第10話 (ダークサイド)あ、姉も必要だと思っただけだから!!
引き続き、ダークサイドです。
小説がどんな方向に向かおうとしているか判らない。てか、異世界本当に制圧するんだろうか?
最後の一人は大体15歳くらいのキリッとした女の子だ。容姿の様子から先の2人と血縁関係だろう。キャニエルには、母親だけでなく姉も必要だよな!うん、これは決して下心があってのことじゃない。人命救助のためだ。だって、さっきからあの変態がこっち睨んでるんだもん。絶対、あいつが落札したらあの子えらい目に合うし、まだステージに残されているキャニエルやミルテアーテが心配そうに見てる。やがて、司会者が紹介を始めた。
「それでは、本日最後の商品です。お馴染み今は亡きドルカニア王国の第一王女であった、サラディナーサ・シクト・ドルカニア。若干14歳ながら、姫将軍としてドルカニアの最前線で剣を奮った剛毅のもの。しかし、初戦で早々と捕虜になるなどドジっ娘も兼ね揃えている!ひと通りの作法が出来る。後はとこの作法だけ!それは、そこのあなたが教えればいい!!更に護衛としてもそこそこは出来るはず。さあ、まずは3円からいってみましょう。」
前の二人が破格の落札だったからって司会者調子に乗りすぎだろう。しかし、価格はどんどん上がっていった。今までは、あの変態に遠慮していたのか、控えめにしか値を出さなかったが、僕がその変態の鼻をへし折ったのとこれが最後ということがあって、多くの人がどんどん名乗りをあげる。しかし、やはりあの変態が空気を読まず、一気に20円と値を上げたことにより、みんな黙ってしまった。もっと、オークションを楽しめってんだ!
しかたがないので、僕が25円と言う。会場から溢れんばかりの拍手が響く。どうやらあの変態はよほど嫌われているんだろう。でも、権力は持っているようだ。
「30円!!」
変態が力の限り叫ぶ。横にいる秘書の顔がだんだん青くなっていく。
「50円。」
僕は、また涼しい顔をして値を上げた。変態が更に対抗しようと手をあげようとするが、秘書らしき人が必死にその手にしがみついて抑えている。やっぱり、50円でもこの世界では大金のようだ。
やがて、今のやり取りを呆然と見ていた司会者がようやく自分の職責を思い出す。
「で、では50円で落札になります!!!」
落札が決まって嬉しかった僕はつい言ってしまった。
「よっしゃぁ~。今晩は、親○丼だ!!」
会場が割れんばかりの拍手で包まれる。変態は屈辱のためかその辺のものをぐちゃぐちゃにしながら出ていってしまった。
変態が出ていくと、僕の周りに人だかりができた。
「君、君、よくやった。よくエルバトーレ公爵に立ち向かった。」
「今日は私たちは非常にスカッとした。」
「あいつは、奴隷を使い潰すことでも有名だからな。まだ、君のほうがあれらも長生きできるだろう。」
散々ないわれようだ。ちなみにあの変態はエルバトーレ公爵というらしい。試しに聞いてみた。
「あの変態ってそんなに偉いんですか?」
ときの権力者に近いであろう人物を変態呼ばわりして、周囲は一瞬固まった。しかし、次の瞬間大爆笑で会場が包まれた。
「公爵を変態呼ばわり出来るのは後にも先にも君だけだよ。」
「しかも、君はその年で低位と言えども精霊と対等な契約をしている。よっぽどの才能だろう。」
「しかし、あの公爵も悔しがってるだろう。なんせ、今回の戦争は公爵がドルカニアのサラディナーサ姫に求婚して断られたことによる逆恨みだったのだからな!」
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やがて、周りの人間もいなくなった。面白いのは一気にいなくなったことだ。ひとしきりに不満を言えて満足したのだろう。さて、三人を迎えに行くか。
窓口で、63円を払い(本当に日本円が使えたからびっくりだ。)、三人を引き取った。三人は相変わらずの格好で僕の後ろを黙ってついてきている。僕の手元には奴隷証が三枚ある。さて、寝るとこのない。どうしよう。
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