ぐらい、まっ茶色の鍋をかき混ぜる3歳児です…


ちなみにこの木の皮、地球と同じでコウゾっていうんだって。

ファンタジ〜あるある名前同じ〜




重曹入れて、茶色の液体をぐつぐつ煮つめる3歳児って絵がすごいわ〜


「キリア、この鍋の茶色い水を捨てて、綺麗な水をいれて」



よし!このまま夜まで放置、アク抜きだー!

それまで暇だからお家を探検しよう〜


———————————————————————



「お嬢様、お嬢様… もう朝でございますよ…」


「っえ?!」


あさ?!えー?! 


どうやら、3歳児がこの屋敷を探検するのはオーバーワークすぎるみたいだ。

疲れてお昼寝のまま、朝までこてんと寝てたと…



まぁいい感じにコウゾのアクが抜けてるだろうな、ふぁ〜寝過ぎてねむい!


よし!今日こそは紙をこの手にー!


———————————————————————






結果から言います………



魔法とものづくりって相性良すぎぃ〜?!!!

ものづくりレベルが2になりました。



昨日、コウゾを煮詰めてアク抜きしたから、後は洗って漂白して、細かく砕いて、薄く伸ばして乾かすだけだったんだけど…


まず、洗って漂白の段階で、クリーン魔法が万能すぎた。

驚きの白さ!ぴかー!みたいな仕上がり…


続いて、粉砕もらくらく…竜巻みたいな風魔法でバラバラに…

もうミキサー魔法でいいや


最後に薄く伸ばして乾かすのも魔法でちょちょいのちょい…


はい、ちょっとざらざらするけど白くて長方形の紙ができました!



キリアさまさまなんだけどね…

私が、もっと早くできないかな…ってぼやいてたのを聞きつけて、


「僭越ながら、ご指示をいただければ、私が作業いたします。」


ってキリッと言われちゃあね…そりゃ、



「ほんと?!よろしくー!!」


ってなるでしょう〜!



ちなみに、重曹じゃなくて、草木灰で繊維をほぐしたやつは、重曹の紙よりもざらざらが大きかったかな。



というわけで、ついに!ついに!念願の「紙」が完成しましたー!!


商会に売りつけて特許とって、大儲けしたい…


まぁ、そんなうまく行かないだろうけど、大きな一歩だよね〜


千里の道も一歩から一歩から!

地道にものづくりしますか!(号泣)




アルティフェリスが初の紙に涙している時、大人たちも別の意味で狂喜乱舞していた…。

フェリスのママ視点書きたいと思います。


こんな初心者の小説家を読んでくださって嬉しい限りです。


ありがとうございます(号泣)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ