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異世界制圧奮闘記  作者: 大九
第2章 入試編
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第17話 試験の終わり

結局、僕も10戦全勝で試験を終えた。メグは僕に負けた1敗のみらしく9勝1敗。試験の終わりに勝敗速報が発表され、全勝8人、1敗28人であった。定員は50人ので2敗以降もまだ受かる可能性がある。

ともかく、例年の結果だと全勝、1敗はほぼ全員合格らしい。合格発表は明後日である。トルチェのうちへの居候も合格が確定してからということでひとまずまとまった。


校門でトルチェと別れ、僕はサフィと帰宅の途についた。

『というか、ご主人様。せっかく、私がいるのですからなんで試合で私を使わなかったのですか?』

サフィは不満気味に僕の耳を引っ張ってくる。

「だって、サフィにお願いするまでもないじゃん。みんな、弱かったし。」

サフィは今日の試合中、ずっと見ているだけだった。試合の契約精霊の使用は認められていたけど、なんかすごく弱い者いじめになりそうで悪いと思ったから試合に出さなかった。

「まあ、そのうちサフィにも活躍してもらう場面があるよ。」

『だといいんですけどね。強すぎるっていうのも考えものですね。』

そのまま、サフィと他愛のない話を続ける。

『ご主人様?』

「わかっている。そこの曲がり角で仕掛けよう。」

僕たちが、すっと角を曲がると待ち伏せた。僕たちをつけていた気配は撒かれまいと追いかけて曲がり角を曲がってきたところを捕まえた。

「おい、お前。なんで僕たちをつける?って、メグ?」

「離せ!!貴様にメグと呼ばれる筋合いはない。馴れ馴れしく呼ぶな。」

後をつけてきたのに、なんか偉そうだな。

「で、なんの用があって僕たちを付けてきたの?」

「そうだ、私はお前に言いたいことがあってきたのだ。」

「わざわざ後を付けて?」

「話しかけるタイミングが無かっただけだ。別に後を付けていたわけではない。」

なんか、いじり甲斐のある子っぽいかも。

「そう。それで、言いたいことって?」

「そうだ。お前、私との試合の時、手を抜いていただろう。」

ああ、なるほど。なんでも真っ直ぐにやらなくては気が済まないタイプか。それで、ねえ。

「別に、手を抜いていたわけではないんだけど?」

「しかし、貴様は魔法一つ使わなかったじゃないか。私を見下しているんだろう。」

「そんなことないでしょ。現に、そっちが力尽きてくれたから勝てたけど、そうじゃなかったら僕が負けてたよ。」

「ふん、白々しい。私の本気の攻撃を最低限の動きで全て躱してたのにか?しかも、一切魔法を使わないとは。精霊を使わないだけでも、手を抜いていると思わないのか?」

融通が利かないタイプだ。でも、見るところはしっかり見ている。

「ギャラリーたちは、私の攻撃に目を奪われていて、私への賞賛の方が強かったが、少し実力のあるものがいたらすぐ分かったはずだ。両者の実力差がどれくらいかということはな。」

「それで、メグは僕に何をして欲しいの?」

どうすれば、上手く逃げられるのかな。あれ、なんかメグの顔がどんどん赤くなってきた。

「だから、メグって呼ぶな!え、え~とだな。わ、私と再戦しろ。」

ふむふむ。要は、負けるのも全力で!って感じか。でも、それに付き合う必要もないしな。

僕は、すっと移動するとあっさりメグの背後に回り込み、首筋に氷の刃をあてた。サフィに即席で作ってもらったやつだ。大分、サフィとの連携もスムーズになってきたな。

「な、貴様卑怯だぞ。」

メグが喚くがもう関係ない。

「ここが戦場ならメグはもう死んでるね。戦場では待ったは無しだからね。もっと、強くなったら本気出してあげるよ。」

僕はそう言うと、メグを放し、サフィを伴って再び帰宅の途についた。

「く、くそー。絶対、貴様の実力を暴いてやるからな!!」

メグの悔しそうな声がいつまでも響いた。

次話で、第2章本編が終わります。その後、再び間章として番外編を数話入れ、第3章に入っていきます。また、各章の名前も入れていきたいと思っています。

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