第4話 設定をセコイ方法で消去するってどうなんだろう?
計画性のない話でごめんなさい><
『あ、そういえば忘れてました!ご主人様。』
第二魔法高等学校(二高)に向かう道すがらサフィが思い出したように話しかけてきた。
「どしたの、サフィ?」
『はい、ご主人様のこの世界での試用期間がもうすぐ終わるので、“めにゅー”などが使えなくなります。ついでにアイテムボックスも使えなくなるので、今のうちに中身を空にしておきましょう。』
そういえば、そんなものもあったなぁと思いだした。しかし、なんで使えなくするのだろう。というか、試用期間とか聞いてないし!
『あそこの肉屋にビッグベアの肉とか売ってしまいましょう。』
「てか、そういう仕様とか聞いてないんだけど・・・。」
僕は一応不満を言っておく。でも、結果は変わらないんだよな、きっと。
『申し訳ありません、ご主人様。そこは、触れてはいけない大いなる存在の方針で、より現実世界っぽい仕様のほうが面白いんじゃね?と思われたかららしいです。因みに“すてーたす”とか見られなくなるだけで、データとしてはそのまま適用されていくのでご安心ください。』
何を安心しろというのだ?まぁ、仕方ない。ここ以外行き場もないし、素直に従っておくか。
結局、アイテムボックスにあった物全部売って1銭2500厘だった。やっぱり物価が低いな。
「そういえば、サフィ。魔法高校の試験って何するか知ってる?」
『私も、よくは知りませんがきっとご主人様ならバッチリ合格です。』
根拠のない期待ほど重荷になるってことを今度、サフィには教えておこう。しかし、今後のことを考えるとあまり成績優秀で目立ちすぎるのもどうかと思うな。さり気なく、中堅どころに位置して無難に卒業することとしよう。
偶然というか、まるで誰かがそうなるように操作しているというか今日は年1回の魔法高校の統一出願日だ。二高の前にもたくさんの受験生とその何倍もいる保護者、応援団(?)、その他で溢れかえっていた。
魔法高校は4校とも同列との扱いをされているが、出世コースなどでどうしても目に見えない序列がある。やはり、序列一位は一高。最初にできた魔法高校ということもあり、魔法高校の中でも一歩上を進んでいる。続いて三高がその一高を追い上げている。二高と四高はその下に甘んじているというのが一般的な実情だ。僕も周りからは一高を受けろと言われたのだが、目立ってしまうこともあり得ると思い、二高にした。
二高は基本的に一高、三高が難しいと判断した人たちが受験してくる。一流名家の人間は基本的に上位2校に行ってしまうが、中堅どころの貴族の御曹司などは軒並み通ってくる。先程から見えている大応援団はそれらの家々のものであろう。
ぼーっとその光景を見ていたら、うっかり横の人にぶつかってしまった。
「あっ、すみません。」
日本人の美徳よろしくすぐに謝罪すると、ぶつかった相手はにっこり笑った。
「そんな気にすることはない。私にも不注意があったのだろう。君も受験生か?その歳で精霊持ちとはなかなかの実力なんだろう?もし共に受かったらよろしく頼む。」
とても、可愛らしい、美少女でした。
来週から異世界強化週間に入ります。




