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識別信号

独立遊撃部隊輸送機

 

 「識別信号確認。2機とも健在です!」

 モニターには2機のマーカーが弱々しく点滅し始めていた。

 「聞こえる?」

 上田が二人に呼びかける。

 少しして、雑音に混ざり途切れ途切れに梅原の声が聞こえた。

 『すごいか・・・ケルベ・・・』

 そこで無線が完全に途切れた。

 「かなりの数のケルベロスが下にも向かったと言うことか」

 識別信号が確認されほっとしたコクピット内が再び重苦しくなった。

 「笹村少佐につないでくれ」

 「はい」

 すぐにモニターに笹村の顔が現れた。

 『どうしました』

 笹村側に映った古川の表情を心配して笹村の方から聞いてきた。

 「我々の2機が最上部の空洞にいます。しかし、ケルベロスの攻撃によって進路を塞がれています。なんとか援護をお願いします」

 『わかりました。各部隊に伝え、地上に引きつけます』

 通信を終えた古川はすぐに遠藤に指示を出した。

 「降下する!」

 「了解」

 遠藤は輸送機の降下を開始した。

 「きっと二人の機体はダメージを受けてるはず。すぐに処置ができるように準備を始めます」

 大森が古川に許可を取ると、水瀬と一緒に格納庫へと走った。

 




シャフト周辺NCBM部隊


 「地上に湧き出るケルベロスの数が減ってきてるな」

 第1小隊隊長田沼は、ケルベロスの数の変化に気付いた。

 「作戦司令から連絡です。最上部空洞内に独立遊撃撃部隊の機体が戻ってきたところを多数のケルベロスに苦戦している模様。援護を要請。独立遊撃部隊輸送機が回収のため降下します」

 5番機の大友からだった。

 「あれか」

 田沼がシャフト上空を見上げると、降下を始めた輸送機が見えた。

 「からの状態で行くつもりか」

 「全部隊、シャフト辺縁に向かっています」

 「よし、地上のケルベロスを撃破しつつシャフトに取り付き、中のケルベロスを狙え!」

 田沼は部隊員に指示を出すと、機体をシャフトに向け加速しながら笹村へと無線を開いた。





独立遊撃部隊輸送機


 「笹村少佐から通信です」

 上田が古川に繋ぐ。

 「そちらの輸送機に乗って援護のために一緒に降下したいと志願した機体が2機あります」

 「遠藤。4機乗って上昇可能か?」

 すぐに古川が遠藤に確認する。

 「問題ありません」

 「助かります。お願いします」

 シャフトに降下する時に、しばらくは地上からの援護でケルベロスの攻撃をかわすことができるが、深くなればそれも届かなくなる。たとえ2機でも一緒に降下すれば防御面で大いに助かると古川は感謝した。

 すぐに上田のモニターにマーカーが現れた。

 「軍の機体の位置確認しました」

 「こちらでも確認。進路変更、回収に向かいます」

 遠藤が輸送機をマーカーの方向に向けた。

 「地上のケルベロス、ほぼ殲滅。シャフト内にはまだ多数存在。NCBM部隊はシャフト辺縁から内部への狙撃を始めました」

 「なんとしても二人を回収する」

 古川は、モニターに弱々しく点滅する2機の識別信号を見つめていた。




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